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乙女会議

楓ちゃん混乱してます。

その日の放課後私は生徒会室を目指して歩いていた。

生徒会室につくとノックをしてドアを開けた。

「七先輩居ますか?」

「カエちゃん?春人君はむこうの学校に行ってるわ!最近一条会長にばっかりこっちに来てもらってたから今回は春人君が行ったの。」

奏ちゃんの言葉に生徒会室を見ると二階堂君と八尾君に奏ちゃんだけしか居ないようだった。

「八尾君でも良いや!八尾君はどんなことされたらドキドキするの?」

私の言葉に八尾君は少し顔を赤らめた。

「えっ?ど、どどどどどうして?」

私は少し考えて言った。

「詳しくは言いたくないけど、ひぃ様をドキドキさせたいの!」

回りの空気が凍りつくのがわかった。

「カエちゃん?どうしちゃったの?一条会長と何があったの?」

私は奏ちゃんに言った。

「ここでは言いたくない。」

「じゃあ、美鈴と忍も呼んでから行くから、何時ものところで待ってて。」

奏ちゃんの言う何時ものところは家庭科室である。

「わかった。奏ちゃん絶対来てね!待ってるからね!」

私は一足先に家庭科室に向かったのだった。

私は生徒会室に失恋オーラが流れているなんてこと知るよしもなかった。





家庭科室に集まったのは奏ちゃんに忍、美鈴様にマリナちゃんだった。

「…で、私だけドキドキして赤面するのは悔しいって言う…………キスされるなんて思うなんて自分の自意識過剰具合にも恥ずかしくて死ねる。」

私の話に皆はニヤニヤ顔である。

「真面目に聞いてよ!」

「一条様はなぜキスしなかったのかしら?」

美鈴様の言葉に絶句する。

「ヘタレだからじゃないですか?」

マリナちゃん!なんで呆れ顔なの?

「一条会長も頑張った方だと思うけど?」

「私も!一条会長は頑張ったと思う!」

奏ちゃんと忍は満足そうだ。

「私の話聞いてた?」

「「「「聞いてたよ!」」」」

皆に生暖かい目で見られた。

「皆は私の味方じゃないの?」

皆はまだまだニヤニヤ顔である。

「味方だけど、カエちゃんは一条会長を恋人にする覚悟があるの?」

奏ちゃんの言葉に思考が追い付いてこない。

「恋人?」

「普通ドキドキさせたいのは好きな人、恋人にしたい人って解ってる?」

私は絶句した。

良く良く考えれば私の言ってる事って恋愛相談のようだ。

「………じゃあ、私はどうやってひぃ様をドキドキさせたら良いの?」

「楓ちゃん?そこじゃないと思うよ。」

マリナちゃんはかなり呆れ顔だ。

「一条様をドキドキさせたいのなら、自分からキスしてしまったらどうです?きっと赤面してくださいます。」

美鈴様の言葉は私には出来そうにない提案だった。

「出来ません。」

「なぜ?」

本当に驚いた顔をした美鈴様の肩をつかんで揺さぶった。

「ひぃ様は私のお兄ちゃんみたいな人なの!そんなことしたら、今まで通りじゃ居られなくなる。」

皆は同時にため息をついた。

「もう少しゆっくり考えなさい!カエちゃんが決めたことなら私達は全力で協力するからね。」

奏ちゃんは、ようやく優しい笑顔を作った。

「カエちゃんが八尾君にひぃ様をドキドキさせたいの!って言った後の八尾君と二階堂君のお通夜具合を皆に見せてあげたかったわ。」

奏ちゃんの言葉にマリナちゃんが突然立ち上がった。

「チャンスじゃない!忍ちゃん!八尾君は図書室にきっといるよ!慰めにいこう!私は二階堂君の方に行くから!」

マリナちゃんの目はキラキラしている。

「マリナちゃん?」

私の言葉にマリナちゃんは満面の笑顔を作った。

「私はこの日が来るのを待ってたの!一番へこんだ時を狙うんだから!」

マリナちゃんはそう言うと家庭科室を出ていった。

「折角一条会長も頑張ったし、私も頑張るか~!」

忍も気合いを入れるように言うと家庭科室を出ていった。

「二人とも上手くいくと良いね。」

奏ちゃんのしみじみとした言い方に、私と美鈴様はなぜだか頷いていた。

楓ちゃんも頑張れ!

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