検証
短いです。
「…やっぱり…眠れないから、ひぃ様いっょに寝ちゃ駄目?」
「は?」
マリナちゃんの言葉に思わずそう聞き返した。
「定番でしょ!」
マリナちゃんの言葉に美鈴様が頷いた。
今はお昼休みで私の女友達集まって、家庭科室でお弁当を食べながら皆に相談がてら最近起こったことを話していた。
「その展開で?」
「私に何を求めてるのかな?マリナちゃん?爆睡したに決まってるでしょ。」
「トキメキだよ!愛情だよ、恋愛話だよ~!なんで夜中に一条会長の所に行かないんだよ~甘い話が不完全燃焼だよ~!」
「マリナちゃん………面倒臭い。」
マリナちゃんは芝居がかったショックをあらわしている。
無視します。
「でもわかるな~!そこまで砂吐きそうなあまあまが続いたのに落ちが結局何もありませんでしたなんて………私らに隠してない?」
忍に探るように言われ、首を傾げる。
「家に一人じゃないってだけで安心だったし、なんか色々あって疲れちゃったから爆睡だったよ。でも、口に出して言うとひぃ様と付き合ってるみたいだよね~!」
「それって一条会長絶対寝れてないよ!夜中に楓ちゃんが来るかもって。」
「一条会長可哀想…………気が付いてたけど可哀想。」
マリナちゃんの言葉に奏ちゃんが呟くと皆が遠い目をした。
「でも、ひぃ様だってぐっすりだったみたいでいつも通りだったよ!ひぃ様って、隈が出来やすいから寝れてなかったら直ぐにわかるから。」
私の言葉にマリナちゃんが携帯を取り出した。
「直接聞きます。」
マリナちゃんはそう言って柊君に電話をかけ始めた。
「………もしもし、一条会長?聞きたいことがあるんですけど!」
携帯の向こうの声は聞こえない。
「大丈夫ですよ!たいした話じゃないです。ただ、双子話の夜、一条会長は本当に寝れたのか?を検証中です。」
暫くしてからマリナちゃんは呟いた。
「嫌ななれですね。可哀想過ぎて泣きそうです。……あっ、切られた。」
たぶん柊君を怒らせたみたいだ。
「ねっ!寝れてたでしょ。」
「……うん。」
マリナちゃんのテンションは駄々下がりだ。
「カエちゃんは一条会長の事をどう思ってるの?」
「お兄ちゃん。」
「速答するの止めたげて!」
奏ちゃんの言葉に速答するとマリナちゃんが泣きそうに叫んだ。
「不憫すぎて応援したくなっちゃうよ~!」
マリナちゃんは小さく何かを呟いていたが聞き取れなかった。
「じゃあ好みのタイプは?」
忍の言葉に少し考える。
「………浩ちゃん。」
「そうでした。カエの理想はお父さんだよね~!」
忍は呆れたように言った。
「最近はよくわかんないってのが本音かな?周りにイケメンが増えたからかな?たまにドキッとすることがある………」
「うらやましい!」
マリナちゃんは頬杖をついて言った。
「うらやましいの?私はこの気持ちをどうしたら良いのかわからなくて…………怖い。」
私は苦笑いを浮かべた。
皆はそんな私の手をとると笑顔を作ってくれた。
「ゆっくり好きな人を見つけよう。ね。」
奏ちゃんの言葉に私は頷く事しかできなかった。
悩んだんですが、夜中に柊君の部屋にその台詞で何もないのは無理か?柊君が嬉しいやら辛いやらですよね?なのでこうなりました。
電話の内容
「もしもし、一条会長?聞きたいことがあるんですけど!」
『嫌だ、お前からの電話なんてろくなこと聞かれなそうだ。』
「大丈夫ですよ!たいした話じゃないです。ただ、双子話の夜一条会長は寝れたのか?を検証中です。」
『寝れた。楓に甘い展開を期待したところで裏切られるに決まってる。もうなれた。』
「嫌ななれですね。可哀想過ぎて泣きそうです。」
『黙れ。』
「あっ、切られた。」
って流れでしょうね。




