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お礼の言葉

落ち込んだ双子さん達は面倒臭かった。

部屋の角でいじけている。

「よし、飛び蹴りするか。」

柊君は殺意をにじませた。

私は仕方なく彼らに近付いた。

「貴方達の事をどうこうは、思ってないのですよ。」

少しだけ私の方を向いた双子さんでしたが、すぐに視線をそらした。

私は鞄に入っているワンコ先輩対策のクッキーを取り出すと二人に渡した。

「………妹は無理なので友達になりますか?あー、あの人の話さえしなければ可能かと思ったり思わなかったり………何でもないです。」

私なりに考えて言ったつもりだったが、柊君は嫌そうな顔をした。

私が柊君に気をとられているうちに、双子さん達に間合いをつめられている事に気がつかなかった。

「「楓!君は柊と付き合ってるのか?」」

思ったよりも近い場所から声がしておどろいた。

「付き合ってないです。」

取り合えず答えると抱き付かれた。

「「妹が駄目なら彼女になって!」」

私は容赦なく双子さん達を殴ると言った。

「絶対嫌です!」

私はマリーさんの後ろに隠れた。

「千と万!楓ちゃんに手を出したら末代まで祟る。」

「マリーさん好き!」

私はマリーさんに抱きついた。

「「社長ずるい!」」

「楓、何で俺じゃなくておふくろなんだよ。」

何となくとしか言えない。

「マリーさんが格好いいから?」

「………今日は仕方ないな。」

柊君はため息まじりにそう呟いた。

「柊は楓と付き合ってないんだろ?俺達にだってチャンスはあるはずだ!」

万里さんの言葉に私は言った。

「貴方達と一緒にいてあの人と関係なければ無いことも無いかもすれないですけど………貴方達、あの人のお気に入りでしょ………無いわ~!」

双子さん達はまたも部屋の角でいじけはじめてしまった。

「楓、面倒臭いから帰るぞ。」

「………わかった。ご飯どうする?食べてく?作る?」

「今から作るんじゃ楓が大変だろ?食ってこうぜ。おふくろがバイト代くれるしな。」

私と柊君の会話に双子さん達が振り返った。

「「どう言う事?」」

「家が隣で楓に飯つくってもらってんだよ。ほら、楓は俺の嫁だから。」

「はいはい。」

何時ものように言うと双子がさらにショックを受けたようだった。

「仕方ないからバイト代出すよ!残りは後で渡すけど取り合えずこれで美味しいもの食べてね。」

マリーさんはそう言って一万円くれた。

「ひぃ様!どうしよう!何食べる?」

「オムライス。」

「却下。」

「………なら聞くなよ。」

私はニコッと笑顔を作った。

「嘘だよ。ファミレスで良い?オムライスあるとこ。」

私は柊君の左手を握って言った。

柊君は驚いた顔をしたが、すぐに困ったような笑顔を作って頷いた。



柊君と手をつないだままファミレスに行き、ファミレスから家に帰るまでの間も手を繋いで帰った。

柊君と手を繋いでいると落ち着ける気がした。

「楓、今日は泊まってけよ。」

柊君の言葉に少しだけ安心した。

一人で居たくないってわかってしまったのが恥ずかしいのか嬉しいのか解らなかった。

「うん。泊まる。」

思わず柊君の手をニギニギしてしまった。

「………俺の部屋で寝る?」

「殴るよ。」

「ですよね~!」

私は思わず笑ってしまった。

柊君も優しく笑ってくれたから本当に嬉しかった。

「ありがとう、ひぃ様のお陰で今日は助かっちゃった。」

「俺はなんにもしてない、手を握っただけだろ?」

「それが凄く支えになったよ。泣かないですんだよ。ありがとう。」

「………俺はなんにもしてない。楓が頑張ったんだよ。」

私は柊君に抱きついた。

柊君はビクッと体を震わせた。

「ありがとう。」

「………どういたしまして。」

柊君はそのまま私を抱き締め返して私の頭にアゴをのせてそう言ってくれた。

「………小悪魔だな。」

「何が?」

「何でもない。」

はなれた時に柊君の顔が少し赤かった気がしたが照れてしまったのかも知れないと思った。

お気づきですか?

双子は千と万!

攻略対象者です。


たぶん柊君が隠れキャラになる前に隠れキャラだったやつらです。

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