発作
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「お前達はなにやってんの?」
マリーさんの声がスタジオに響いた。
「おふくろ!いや、スタッフにたのまれて……」
マリーさんは驚いた顔をした。
「柊に楓ちゃん?その衣装仮なんだけど………お前達どう言う事かしら?」
マリーさんは結構怒って居るようだ。
「社長!このセットを見てください!私達が、考えたセットです!」
スタッフさん達はマリーさんにセットを見るように言った。
「で?」
マリーさんの反応はドライだ。
「社長が二人に作っている衣装にピッタリだと思っちゃったんです!そしたら楓ちゃんが遊びに来てくれて、ついでに柊君を召喚して、撮影をさせてもらったんです。」
マリーさんはどこから出したかわからないスリッパを手に取ると一気に力説していたスタッフさんの頭に降り下ろした。
「お前達はまた勝手な事して!」
マリーさんはスタッフさん達にお説教を始めた。
「おふくろは、ここに来るとスリッパを装備するってのは本当だったんだな。」
「そうなんだ~!」
私達が見つめるなか、スタッフさん達はマリーさんに撮影した写真を見せていた。
「………キャーなにこれ!無茶苦茶良いじゃん!もう少し絡ませなよ~!」
「こら~!怒ってたんじゃなかったのかよ!おふくろ~帰って来~い!」
「………ハッ!いけないいけない、でも良かったんだもん!」
良かったんだもんじゃないよ。
私と柊君は視線を合わせると言った。
「「………着替えよう!」」
私と柊君は着替えの出来る部屋に向かった。
後ろでスタッフさん達が涙を流して叫んでいたが、私達は気がつかないふりをしたのだった。
着替え終わって戻ってきたらマリーさんが特別にさっき撮影した写真を私に見せてくれた。
コンセプトは可愛いと思う。
自分じゃなければ。
手にキスされた後の柊君の顔がイタズラを成功させた子供のようで可愛かった。
めちゃめちゃ照れ顔の自分が居なければその写真欲しかったよ。
自分はいらない。
「楓ちゃん可愛い~!」
「マリーさん………私じゃない人にかえて撮影しなおした方が良いよ!」
「嫌です!これは私の宝物にします。楓ちゃんにも楓ちゃんが写ってるやつあげるから浩樹君にあげたら!」
はたしてお父さんは喜んでくれるのか?
そんな話をマリーさんと話していると扉の方から視線を感じた。
見るとイケメンの男の人が二人立っていた。
「千に万来たの?」
「はい社長!」
「呼んだのは貴女でしょ!用とはなんですか?」
「いや、千と万が会いたがってた楓ちゃんが来たから紹介しようと思って。」
イケメンさん達は私の方を見た。
二人の視線に後ずさりする。
「楓ちゃん、この二人は千里と万里煩い方が万里で落ち着いてる方が千里、うちでモデルしてもらっている双子よ!」
私はさらに3歩後ずさりした。
「本当だー!めちゃめちゃ可愛い!」
「会えて嬉しいよ妹。」
気持ちが悪い。
吐きそうだ。
私は口を押さえる。
「おっ、千里万里どうした?」
そこに柊君があらわれた。
「社長に呼ばれて!」
「妹に会いに。」
二人の言葉に柊君が驚いた顔をした。
「………楓!大丈夫か?!顔青いぞ。」
さらに、私に視線をうつした柊君は私が青くなっているのに気がついた。
私は首を横にふった。
大丈夫じゃない。
「「妹!大丈夫か?」」
双子の重なった声に目眩がした。
柊君が駆け寄って支えてくれたが、気持ち悪い。
「兎に角千里と万里ははなれろ!」
「「なんで?」」
「お前らが原因だからだよ!」
柊君は私を抱えあげた。
「……気持ちが悪い。」
「吐いても良いからちょっと我慢しろ。おふくろ、奥の部屋借りる。」
「それは良いけど、楓ちゃんどうしたの?」
心配そうなマリーさんに何か言いたかったが無理だった。
「………後で話す。取り合えず、楓を奥で休ませるのが先だ。」
柊君の声を聞きながら私は意識を手放した。
双子登場!




