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"心の闇"一条柊目線

昨日のうちにUPできなかった!

ごめんなさい。

楓が起きてきたのは次の日の早朝だった。

俺以外はまだ夢の中だ。

京矢は昨日の夕方には起きてきたが楓はおりてこなかった。

「惰眠を貪ってしまった。」

リビングにおりてきた楓は俺を見ると笑顔を作った。

「楓に話がある。」

俺は浩ちゃんに聞いた離婚話の真相を話した。

「うそ?」

「本当の話、お前は勘違いしてる。………なんで俺にその話しなかったんだよ?そしたらもっと早く誤解が溶けたのに。」

「話したつもりだった。」

楓はまだ信じられないような顔をした。

「信じられないなら浩ちゃんに電話すれば良いよ。あっ!他に黙ってることないだろうな。」

楓は少し考えて思い出したように言った。

「中学に上がるとき、お母さんに会った。お母さんは再婚していて向こうの連れ子、新しくできた双子の息子が可愛くてしょうがないって話をひとしきりすると帰っていった。何だかたえられなくなって吐いた。その時お母さんはもう私のお母さんでは無いんだって思った。って話した?」

平然とした様子で楓は続けた。

「テレビで施設に預けられる子は自分の私物をダンボール一箱分しか持っていけないって言うのを見てダンボール一箱に自分の必要な物を入れてあまり物を持たないようにしてた時期があるとか、いつ要らないって言われても良いように結構貯金してるとか?言った?」

どんだけの俺に話してないんだ?

違う、どんだけの闇を抱えてんだよ。

俺は楓を強く抱き締めた。

「ひぃ様苦しいよ。」

「楓の母親はキミちゃんで良いし浩ちゃんはお前が思ってる百万倍は確実に楓の事を愛してる。ちゃんと楓は愛されてる。…………俺もふくめてみんな楓が大好きなんだ。疑うなよ。」

楓はキョトンとしたあとみるみる顔をゆがめて涙を流した。

「………うん。」

楓の中で何かがいい方に動けば良いと思った。




昼近くに楓が陸上部の合宿所に行くと言うから付いていった。

「西田さん、それに一条。」

そこには十河兄がいた。

「ご飯作れなくてごめんなさい。」

楓がそう言うと十河兄はかなり慌てて言った。

「違う。うちの妹が君に酷いことをしたのだろ?こちらが謝らなければならない。すまなかった。」

十河兄は深々と頭を下げた。

「ご飯どうしました?」

「幸か不幸かうちの妹のお陰………レトルトカレーは神様が与えてくださった神の食べ物だと夜はみんなレトルトカレーを美味しそうに食べていた。」

どんな地獄の食べ物を与えられたのやら………

「妹にはキツく言っておいた。それで………君と一条の関係を聞いても良いだろうか?」

楓は少し考えて言った。

「お兄ちゃん?お父さん?」

「楓は俺の嫁。」

「はいはい。」

楓はいつものようにかえした。

「一条はうちの妹がいるだろ!」

「お前の妹ととは、付き合わないって言ってんだろ!」

「麗香のどこが駄目なんだ?」

「………全部。」

俺は少し躊躇ったが言った。

「俺の好みは第1条件に料理上手ってきまってんだ。」

「………解った……そう伝えよう。」

「料理出来るようになったって楓を傷つけるやつなんかごめんだから、十河妹は好きにはならん。ちゃんと伝えろよ。」

十河兄はハッとして、大きくため息をついた。

「わかった。伝えよう。」

俺は十河兄の言葉に満足したのだった。

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