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アニマルセラピー

ワンコ先輩のターン。

皆に無理矢理部屋に押し込まれて仕方がないのでベッドに横になってます。

私の回りには居ないヒステリーな人に動揺してしまいました。

私は布団を強く握って目を閉じた。

思った以上に精神力を削ってしまっていたようで、眠ってしまうのなんてたやすかった。


頭を撫でられる感覚に重たい瞼をうっすらとあける。

「お…とう…さん?」

「ごめん、起こしちゃった。それにお父さんじゃないよニッシー。」

私の事をニッシーって呼ぶ人は一人しか居ない。

私は目を閉じた。

「ワンコ先輩。」

「勝手に入ってごめんね。」

苦笑いしているような声。

「大丈夫です。飼い犬にじゃれつかれたと思っときます。」

「あっ!飼い主になってくれる気になった?」

「しまった。」

ワンコ先輩はクスクス笑った。

「ニッシーが飼い主だったら幸せだろうな!」

「ワンコ先輩がもっとフワモコで小さかったら飼い主に立候補するんですけどね!大型犬は飼えません。」

「あくまで犬あつかい。」

私は目を開けて笑った。

「だって、ワンコ先輩でしょ!」

「まあ、良いや!ニッシーが笑ってくれるならお手でもおかわりでも、三回回ってワンでも何でもするから笑って。」

私はそのまま起き上がるとワンコ先輩の頭を乱暴に撫で回した。

「ニッシー!?」

「アニマルセラピーです。何でもするって言いましたよね。我慢してください。」

私はワンコ先輩の頭を思いっきり撫で回し、抱き締めた。

「ニッシー!あっあの!」

「黙って。」

ワンコ先輩は抵抗せずに私にされるがままだった。

「アニマルセラピーってこんな気持ちなんですね。」

私がそう呟くと、ワンコ先輩は私の首筋に顔を埋めた。

「くすぐったいです。」

ワンコ先輩は止めるつもりがないようで、さらに鼻を擦り付けてきた。

「くすぐったい。」

私は思わず体をよじった。

「そこのド変態!楓からはなれろ。」

そこに柊君の声が響いた。

ワンコ先輩は飛び上がるんじゃないかってぐらい肩を弾ませて驚いた。

「アニマルセラピーに付き合ってもらってるんだけど?」

柊君は私の言葉に眉間に皺を寄せた。

「アニマルセラピーってのは安全な生き物でやるんだよ!そんなワンコろ餅の皮を被った狼でやったら駄目に決まってんだろ!食われちまうぞ!」

「ワンコろ餅ってそれってワンワンに餅巻いたやつ?それともスライムみたいな犬?」

「どーでも良いだろ!兎に角別の生き物にしとけ!」

「………じゃあ、八尾君。」

「俺が駄目なら慶ちゃんも駄目だ!」

珍しくワンコ先輩が強い口調で言った。

「八尾さんはシツジの皮を被った悪魔かな?」

そこに京矢君があらわれて言った。

「ほら、良いのが来たぞ!京矢、楓に抱っこされろ。」

「はぁ?無理無理無理無理無理無理。」

「京矢、楓のためだ。」

柊君は京矢君を羽交い締めにして私のもとに連れてきた。

「駄目っす!緊張してスペルやら公式やら飛ぶっす!俺受験生ぇ~!」

あまりにも京矢君が嫌がるから少し悲しくなる。

「そんなに拒否られると、悲しい。」

私がシュンっとすると京矢君はかなり困った顔をしてから私を抱き締めてくれた。

「うぅ~受験勉強手伝って下さいよ~!」

「俺が勉強見てやるから少し楓に付き合ってやれ。」

私は京矢君の背中に手を回してしがみついた。

「………思った以上に癒される~!」

京矢君は私の背中をポンポンしてくれて物凄く居心地が良かった。

何だか安心できてウトウトしてきてしまった。

「………寝ても良いですよ。」

優しい言葉に私はゆっくり微笑んだ。

「ありがとう。京ちゃん。」

私は京矢君にお礼を言って眠りについたのだった。

私の知り合いは犬を見るとワンコろ餅って言います。

餡ころ餅をもじってるらしいです。

猫は猫吉です。


折角イチャイチャしてたのに邪魔が早かった!

ワンコ先輩をもう少し甘やかしたい。


京ちゃん呼びしてますが無意識です。


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