珈琲
毎回短くてごめんなさい。
気がついたらリビングで眠ってしまっていた。
回りを見ると皆も思い思いに雑魚寝している状態だった。
テレビがついていて京矢君だけが起きて乙女ゲームをしていた。
「京矢君は寝ないの?」
私の言葉に京矢君は肩を跳ねさせて驚いた。
「ごめんね。驚かせちゃった。」
「いえ、大丈夫です。なんだか集中しちゃってて……」
京矢君は柔らかく笑った。
「俺……ゲームのクリエイターになりたいんです。だから………ははは。」
京矢君は乾いた笑いを浮かべた。
「乙女ゲーム作ったら私に教えてね!絶対買うから!」
私がはしゃいで言うと京矢君は本当に安心したような笑顔を作ってくれた。
私は思わず京矢君の頭を撫でた。
暫くすると、柊君が目を覚まして珈琲を入れてくれた。
勿論京矢君の分もだ。
「なんでだろ、珈琲苦手なのに飲めます。」
不思議そうに首を傾げる京矢君が微笑ましかった。
朝ごはんは、サンドイッチを作った。
卵とツナの二種類。
簡単だからだ。
皆は今日も喜んでくれた。
「数井、珈琲飲むか?」
「珈琲苦手です!」
柊君が数井さんに珈琲を進めていて驚いた。
しかも、数井さんが断った事にも。
「ひぃ様の珈琲は美味しいよ!」
思わず進めてしまった。
数井さんは一口だけ口をつけた。
「苦い。」
柊君は苦笑いを浮かべて数井さんの珈琲にミルクを入れて、砂糖を足した。
「これで飲めるだろ。」
数井さんは驚いた顔をして笑った。
「ありがとうございます!」
なんだかヒロインちゃんと柊君が仲良くなってて、お腹のしたの方がモヤモヤした。
今日の予定は午前中は夏休みの宿題をやる事。
午後は海に行くのだと数井さんに力説された。
「私、夏休みの宿題終わったよ。」
数井さんは驚いた顔をした。
「もう?」
「うん、最初の一週間で終わったよ。ひぃ様は?」
「俺も終わってる。一緒にやったしな。」
数井さんは少しふくれて言った。
「楓ちゃんと解んないとこ教えあったりしたかった!」
「解らないとこは、ひぃ様に聞くと良いよ!教えるの上手いんだよ!」
私の言葉に数井さんは柊君の方を見た。
「よし、ビシバシ見てやる!」
「教えるの上手いのは楓ちゃんにだからだよ……」
数井さんは遠くを見つめた。
皆が宿題をやっている間私は乙女ゲームをやりつづけ、柊君はソファーで寝る事にしたらしい。
ソファーに横になりながら柊君は皆が宿題をやっているのを見ていた。
「七宮、そこ間違ってるぞ。」
「えっ?」
「八尾はここスペル違う。数井はなんでそうなった?他があってんのに何故そこ間違う?」
柊君はソファーから起き上がって逐一説明してあげている。
面倒みが良い。
私は乙女ゲームのかたわら京矢君の宿題を見てあげた。
「すみません。」
「京矢君は頭良いよね。ケアレスミスしか無いじゃん!」
「…ミスの多い人生なんです。」
京矢君はせつなげに言った。
「ミス………はぁ~。」
「大丈夫?」
「あっ!すみません。」
私は京矢君の頭を撫でた。
「西田さんは頭を撫でるの好きなんですか?」
私は首をかしげた。
「京矢君にしかしないかも?京矢君の頭を撫でるのがマイブームかも。」
京矢君は嬉しそうに笑ってくれた。
ifを始めました。
リクエストからヒロインちゃんから始まりました。
次はひぃ様になるかと思います。




