"初めての女友達"数井マリナ目線
短めです。
私の夢はイケメン彼氏とイチャイチャラブラブすることだ!
乙女ゲームに出てくるヒロインはイケメンを彼氏にして幸せになっていく、それが私の憧れ!
弟が書いていた妖しいノートを手にした時私は期待に胸を踊らせた。
逆ハーendなんて素敵すぎる!
イケメンの男の人達にちやほやされるなんて神!
ってずっと思ってきた。
でも、最近初めて仲良く出来てる女友達ができた。
西田楓ちゃん
彼女が男の人とイチャイチャラブラブしてるのを見て凄く羨ましかった。
まあ、彼氏じゃなくてお父さんだったけど。
だけど、彼女に憧れてわかった。
複数の男性とあんな状態ビッチだ。
ありえない。
何で逆ハーなんて馬鹿みたいな事を考えていたのかわからないけど、一人の男性を愛します。
まだ、誰にするかは決まってないけど!
取り合えず、嫌がる弟を無理矢理海に連れてきたんだから目ぼしい相手を絞らなくっちゃ!
「京君、みんなの好感度を教えて!」
私は弟に小さく耳打ちする。
「………あーと、二階堂が一番上がってる、次に八尾、三神先生と七宮が半分ぐらいで………一条柊はマイナス………スッゲーマイナス……」
弟の小声の言葉に私は驚いた。
だって、私一条柊とほとんど接触してない。
「私………何した?」
「あー、西田さんに接触し過ぎたからかな?」
「はあ?」
弟は言いにくそうに言った。
「一条柊は西田さんが好きだから、姉さんがムカつくんじゃん。胸揉んだり、着替えに立ちあったりさ…」
「京君は一条会長が私に嫉妬してるって言うの?」
私がゆっくり言うと弟はコクりと頷いた。
こそこそ私達姉弟が密談しているのを一条柊に見られた。
私はそのまま一条柊のもとへ、向かった。
弟も慌てて付いてくるのがわかった。
「一条会長!」
私は回りを見渡して誰もいないことを確認してから言った。
「一条会長は楓ちゃんが好きだから私が嫌いなんですか?」
「そうだ!」
躊躇わずに………動揺すらしないで即答!
「うわぁ~、一条さんごめんなさい。うちの姉馬鹿で変なこと言い出して。」
弟が慌ててホローしているのを見つめていると、一条柊は小さく笑った。
「別に京矢は関係ないだろ。」
私はなんだか馬鹿らしくなった。
「何で、告白しないんですか?」
私の口から漏れた言葉に私が一番驚いた。
「ごめんなさい。今のは忘れてください。」
慌てて否定したけど一条柊は深くため息をついてから言った。
「してるよ。だけどあいつは俺が本気で言ってるなんて思ってくれない。」
「えっ?」
「本気になってもらえるまで言い続ける予定だ。邪魔はしないでくれ。」
私の初めて仲良くなれた女友達の事を本気で思ってる男。
「一条会長、私は楓ちゃんがうちの弟とくっつけば良いと思ってました。」
一条柊の眉間に皺がよった。
「馬鹿ふざけんなよ!」
弟もかなり怒ったように怒鳴った。
「煩いな~!最後まで聞いてよ!」
私が弟にふくれて言うと弟は、じと目で言った。
「基本的に姉さんはろくなことを言わない。」
「失礼でしょう!とにかく黙ってて。」
私は一条柊の前に立ち直すと言った。
「うちの弟は貴方に憧れているから楓ちゃんの事を貴方が好きなら、楓ちゃんを恋愛対象になんて見ないわ!むしろ手伝うぐらいだと思う。」
私は弟の方を見ながら言った。
「だから、もう余計なことしないって決めた。楓ちゃんは私が初めて仲良く出来た女友達だから幸せになってほしいって思ってるから余計なことしない。」
一条柊は驚いた顔をしてから笑った。
「お前、面白いな。」
「何となくですが、一条会長とは友達になれる気がしたので、お近づきの印に楓ちゃんのエロ水着の写メをプレゼントします。」
一条柊は暫く黙ってから携帯を出した。
なんだか勝った気がした。
後で弟に聞いたら、一条柊のパラメーターが好感度のパラメーターじゃなく友情のパラメーターに変わっていたと聞いて笑えた。
「楓ちゃんはモテるでしょ?告白されたりしないの?」
楓ちゃんが夕飯の仕度をしているのを手伝いながら私が聞くと、楓ちゃんは驚いた顔をした。
「モテないよ。告白されたりしないよ!私を好きになってくれる人なんて居ないよ。………ひぃ様は私を好きだって言ってくれたけど。」
今度は私が驚く番だった。
「で!なんて答えたの?」
「私も大好きだから、彼女が出来てもたまに遊んでねって。」
私は一条柊に同情した。
なんて残酷な事を言うんだこの子は。
「楓ちゃんは何で誰も好きにならないなんて思うの?」
私の疑問に楓ちゃんは悲しそうに微笑んだ。
「親にすら愛されてないのに血の繋がりもない人が好きになるなんて思えないよね……」
私は驚いた。
あんなにイチャイチャラブラブしていた父親が楓ちゃんの事を愛していない訳がない。
「だって、お父さんとラブラブだったよね?」
「両親が離婚の話をしてる時に聞いちゃったの………お父さんがお母さんにお前が楓を連れていくんだろって言ってたの。当然私はお母さんに付いていくみたいにね。」
楓ちゃんは何を考えているのか解らないような無表情で続けた。
「お母さんはヒステリックに面倒事を私に押し付けるなって叫んでた。私は要らない子なんだな~ってやっぱり思うよね。そんな私に誰が好きだなんて言ってくれるの?二次元なら信じられるけど、三次元なんて………信じられない。」
私は楓ちゃんを抱きしめた。
「楓ちゃんを一番に考えて一番愛してくれる人がちゃんと三次元にも居るから、私と一緒に彼氏作ろ!イチャイチャラブラブしてくれる彼氏作ろう!約束!」
私は楓ちゃんの話に泣いてしまった。
「数井さん」
「私だって、楓ちゃん大好きだからね!そんな辛い思いをしたんだから誰よりも幸せにならなきゃ駄目だからね!」
楓ちゃんは柔らかな笑顔を作って私を抱き締めてくれた。
その時私の視線の先に一条柊の姿がうつった。
「お前らは、何をやってんだ?」
私は取り合えず楓ちゃんを抱き締めながら言った。
「友情を確かめあってます!」
「なんだそれ!」
一条柊はあからさまに不機嫌そうな顔をした。
嫉妬しているらしい。
私は勝った気がした。
「悔しかったら、楓ちゃんに寂しい想いなんてさせないでください!」
私は楓ちゃんを抱き締め続けた。
その時、楓ちゃんとなら友情endもありだと本気で思ったのは一条柊には怖いからナイショだ。
ヒロインちゃんがなんだか憎めなくて………
もしもし楓ちゃんが彼女になったら!~inハロウィン
ってものを書こうか悩んでいます。
イチャラブなかんじにハロウィンエピソードを攻略対象者達に体験させようか?みたいな……
コメントいただけたら前向きに考えたいです。
出来れば、誰のエピソードが良いかを言っていただけたらやる気を出します。