チカンされました
『チカンされた!中学生に助けてもらった!』
後でバレると言わなかったのを怒られそうだから、先に柊君にメールを教室で送った。
「おはよう、八尾君、西田さん」
メールをうち終わると同じにヒロインちゃん登場です。
私はそのまま、ヒロインちゃんに抱き付いた。
「!?」
ヒロインちゃんがかなり驚いている。
「数井さんおはよう、そしてありがとう!」
「西田さん、ど、どうしたの?」
八尾君が動揺している。
「今朝、私チカンされたの!で、数井さんの弟さんに助けてもらったの!ありがと!」
「京君が?それより、チカン怖かったでしょ!私もよくチカンされるから怖いのわかるよ!」
私はもう一度ヒロインちゃんに抱き付いた。
すると、私の携帯がバイブしているのがわかった。
ヒロインちゃんからはなれて、机の上の携帯をとっる。
『大丈夫なのか?』
突然の電話は柊君だった。
「大丈夫だよ。」
『ならいいけど、電車怖くなったなら向かえに行くぞ。』
「ありがと、でも男が皆、おっさんみたいだと思わないでほしいって助けてくれた男の子が言ってくれたから電車じたいは怖くないよ!」
『………そうか、助けてもらえて良かったな!』
「うん、ひぃ様のお守りのおかげ!」
『!?いや、俺のお守りは、関係無いだろ!』
「あるよ!あれがあるだけで、心強いよ!」
私の言葉に柊君は黙った。
照れているのかも知れない。
『放課後、向かえに行くから帰るなよ!』
柊君はそれだけ言うと電話を切った。
「マジか?」
隠れキャラを学校に呼び出してしまった。
思わずヒロインちゃんを見た。
ヒロインちゃんは何ぜ自分の方を見たのかわからず首を傾げる。
可愛いなーもう、ヒロインちゃんだけある。
柊君が落とされてしまったら……嫌だ。
今、妹のように特別扱いしてくれている柊君がヒロインちゃんを特別扱いしているのを想像して悲しくなった。
「西田さん…今、気がついたけど西田さんはチカンに気を付けた方が良いわ!」
「ヘ?」
突然ヒロインちゃんにそう言われ首を傾げる。
「西田さん、胸でかいから標的になりやすいと思うの!うちの京君で良かったら、勝手に使って良いからね!」
ヒロインちゃんが真剣に言うものだから、思わず頷いていた。
いやいやいやいや。
胸でかいとかいらなくない?
天然………なのか?…………ヒロインちゃんに抱き付いたのが悪いのか?
無駄な情報に関係無い八尾君が動揺して真っ赤だ。
可哀想に女子に対して免疫のない人には、恥ずかしいネタだろう。
「私あんまり胸ないから、西田さんが羨ましい!」
そう言うと、ヒロインちゃんは何を血迷ったのか、私の胸を揉んだ。
「うぎゃ!」
私はその手を突かんで下ろさせた。
「やめようか?女どうしでも、こんな人がいっぱい居る所で胸揉むとか。」
ヒロインちゃんに言い聞かせるように言ったが、彼女は気にしてはいない。
「西田さん、ちょっとチカンの気持ちがわかっちゃったかも…」
「うん、駄目だね!それは、ダメなやつだね!」
「女の子どうしなのに?」
ヒロインちゃんは首を傾げる。
どんなに可愛くても駄目だね!
「うん、駄目だね!私も数井さんに抱き付いたからね、これでチャラだね!アハハ、私女子会のノリ苦手だからさ!」
ようやく、諦めてくれたヒロインちゃんに安堵すると共に、隣の席で耳まで真っ赤になってる八尾君に申し訳無く思う
「八尾君、どうしたの?顔真っ赤にだよ!保健室行く?」
ヒロインちゃんが真剣に八尾君にそう言った。
天然………恐ろしい!
八尾君は、かなり動揺している。
「だだだだだ大丈夫、し、心配しないで。」
絵に描いたような動揺をみせる八尾君。
私は助けてやれない。
天然怖い。
あれ?でも、攻略ノート持ち歩いてるんだから、天然では無いかも知れないのか?
作戦?八尾君を動揺させるための?
この人にかかわっては、駄目だ、天然のふりして何してくるかわからん!
ヒロインちゃん、怖い。
短めです!ごめんなさい