迷い
なんだか…、
ワケがわからーん!!!
昨日……
何が起きたのだろう
ワタシは、まだ救護室に2つあるベットの窓に近い方のベットの上に横になっている。
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「……な、つきぃぃ」
「望月チャン……」
「なつ、……っ」
「………」
「な、つきぃ……」
「大丈夫、大丈夫だから」
『大丈夫、捺樹はいる』
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聞き間違える訳ない。
「何だった……の?」
捺樹は、いる……?
分からない、分からない。捺樹は、アイツに殺られたんだ……だからアイツを消す為に、この5年と3か月と9……っ
「1日経ったんだ……」
何であの時、2人になった絶好のチャンスに殺らなかったんだっ
5年と3か月と10日……
待ちに待った光景がそこには広がっていたのにっ
何で、何で、何でっ
((ダンっ!!
くそ……っ
「何で、迷ってんの……」
1日経っても、2日経っても教室の中じゃ何も変わらない。
変わったのは……
「「ねぇっ!!」」
周りの態度だった。
「真崎サン、捺樹クンと仲イイんだね?」
はっ……?
1日の間に何が………、
前は……
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「ねぇ、真崎サ「止めなよっ」」
「何で?」
「5年前にお兄さん亡くしてから1人になっちゃったらしいよ?」
「えっ……!?」
「親に殺されたらしいよ」「………」
「それから笑わなくなっちゃったらしいし……」
『だから、真崎サンには関わらない方がイイよ』
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違う、でも否定なんてしない。
他人(この人)に真実を教えたって何の解決にもならない。
ワタシは、ワタシの手で……っ
「真崎サン、捺樹クンて付き合ってるの?」
「捺樹クンのメアド知ってる?」
「捺樹クンと毎日一緒に帰ってる、て本当?」
その名前を簡単に呼ばないでよっ
お兄ちゃんの名前を……
でも……
「………?」
な、訳がない。
アイツと一緒にいるくらいなら舌を噛んで死んだほうがマシだ。
いったい誰がそんな……
「誰がそんな事て顔してんね」
……宮藤っ!!
こんな噂を流している奴がいるのに教室の扉に寄りかかって……
まるで、犯人を知ってるよーな顔をしてっ!!
……苛つく。
「行こっか、望月?」
いきなり呼び捨てにされて気持ち悪かったのか、ワタシの身体中に寒気がした。「もう放課後でしょ?」
だから……何?
「帰ろっ」
手を引かれる。
教室の中から聞こえる。
本当だったんだ、
ちょっとショック~、
捺樹くーーーん、
でもさ?
『2人お似合いじゃない?』
「………」
「………」
「連れだした事、怒ってる?」
「当たり前でしょ!!」
「………」
「何、文句ある?」
「誰があんな事言ったのか教えてあげよっか?」
「知ってるの?」
「俺だよ」
「はっ……?」
「俺が言ったの。いつも一緒に帰ってる~とか、
ずっと昔からの幼馴染み~とか、
付き合ってた~とか♪」
「何でそんな事……っ!!」
「………」
「何か、言いなさいよっ」「口実。」
理解不能。
これ以上、耳を傾けるな……
「望月チャンと一緒に居られるかなぁー、て」
消えてしまう
「……俺が一緒にいたいからかなぁー。」
捺樹が、消えてしまう
「望月チャンが俺の側から離れられないようにする口実。」
殺さなきゃ…、
コイツの全てを壊すように……
本当に?
ワタシの情は、真崎捺樹には無いんじゃないか。
宮藤深舩に移ってしまっているんじゃないか。
消えてしまう……
ワタシから捺樹が、ワタシからあの5年と3か月と10日が、
消えてしまう
怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い
消えないで。