記憶
2話目っ
のろのろとやってるので、終わりが見えないのですが……、
出来る限り頑張ります!!
遠くに見た。
遠い彼方から聞こえる。
忘れていた……その声が
『……月』
『誰……?』
『僕だよ、望月……』
『捺樹チャン……?』
『もう、お別れだね。』
『……!?待ってよっ』
『ダメだよ、もう』
『待って、待ってよ……
1人にしないでよ……っ』
こんな暗い場所に置いていかないで……
『ダメだよ……望月。』
『どうして…?』
『泣かないで……?
大丈夫だよ、だって……』
霧の中に消えていく。
兄の姿が、なくなってしまう。
いなくなってしまう。
1人きりに……なってしまう。
行かないで……
待って、待って、待って、待って、待って、待って、待って、待って、待って、待って、待って、待って、待って、待って、待って、待って、待って、待って、待って、待って……っ
「待ってよっ!!」
……ハァハァハァ
こんな夢なんて、初めてみた。
捺樹が消えていく夢
反射でベットの上に起き上がってしまった。
恐ろしい……夢。
脳裏に焼き付いて離れようとしない。
捺樹が2度と帰ってこないと分かっている……
いや、分かっていたのに。
あいつは、
捺樹であって捺樹じゃない。
考えれば考えるほど気分が重くなっていく……
こんな事じゃダメなんだ。
気持ちを切り替えよう。
……そ、いえば今何時だ?
時計を確認しないと……
……7:21。
少し寝坊してしまった。
でも、間に合うか間に合わないかで言ったら余裕綽々なので無論問題はない。
あんな夢を見てしまったからか、全身が汗だらけで気持ちが悪い。
ベタついた髪が頬につくのに耐えられない。
とりあえず、シャワーを浴びよう。
いつもこの時間の電車は、満員だ。
やっぱり寝坊した事を後悔した。
家から学校までは、40分くらいかかる。
1人でいる事に慣れてしまったワタシには、どーという事はない時間……
教室に入る。
いつもの風景、いつも教室
でも、隣には奴がいる。
「おはよっ」
騙されるな、信じるなっ
自分に言い聞かせる。
相手を睨み席につく。
宮藤深舩……
許せない……赦せない。
本当だったら、今すぐここで殺してやりたい。
でも、まだ殺せない。
ワタシは、何も知らないのだから……捺樹の真実が、何1つ掴むことが出来てない。
なら、簡単なことだ……
目の前に捺樹の事件をよく知る人物がいる。
なら、利用するだけだ。
捺樹のためなら何だって出来るっ!!
捺樹との時間を思い出す……
今朝見た、恐ろしい夢を……
恐ろしい捺樹の言葉を……
考えるな……
考えてはいけない……
人間は、本当に不思議だ。意識してしまうとそこから簡単には、抜け出せなくなってしまうのだから……
あれは、夢だ……
でも、本当だったのかもしれない。
ワタシは、捺樹の事を……
思い出してしまう。
霧に包まれ消えていきそうな捺樹に向かって
『行かないでっ』と何度も何度も叫ぶ。
捺樹は、それに応えようとはしなかった。
叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ……
……!!!!
振り向いてくれたっ
捺樹は、ワタシの元に歩み寄ってきてくれた!!
また、今までみたいに幸せに暮らせるんだっ
朝は、いつも遅刻ギリギリで……
2人で笑いながら校門を駆けて……
一緒にご飯を食べて……
一緒に寝て……
そんな普通な生活が送れるんだと信じてやまないワタシが夢の中にいる。
捺樹は、言った。
背筋が凍るかと思った。
『泣かないで……?大丈夫だよ、だって……』
『望月は、僕の事を忘れていたんだから』
目を覚ました自分の胸の内には、そうかもしれないと少しの理解があった。
そうかもしれない。
捺樹がいない事が当たり前になって……、
捺樹がいない生活に馴れていく自分がいて……、
ワタシは……っ
思い出すと息が上手く出来なくなる……
ワタシは、教室を飛び出しトイレに駆けた。
痛みも
寂しさも
辛さも
憎しみも
怒りも
涙さえも
全てをトイレの中へと
吐き出した。
皆さん、
これはあくまで恋愛小説であってブラコン小説では無いのですよ?汗汗
これから……これから、