番外編
グス……グス、グス……
「何、泣いてんの?」
「……誰?」
「俺?……鈴堂 弥、ての。」
「アタシ……グス……長谷川つぐみ……グス」
「ふーん。で、失恋?」
「っ!!!!悪い~~~~?」「いやー?俺も……だし。」
「………」
「俺達、似てんね。」
「……どこがっ」
「俺、友達に好きな人とられちゃってさー」
「………」
「………??」
「……アタシも」
「…アハハハハー、やっぱ似てるわー」
「よく笑えるね……」
「だって、笑ってなきゃやってられねー、て。」
「何、それ……クスクス。」
「あー!!長谷川だって笑ってんじゃんかー。」
「うるさーい!!それと、つぐみでいいから。」
「……じゃ、俺のことも弥で。」
「……うん。」
「………」
「………」
♪:キーンコーンカーンコーン~
「やばっ、行くぞっ?」
「腰、抜かしてる……立たせてよ……」
「はぁー?ババアかよっ」
「聞こえてるからね?」
「地獄耳……っ」
「だから、聞こえてるっ」
「はいはい……ってか、いい加減泣き止めよなー」
「っるさいなー、泣き止んでるよっグス……グス……」
「泣いてんじゃねーか…」
「っるさーい、グス……グス……」
繋がれた手から伝わるのは、どんな気持ち?
彼らがもう既に
1歩を踏み出しているのは……
また、別のお伽噺。
-THE END-