真実へ
あれから2週間
ワタシは、外に出なくなった……もちろん学校にも
体がダルい。
長谷川サンのことも、
鈴堂クンのことも、
宮藤のことも。
考えると頭の隅の方が痛くて……痛くて……、破裂してしまいそうだ。
学校に行ったところで、友達もいない。
長谷川サンに酷い事をしてしまって……
鈴堂クンにも……
隣の席には、宮藤がいて……笑ってる。
あぁ
ワタシの人生、て本当……
「薄っぺらい。」
♪:ピンポーン~
「誰……?」
今まで、2週間誰も訪ねて来ることなんてなかった。というか、この5年間に人が訪ねて来たのなんて5人がいいとこだ。
近所に住んでいる人は、悪魔だの死神だの……化物扱いだし。
「宮、藤……」
きっと外は、寒かったのだろう……
宮藤の首に巻かれているマフラーから時折見える鼻が赤くなっている。
「ごめんね、いきなり」
あの時と同じ笑顔だ。
「いや……」
「望月チャンに嫌われてるのも知ってる」
確かに笑っているのに……
「俺を避けてる、て事も」辛そうで……
「だから、学校に来ないのも……」
悲しそうで……
「全部、俺のせいだ。」
自分のことだけを責めて
「俺が捺樹に近づいたのも、望月チャンの側に戻ってきたのも……」
同情してしまいそうな……
そんな顔で。
「だから、望月チャンからもう離れようと思って」
まるで……
「最後に挨拶ってか……言わなきゃいけないことあって……でも」
今にも……
「その前に……」
泣いてしまいそうな……
「望月チャンが俺のこと、好きじゃなくても俺は……」
そんな顔で……
「ずっと、望月チャンが好きだから。」
微笑んだ。
「何、それ……」
なんだか、宮藤の無理しているような笑顔が
別れを告げているようで……
「本題、入ろっか。」
宮藤の顔から笑顔が消えた。
真っ直ぐ見つめる宮藤の瞳にトクンと胸が鳴った。
「捺樹は、生きてる……」
「は?」
「殺した。
けど、生きてる。」
前にも聞いた、それって……
「どーゆー意味?」
「病院にいる。」
「病院?」
「今、動けないんだ……」全くと言っていいほど、話が見えない。
「1から説明してっ、
そんなの……そんなんじゃ分かんないよ」
「ここで話すより、本人に会った方がいい。」
殺したと言ったり、生きてるといったり振り回されっぱなしだ。
「行こう。」
上着を着てないワタシは、その寒さに身震いしてしまった。
手を引かれる。
トクン……トクン、トクン、トクン……トクン……
段々大きくなってくこの音に本当は、気づいていたけど……悔しいからずっと
下を向いたままで。