2年2組
珠子の2組は、正面玄関から入って階段を上がった2階に1組から5組まで並んでる。
なぜか6.7組は別棟の3階になる。ほとんど3年生の校舎の中に6.7組だけ入ってる感じだ。職員室や図書室もそちらの新館なので用事がある時だけ渡り廊下を渡って新館に行く感じだ。
2組は…ハズレかもしれない。
昨日決まったクラス委員の庄司さんは、淡々と仕事をこなす人だが何か冷たい。
多分推薦貰う為に立候補したのだろう。
すでに空き席があって、不登校なんだろなあ〜と想像できる。その横は、すでに引き出しにパンパンに参考書詰め込んで暇があれば勉強してるガリ勉の京極くんだ。
実は中学同じ子だ。すごい秀才だったのに、まさかの受験で落ちたのだ。ここには2次試験で入ったみたいだ。
格下の珠子が居るのが恥ずかしいのか?
ほとんど話してくれない。
後はお調子者や陰キャ組にスポーツ部のちょっと不良みたいな子達だ。教室でワザとエロ本開いて置いてたりしょうもない事をする。
一応県内2番手くらいの進学校で歴史だけは長いので文武両道自主性を重んじる校風なので、しばらく生徒達だけでこれからのクラス運営などが話されたが、
皆塾のスケジュール重視でやる気がない。
先生は窓際でもたれながら様子を見てたが、クラス委員の庄司さんから「先生から何かご意見ありますか?」と聞かれると、急に英語で話し始めた。
全然意味は分からないが黒板に「Now or never 」と書いた。
「今年は来年の受験への通過点と言う考えもあるだろうけど、大学生になったらもう18だ。
はっきり言って、もう大人なんだよね。
大人の遊びもできるけど、それなりの責任も出てくる。
世の中の人も、もう子供じゃないんだから!と厳しい目で見られる。それが何十年と続くしね。
大人から見て、勿体ないんだよね君等。
ギリギリ子供の時間なのに。
来年は受験で1年潰れるんだから、子供の時間を楽しむのは今年しかなくない?」先生はいかにもアメリカ帰りの帰国子女って感じだ。
同じアメリカ帰りでも平は影ある感じで後ろに引いた感じで基本哀しげな顔ばかりしてる。
全然違うなあ〜と珠子は思う。
「今年が最後の子供の時間だよ?
後は死ぬまで大人だ。
ちょっと遊んでも良くない?」先生の誘惑に皆ザワザワする。
「あの〜お言葉ですが。」京極くんがスッと手を挙げる。
「受験で失敗したら大人にも成れず子供に戻れない。
それが怖くて失敗したくなくて、今頑張ってるんですよ。邪魔しないで下さい!」と言った。
確かに京極くんの立場なら、そうだ!
「う〜ん、ちゃんと目標があって努力してる人には全然口挟む気無いよ。
でも息抜きしたくなったら参加してよ。
人間ずっとは頑張れない。頑張る人いるけど、あれは絶対身体か心を壊すよ。
だから、ねっ。
君みたいな人こそ遊んで貰いたいな。高校2年生だけはね。
大人の世界でだいたいトラブる人は、この時期ちゃんと遊んでない人なんだよね。
将来のためにも遊んで欲しいな。」と先生は親指を立てた。
「やっぱり大人だなあ〜」と珠子は感心する。
「じゃあさ〜先生!何して遊ぶの?」お調子者の高木淳君が聞く。
彼は他クラスでも知ってる。
廊下で良くふざけてて楽しくて面白いから女の子に人気だった。同じクラスになるのは初めてだ。
「そうだなあ〜皆、塾もあるしスケジュールもバラバラだから〜
バーチャルのたまり場で遊ばないか?
学校には内緒で」先生らしからぬ事を言い出した。




