やきもち
「遅かったね〜何組になったの?」夜、母の店がオープンする時間になるとやっと平も帰ってきた。
「エッ、7組だよ。珠子の2組とは棟も違うよ。」また母がお酒を出すのでさすがに止めた。
「もう学校も始まったし、ダメだよ。アメリカでは良いのかもしれないけど。
それより帰るのなんでこんなに遅かったの?」珠子が問い詰める。
母から遺伝したのか、珠子もチャキチャキと仕切る女に育っていた。
「エーッと、女の子達に囲まれて色々聞かれて答えてたら…」平がバツが悪そうに答える。
「あら〜やっぱり?ムリよね〜こんなイケメン誰も放っとかないわよ!珠子、一緒に帰るのは諦めなさい。
朝は一緒に行けるんだから。」母がニヤニヤ笑う。
「なんか…やっぱり珠子も大人になったんだね。
こんな風に詰問されると思ってなかったよ。」平までニヤニヤしてる。
「もう!2人して!
私なんかおかしい話してる?部活してる訳でもないのにこんな遅くまでおかしいでしょ?普通」珠子が真っ赤になって反論する。
「あっ、明日も遅くなるよ。クラスの女の子達とカラオケ行く約束したから。」平が意地悪そうに言う。
「まあ、隅に置けないわね〜」母が囃し立てる。
「良いんじゃない?私、関係ないし!」珠子はプンプンしながらお客さんにチェーサー要らないか聞いたりラストオーダーの時間を伝えに行ってしまった。
「ゴメンね〜やっぱりダメみたいね。」母が平にコソッと謝る。
「いいえ、母や父が悪いんですよ。それより彼女の精神的負担になってないと良いんですが。」平がまた悲しそうな顔をする。
「それは大丈夫!言っちゃなんだけど、珠子は皆に愛されてるからね〜それより平君が悲しいでしょ?
大丈夫?」母が平を心配する。
「それは覚悟して来ましたから!」平が気丈にほほ笑んだ。
「いってきま〜す!」翌朝2人は揃って登校する。
すでに平に挨拶する子もチラホラいる。
「さすがだね!やっぱりイケメンは違うわ!」珠子が感心する。
「早く珠子もクラスに馴染まないとね?」と意地悪そうに口のヘリを上げる。
「ウッサいわ!」平の頭をカバンで叩いた。
「ねえ、あれは無いよね〜何様って感じ」とそんな珠子と平を見てヒソヒソ話す女子3人組が居た。昨日選出されたクラス委員の庄司圭子と1年で同じクラスだった浜田ミミだ。
「アナタもそう思うでしょ?」と浜田ミミに話を振られて
「へっ?う、うん」と田中ひとみも相槌を渋々打つ。
違うクラスだったが、クラス委員と仲良くしとくと後々良いかなと昨日から連ませて貰ったのだ。
高校のクラス替えの後すぐで友達なんか決まる訳ないのに決まる。
実態はこんなもんだ。




