表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

思案

作者: なぁ

「今日はいつも以上に寝つきが悪い」そう思った私は、夜間に寝床から起き、歪んで見える階段をゆっくり降りてリビングに向かった。

リビングにいる犬達を起こさぬように、ぎこちない歩きで台所に行き、やかんに水をゆっくり入れ、コンロに火をつけ、煮えかえるのを待った。「最近はよく寝れぬ日が続くなぁ」と思った私は原因を探った。ここ最近雨ばかりでうんざりした日々を過ごしている。カエルが「ゲロゲロ」と夏のセミのように鬱陶しく鳴いており、私は聞き飽きた。そういえば、カエルを好む友人がおったのを思い出した。彼は周りから「変わり者」だとバカにされていた。でも私は心優しく 穏やかな彼が好きだった。学校の帰り道では2人でよくカエルを探し「ゲロゲロ」と鳴く声に笑っていた。いつから私はカエルの声を雑音だと思っていたのだろうか。そして彼は今どうしているのだろうか。すると犬がとぼけながら自分の足をペロペロと毛ずくろいをしながら私を確認して、何も無かったかのように寝た。とても愛おしいと思った。この気持ちは彼がカエルに対する気持ちと同じだったのだろうか。子供の頃は怖いもの知らずでカエルなんか何も怖くなった。大人になってみるとカエルが気持ち悪く感じてくる。彼も同じなのだろうか。彼とは小中と同じ学校でかなり仲が良かったと思う。「最後に話したのをはいつだろう」と考えているとやかんが「ピィーー」と大きな音を立てて、半分寝ていた私と犬達は強烈なビンタを食らったように飛び起きた。私は犬達に「ごめん ごめん」と謝った。肝心なことに私はなぜお湯を沸かしたのかを忘れてしまった。別にコーヒーを飲むわけでもないのに。家にはインスタントコーヒーしかなかったため、白湯を飲むことにした。私は白湯が美味しいと感じるほど大人では無い。

ここで私は思ってしまった。私は一体子供か大人か、どっちなのだろうかと。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ