第八十二話龍の国へ行く(1)
あれから少し経ち、平穏な日常を送っていた時、何気なく街を歩いていると、何やら鐘の音が聞こえ、そちらへ向かうと、何やら抽選をしているようだった。
「誰でも一回無料で回せるよ! 大当たりは、龍の国への旅行券だよ! さぁ、我こそと言う人は居ませんか! 外れても、ダンジョンの入場券だよ!」そう引き込みの人が声高らかに、言っている、私は当初、遠くから見ているだけにしようと思い、少し離れたところで、様子を伺っていた。
案の定、当選確率はとても低いようで、当たっているのはダンジョンの入場券や、この街で使える、クーポン等だった。
ふぅと、ため息を付き離れようとした時、顔を上げると、引き込みの人と目があった。 そう目があってしまったのだ。
目があってしまったということは、そういう事である、無言の圧力で、「やるよね?」と言われているようだ、渋々回すことになったが、どうも日本に居るときからこういうのは慣れない。
「さあさあ、レバーを軽く握って、優しく回して下さい! 大当たり目指してがんばってください!」そう言うが、ガラポンでどう頑張れというのか、まぁ良いどうせなにも当たらないだろう、そう思い回すことにした。
覚悟を決め回すと、明らかに当たりであろう、金色の玉が出た、瞬間さっきまでにこやかだった、引き込みのお兄さんから笑顔が消え、他のスタッフに、小声で 「おい、何で大当たり入ってんの? 確かにあのとき抜いてたよな?」そんな話し声が聞こえる、まぁ、そうでしょうね無料で旅行券なんで当たるわけないよね、だけど当っちゃったね、怖いね、咳払いをし店員へ声を掛ける、
「おい、大当たりが出たぞ龍の国への旅行券勿論もらえるんだよな?」そうドスの聞いた声で尋ねてしまい、店員がビクリと方を震わす、
「もっ、勿論ですとも、さっこちらがその旅行券で御座います」そう言い、旅行券を受け取り本物であるか、鑑定スキルを使い確かめる、すると案の定偽物だった。
「おい、これ偽物じゃないか? 他の者を騙せても私は騙せないぞ? それとこの一枚で、何人まで行ける?」
またまた、ドスの聞いた声で言うと、泣きそうな声で男が、
「申し訳ありません! 明日には、貴方様のご自宅に、送りします故、どうか! この事は水に流してはくれませんか!」泣いて懇願するので、うわーと思いながら、
「良いだろう、明日に必ず私の家に届けろ、お前が来なかったのか時のことを考え、少し魔術を付与しておく良いな? てか、他の者にも偽物をやっているのではないだろうな?」まぁ、ハッタリですけどね〜、脅しにはなるでしょ、私の言葉を聞いた男は、ギクリとして、
「いっ、いえそんな事は、ないと思います」と目を逸らしながら言う、私は呆れながら、
「そんなことだろうとは思った、もう良い、明日私に届けたらこの場所から立ち去れ、それで許してやる」そう告げると、男はそさくさと荷物をまとめ逃げて行った。
「あぁ、ロールプレイ疲れた、早く家に帰ろ」そう言い、家へと帰るのであった、その次の日、あの男が本当にやってきて、何処から人数を聞いたのかは知らないが人数分のチケットを私に渡し帰っていった、そしてみんなに声を掛ける、
「皆ー! 久しぶりの、旅行行こう!」




