第七話ダンジョン探索(1)
いつも通り、依頼を受けにギルドへ、行くと受付に声をかけられた。
「あっ、オウカさんお時間ありますか?」
「大丈夫だが、何か、急ぎの依頼か?」
「急ぎではないのですが、此処から少し離れたところに、地下へと続くダンジョンが現れまして、良ければ、探索で見ては、如何かと思いまして」
「ダンジョンか、エリナ、ダンジョン探索って難しいか?」
「今の人数でも、攻略は、可能ですが、回復役が、居ないときついかと」
「そうか……もう一人ぐらい買うか……」
「家族が増えるのー?」
「どうするかな……まぁ、少し考えるさ」
ギルドを出て、何時もの奴隷商人のところへ行く。
「おや、オウカさん、今度はどんな奴隷をお探しですかな?」
「回復魔法が使える、子は居るか?」
「居ますぞ、獣人と、エルフ、魔族の娘、亜人、人間がおりますが、どれにしましょう?」
「ん? 魔族が居るのか、魔族は、連れていても、怪しまれないものなのか?」
「怪しまれることはないと思いますが、いい顔はされないでしょうな。 連れてきましょうか?」
「あぁ、頼む」店主の男が連れて来た、魔族の子は、とても幼く見えた。
「この子は、何歳ぐらいだ?」
「年齢は、12歳ですよ、回復魔法の他に、攻撃魔法も、扱えますぞ」
「いくらだ?」
「おぉ、買って頂けますか、金貨10枚ですぞ」
「もう少し安くならないか?」
「魔族は、貴重です故、下げられても金貨8枚までですが、如何がなさいます?」
「金貨8枚で買おう」
「有難う御座います!! では、隷従の儀式を」
「では名前は?」
「フィーナ」
「そうかなら、フィーナだ」
「では、それで決定しますぞ」
というわけで、新たな仲間フィーナがパーティーに加わった。
「まずは、フィーナの装備を、整えるか」フィーナの装備を、整えダンジョン探索へと向かった。
「思ったよりも、遠いな」
「しょうが無いですよ、街の中にできなかっただけでも、幸運ですよ」
「街の中に出来ることもあるのか?」
「確率は低いですけどね。 仮に出来たら中から、モンスターが溢れ出てくるので、大変ですので」
「そうなのか、フィーナところで、何処か体に不調は無いか?」
「心配しなくともなにも問題ないぞ」というのも、此処に来る前に、攻撃魔法の試し打ちをしたところ、制御に失敗し盛大に、爆発したのである。と話しているうちに、目的のダンジョンへ、着いた。
中に入ると、早速敵のお出ましだ、数こそ少ないものの、それなりに強そうな、敵だと分かる。
「ガウル、任せた」
「うんっ!! 任せて!!」そう言うとあっという間に、蹴散らしてしまった。
「あれー、それなりに強そうな感じだったんだけどなー」そう言うと
「そりゃー、契約したときに、メイトブーストって言って、私達、パワーアップしてるからねー。 てかご主人知らなかったの?」
「そんなのあったの!? 何も知らなかったんだけど!?」
「この世界だと、そのぐらい常識の範囲ですよ?」
(知らなかったー、常識なのか、分からなかったら、ちょいちょい聞くようにしよう)そんな会話をしながら、奥へ進む。
2階層目に入ると、フィーナが、「ご主人この先に虫型のモンスターが居るぞ」と言った。
私は、その場に固まり、動けなくなった、それを見ていた、3人が、「ご主人大丈夫!? もしかして、ご主人虫苦手?」と聞いてきた。
私は、震えながら、「だ、だって気持ち悪いんだもん」そう言うと、ガウルが、「ご主人は、ここに居て、あたしと、フィーナで倒してくるー」そう言い、ガウルは、モンスターの討伐に向かって行った。
残った、エリナに、慰められながら、二人が帰ってくるのを待った。
数が多かったのか、少し時間が経って帰ってきた、ガウルとフィーナが、悪戯な笑みを浮かべ、近寄ってきた、「何かあったの?」そう言うと、二人は、虫の、足を見せてきた!
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」私は、叫びながら、ダンジョンから、走って出て行ってしまった。
その後、3人に合流したのは、三十分後だった。
虫の足を見せたあと、エリナに相当怒られたのか、二人は、しゅんとしていた。
「お願いだから、次は、絶対にしないでね二人共」
「「はい、ご主人様」」そんな事がありつつ、私達は、下層へと向かった。