第五十六話名もなき小さな村へ
あの後、件のモンスター君を看取った後ギルドへ報告をした時、起こったことをすべて話すと、「君は、モンスター退治をするよりも、慈善活動をするほうが良いのかもしれんな、丁度その手の依頼が来ている、受けてみないか?」そう言われた、「受けるのは構わないが、一応これでもSランク冒険者だぞ? そんな簡単に抜けても良いのか?」
「何、最近はモンスターも大人しくなっているし、大丈夫であろう、もしもの時は呼び戻す、あぁ、人数に関しては気にしなくてもいい、好きなだけ同行させると良い、なんせ慈善活動だからな人数が多いほうが喜ばれるあと、帰りたいときに帰ってきていいぞ」
「(そんな軽いノリで良いのか)分かった、その依頼受けよう」というわけで、慈善活動の依頼を受けることになり一旦エリナ達の待つ家に帰ることにした。
ドアを開けてそうそう、ガウルが飛びついてきて、「お帰りなのだ! 何か良いことでもあったのだ? とても嬉しそうなのだ!」
「新しい依頼が来たよ、ガウル皆を集めてくれるかい?」
「分かったのだ!」そう言い走っていくガウルを見ながらソファーに腰掛けると、今度はマリーが話しかけてくる、「ご主人様とても嬉しそうですね、何かありましたか?」
「新しい依頼が入ってね、それにギルドマスター代理から一旦モンスター退治の仕事から離れてみては?って言われてね、エリナ達を危険な目に合わせなくて良くなったんだって思うとね」
「何処までも優しいのですね、ですが時には自分も労って下さいよ? 倒れられては困りますからね?」
「分かってるよ、何事も程々にね」そんな感じで話していると、ガウルから「皆集めたのだ!」と声をかけられた。
「皆新しい依頼が来たよ、依頼内容は、小さな村へ行き慈善活動をするってものよ、期間は書いてないけど頃合いを見て帰ってい良いぞってギルドマスター代理からら言われているから、気楽にやろー、この依頼一緒に来たい人いる?」
「慈善活動ですか、一体何するんですか?」
「うーん、何だろうねー? 小さな村って言ってたから、農業とかじゃない?」
「別に行くのは構いませんが、人数制限とかってあるんですか?」
「無いらしいよ、何か多ければ多いほうが良いらしいよ」
「じゃあ、何人ぐらいで行きましょうか? 私と、ガウル、フィーナ、トウカ、リゼは確定として」
「それなら全員で行こうか、アランはどうしようか?」と考えていると、タイミング良くアランがドアを開け入ってきた。
「オウカさん! 地方の村へ行くときは僕にも声かけてくださいよ! 一人だけ仲間外れは嫌です!」
「おっ、タイミングバッチリだね、待ってたよー」頭を撫でながら言うと、とても嬉しそうな顔になる。
「てか、アランあなたこの国のことはどうするのよ? そんな簡単に、国から出ていいの?」
「心配はいりません! 大臣に三カ月ぐらい国を出ると言っておきましたから!(・∀・)」
「(分かったよ、じゃあ一緒に行こう)この国の政治本当に大丈夫か?」
「お姉様、本音と建前が逆です」そんなこんなで、結局、全員で行くことになった。
迎えの馬車の人に多すぎでは?と言われたが、気にしないでくれと言い、馬車に乗り込む、そこからは、速いもので、一時間ぐらいで目的の小さな村へ着くとのことだ。
村へ着くと、村長らしき老人が出迎えてくれた。
「ワシがこの村の村長じゃ、遠土遥々来てくださりありがとうございますのぉ」
「いえ、こちらは冒険者ですので、お困りの人達に手を差し伸べるは当然ですよ、それで、私達は何をすればよいですか?」
「近頃、この村に凶暴なモンスターが現れての、それの駆除をお願いしたい、もう何人もの村人が犠牲になっていてのぉ、じゃがとても強いから無理にとは言いませんからできる範囲でいいぞ」
「話は分かりました、そのモンスターはいつ頃来るのでしょうか?」と喋っていると、どこからか地響きが聞こえてきた、すると村は悲鳴に包まれる。
「ノヴェナ・ドーレンが来たぞ! 皆逃げろ!」そう言い走っていく、「皆様も危険じゃ建物に早く避難を!」村長の言葉を聞くまでもなく、私は件のモンスターに突撃していた、「成る程お前がノヴェナ何とかか私個人は恨みはないがその命貰い受ける……!」と、剣でついただけで、心臓を貫き、モンスターは動きを止めた。
「今度産まれる時は、善良なモンスターになるんだな」
血を拭きながら、村長の元へ帰ると、口を大きく開けポカーンとしていた、「あの、ノヴェナ・ドーレンを倒したのか? 皆の者!今夜は盛大に宴じゃ!」そう言い村人の元へ走っていく。
「お姉様、あのモンスターに見覚えは?何処かで見たことあるような気がするんですが」
「超初級のモンスターだよ、冒険者ランクでも最初に、狩るやつ」
「あぁ、思い出しました、そういえば、昔金策って言いながら、狩ってましたね、確か名前は、スコルッニでしたっけ?」
「そうそう、そこら辺に大量に湧いてて良い金策になる奴」エリナと二人だけで、盛り上がっていると、他の子達から、不満そうな声で「二人だけで盛り上がるなんてズルい」と言われた、その後は、村長から一軒家を借りれることになり底に寝泊まりすることになった。
「明日からどうしようか? 村を見た感じ特に何も無さそうだけど」
「いえ、お姉様とても重要な、任務があります」とエリナが言うと他の子達もウンウンと頷いている。
「? 何かあったっけ?」
「それは、村の子供たちと遊ぶ事です!という建前で、親睦を深めるということですよ」
「あぁ、確かに大事だね、じゃあ明日は、親睦を深めるってことでいいね、今夜は宴を楽しもう!」
というわけで、宴になったが、私は英雄と持ち上げられ、盛大に祝われていた。
「あのノヴェナ・ドーレンを倒せるなんてきっと名のある英雄にちがいねぇ!そして明日から、縁も何も無い我々のために無償で働いてくれると約束された!きっと前世では女神にちがいねぇ!」
「いやー私そんな大層なものじゃ……」
「更に謙虚さ、もあると来た!これは、どれだけ徳を積んでやがるんだ!羨ましいぜ!」というふうに持ち上げられ続けた。
正直ここまで褒めちぎられるとは思っていなかったので、ものすごく恥ずかしい、(兜があって良かったー)なんて思っていると、いつの間にか、この村に教会を作りそこで私を崇めるということになっていた。
「えぇ!? 私を女神として崇める!? いやいやいや荷が重すぎますって、しかも銅像まで作るんですか!?」
「何安心してくれ女神様、銅像作りのエキスパートがおりますから問題ありませんよ!」
「そういう意味じゃなくですね! 私の気持ちはどうなるんですか!」
「大丈夫、そのありのままを作りますので、明日からよろしくお願いしますよ女神様」
「そうですよ!お姉様!私もついているのですから、最高のものを作りますよ!」
「何でエリナも乗り気なの!? その団結力は怖いよ!? 他のみんなもなにか言ってよ!」
「お姉様の」
「銅像」
「ありですね」
「ありなのだ」
「流石はお姉様!」
「オウカさんの……ひらめいた!」
「取り敢えず、アランは、通報しとくわね。 女神様のお供良いわね」
「ご主人様が、崇められる、メイドとして鼻が高いです!」
「あぁ、もう駄目だこの子たち!」そんなこんなで、宴が終わり、片付けの手伝いをしているときも、「女神様は何から何まで手伝ってくれるぞ! どれだけ優しいんだ!」と持ち上げられ、凄く視線が痛かった。
(辞めて! 私を、そんな目で見ないで、恥ずかし過ぎて死んじゃう!)
なんて思いつつ、どうにか家へとたどり着き、寝ることが出来た。
「明日から、大変だなー」なんて独り言を呟きながら、寝るのであった。




