第三話初めての依頼と初めての奴隷
「どの依頼を受けよう?」そんな事を言いながら、クエストボードを見ていると、明らかに、上級者の男が、後ろから声をかけてきた。
「あんた、冒険者になりたてだな? それなら、この依頼とかがおすすめだぞ?」、そう言い、1枚クエストを取り、渡してきた、そこには[パンサーベアーの狩猟]と書いてあった。
「親切にどうも」声をかけてきた男に冷たくいい放ち、受付へ向かう。
「この依頼を受けたいのだが?」そう言うと、受付の人は、慌てながら、
「この依頼は、初心者には、危険過ぎますが、ほんとにやるんですか?」そう返してきた、このときの私は、少し苛ついていたのだろうが、
「あぁ、やろう」短く返事をし、どの辺りに出現するかを聞き、狩猟の準備に取り掛かった、と言っても回復薬などは、持っている為ほぼ準備するものはないのだが。
冒険者ギルドを出るときに、
「あいつ正気かよ、死んだな」と聞こえてきたが無視して、狩り場へ向かった。
パンサーベアーが出現するのが森の中というだけあって、視界が悪い、そう言えば、生物探知のスキルを持っていたはずだ。
意識を集中させ短く「生物探知」と呟く。
すると、森の中のどこに何が居るのかが分かった、レアモンスター狩りのために、取っておいたスキルが、こんなところで役に立つとは。
標的を確認しそちらへ向かう、少し開けた場所に、パンサーベアーがいた。
取り敢えず、様子を見ようと、屈んだ瞬間足元から「パキッ」と枝の折れた音がなった。
パンサーベアーが、音のしたこちらに向かってくる!
「しまった、仕方がない、一撃で首を落とす!」
向かってくるパンサーベアーの、眼の前に立ち、剣を構える。
パンサーベアーが、爪を下ろそうとしたその瞬間、パンサーベアーは地面に崩れ落ちていた。
「良かった~、瞬撃が発動しなかったら危なかったー」そう呟き、バカにしたやつを、驚かせるべく、パンサーベアーの、死体を収納し、冒険者ギルドへ、向かった。
冒険者ギルドの扉を開け、受付へ、
「終わったぞ、報酬をくれ」と言うと、
「牙か何か討伐した証は、有りますか?」と聞かれたので、「あぁ、有るぞ」と言い、パンサーベアーの死体を、アイテムボックスから、出してみせた。すると、その場にいた全員が、
「「はぁ~!?」」と声を上げた。
「何だ? なにかおかしいか?」そう言うと、受付の人は「はいっ! おかしいですよ! 本当にお一人で倒したんですか?」
「そうだが? このぐらい簡単だろ?」
「本当に、冒険者になりたてですか? 普通パンサーベアーは、三人でやっとですよ? それを一人でなんて、ありえませんよ」そんなに強いとは思えなかったが、これもチート装備のお陰だな、
「どうでもいいが、報酬をくれ」取り敢えずこの場から早く立ち去りたい一心で受付を急かす、
「はい、こちらが報酬です」金貨一枚と、銀貨ニ枚だった、
「ありがとう、死体はどうすればいい? あと、この場所の、紙幣価値はどんなだ?」
「こちらでしょっ、処理致します。 この場所では、銅貨十枚で、銀貨一枚分、銀貨十枚で金貨一枚分でございます」礼をいい、ギルドを出た。
「はぁ~、キャラになり切っての、演技疲れるわー、変なこと言ってないよね!?」
不安になったが、後悔しても遅い。諦めて、今日泊まる宿を探すか。
街を歩いていると、見るからに胡散臭い男に声をかけられた、
「そこのお姉さん、奴隷入らんかね?」
「ん? 奴隷?(えっ、奴隷何ているのこの世界!? けど少し欲しいかも……)」てかいくらよ、絶対買えないわよ。
「えぇ、奴隷ですよ、とっても従順なね」不思議な笑みを浮かべ、コチラに話しかけてくる、男に少し気圧されながら、
「そうかなら、少しだけ見ていこう(てかこの人、私のこと女って分かってた? 頭装備取ってないのに)」とても不思議に思ったが男に、ついて行き、店の中を見ると、大量の奴隷が売られていた。
「誰かオススメの奴隷はいないのか? 出来れば女でほしいのだが」やっぱり、異世界転移といえば、エルフの従者だよね!
「そう言うと思っていましたよ、この子なんてどうです?」そう言って、女の子を見たが、こんな幼い子まで、売られているのかと思った。
「少し幼すぎるな。 エルフとかはいないのか?」やっぱりエルフを選ばないとここは損というもの、
「何と! エルフをお探しですか、もちろん居ますぞ、とびっきりのが」そう言い、またあの不思議な笑みを浮かべる男
「見せてもらおうか」どんな子が来るのかな?ワクワクしながら待ってると、
「こちらです」そう言って、見せてもらった、エルフの奴隷は、とても美しく、言葉を失った、端正な整った顔立ち、美しい金髪の床につきそうなほど長いロングヘアー、その碧眼に吸い込まれるように、魅入ってしまい、暫くの間言葉を失った。
「この子にします?」店主言葉に我に返った、
「買いたいのは山々だが、いかんせん手持ちがなくてな」そう言うと、店主は、
「ないのであれば、他のものでも良いですぞ、例えばこの世界のものではない金貨とか」といってもないだがね、ん?そう言えば、ドラグマオンラインの財布があるはず、その金貨でいいのかな?
「そうかそれなら、これでどうだ? ドラグマオンラインで使っていた、金貨だ」そう言い店主に、金貨を渡す。
「おぉ、これはこれは交渉成立です、それでは隷従の儀式をしますのでこちらに」そんなものまであるのか、流石は異世界、
「それでは、主人の名前を」
「オウカだ」流石に偽っても良いことないので正直に名を告げる、
「次に、奴隷の名前を決めてください」そうか、奴隷買ったらそりゃ、名前付けないとだよね、どうしようかな、私ネーミングセンス無いんだよなー、
「君の名前は?」そう問いかける。
「名前? あなたが付けてくれるんじゃないの?」そう言われてもなー、ここに来る前の記憶ってあるのだろうか?試しに聞くか、
「来る前の名前覚えてる?」
「エリナ」少女が目を伏せながら言う、
「そうかなら、君の名前は、エリナだ」良かった、これで覚えてないとか言われたら、ニ、三時間悩む自信あったわ。
「それでは、進めますよ」そう言うと、何かの呪文を唱えた、すると、エリナの首に、隷従の証であろう、首輪がはめられた。
「これで、隷従の儀式は、終了です。 またのお越しをお待ちしております」
というわけで、人生初の奴隷を買ったわけだが、先ずは、服とかを買ってあげなくては。
あいにく少しは資金があるそれを崩そう、近くの店により、エリナの、服や下着を揃えてやった。
「ご主人様、どうして買ってくれたのですか?」そう聞かれ私は、
「君に一目惚れしたんだよ」そう返した、我ながら、恥ずかしい。
「そう言えば、戦闘とかってエリナ出来る?」奴隷を買う理由は人それぞれだが、私はドラグマオンラインでは出来なかった、パーティープレイをしたくなったから奴隷を買ったのだ、ウンウンそういうことにしよう。
「魔法が少しだけ」
「ちょうど後衛が欲しかったんだ。 魔法ってことは、武器は、杖かなやっぱり?」
「そうですね。 杖が一般的です」
「じゃあ、買いに行くか」そんな会話をしながら、武器屋に向かった。
武器屋入り、
「すまないが、この鉱石で、魔法使いようの、杖を作ってくれないか?」そう言って、アイテムボックスから、鉱石を取り出す。店員は驚きながら、
「おいっ、これってこのあたりじゃ滅多に見ない、メラン鉱石じゃねぇか、あんた何者だ?」てか、似たような鉱石がこの世界にもあるのか、
「(えっ、この鉱石ってソンナレアなの!? ドラグマオンラインだと、最初期で手にはいるんだけど!?)ただの冒険者さ、それで作れるのか?」
「もちろん作れるが、こんな貴重なものほんとにいいのか?」こっちは在庫だけが取り柄みたいなとこあるからな、というのも、謎の、コレクター精神が働き、全てのアイテムが私の宝物庫には、大量にあるのである。
「もちろん、いいとも、それでいくらかかって、何日で出来る?」ここで使う金額によっては今日は、野宿だぞ?
「こんな珍しいもの加工させてくれるだけで有り難いよ、金はいらんよ、明日の朝にはできてると思うから、また明日来てくれ」そう言い、店を後にした。
「今日、泊まる宿へ行くかエリナ」こんな美少女解いてほんとに良いのだろうか?そんな事を考えつつ、宿へ向かう、今回の宿は、西洋の雰囲気がある、ごく普通の異世界の宿屋だ、
「はい、ご主人様」
宿に着き、夕飯を、部屋で取る許可を取り、部屋で食べることにした。
「ん? どうしたエリナ食べないのか?」不思議に思いその理由を尋ねると、
「いえ、ご主人様が食べないのに私だけ食べるのもと思いまして」またしても異世界の鉄板なことを言われ、内心ほんとに異世界に来たのだと感じる、
「あぁ、そういうコト、そんなこと気にしないでいいから、食べなさい」
「ご主人様は?」
「私は、後からでいいよ、私の顔なんて見ると、食欲失せちゃうし」生前は、顔のことでいじめに会い、とても苦しんだから、見せるのはとても気が引ける。
「そんな事ありません!!」いきなりの大声で、びっくりしてしまった。
「本当にいいの? 後悔しても知らないよ?」
「良いんです。 さぁ、一緒に食べましょ?」
「じゃあ、外すよ?」そう言い、恐る恐る兜を取った。
「どう?」
「キレイ」ポツリとエリナは呟いた。
その後は、色々話しながら一緒にご飯を食べた。
「さぁ、そろそろ寝ようか」
「はい、ご主人様」
その日は、疲れていたのもあってか、すぐに、寝付けた。
明日からも頑張ろう。
遅くなりましたすみません。明日からは18時に投稿です。