表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/3

寧々宛 織田信長 筆 仮名消息

 ※原文


おほせのごとく こんどはこのちへ、


はじめてこし けざんにいり しうちやくに候


ことにみやげ 色々うつくしさ 中々めにもあまり ふでにもつくしがたく候


しうぎいかにと このはうよりも なにやらんと思ひ候へば そのはうより 見事もたせあひだ べちに心ざしなくのまゝ まづゝゝこのたびは とゞめまいり候


かさねてまいりのとき それにしたがふべし なかんづく それのみめふりかたちまで いつぞや、みまいりし折ふしよりは、十の物廿ほどもみあげ候


藤きちらう れんゝゝふそくのむね申のよし ごん五だうだん くせ事に候


いづかたをあひたづね候とも それさまほどのは 又二たび かの『はげねずみ』 あひもとめがたきあひだ これよりいごは みもちを らうくわいになし いかにも かみさまなりに おもゝゝしく りんきなどに たち入り候ては しかるべからず候


たゞし をんなのやくにて候あひだ 申ものゝ 申さぬなりに もてなしし給べし なをぶんていに はしいに はいけんこひねがふものなり  

のぶ


挿絵(By みてみん)

(天下布武 印)

(切 封)藤きちらう

      をんな まいる のぶ



⁂ ⁂ ⁂ ⁂ ⁂ ⁂



この度、安土の城へ初めて参り、私に会いに来てくれたこと、嬉しく思う。


その、様々な土産物。そのすばらしさは、目に余り、筆舌に尽くし難い。


こちらからも、何か遣わそうと思ったのだが、その方の持って来たものより見事な物を持たせてやるには、今のところ コレっといったモノが無く、今回は、返礼品は止めておこうと思う。


次に来た時に、良いものを用意しておこう。


寧々よ。そなたは、前に会った時より遙かに美しくなっている。


そなたのように美しい女房を持ちながら、藤吉郎(秀吉)は、事あるごとに 不足を申しているようだ。


言語道断である。


いったい、何を考えているのか。


何処を捜そうとも、そなたほどの女を、ハゲねずみ(秀吉)が、再び、女房に得ることなどないであろう。


だから、そなたは、これより以降、身持ちを明るくし、正室らしく重々しく振る舞い、嫉妬がましい態度は取らないように。


言いたいことも少々我慢することを心がけよ。


なお、この手紙は、藤吉郎にも見せるようにっ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ