表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私が、ヤンデレ男に好かれた話  作者: 松花 陽
12/14

テスト勉強の始まり

あれから数日後……。

現在私は、放課後の学校の図書室でとある奴と一緒に勉強をしている。そのとある奴というのが……。


希「おー、流石は里紗穂だね!基本は完璧じゃないか」


わかっているだろうがコイツである。


希「これなら応用問題も難なく解くことができそうだね、リホちゃん!」


と、私の自習用ワークを横から盗み見ながら堂々とそんなことを言う彼に対して……。


柊「許可もしてないのに人のノートを盗み見るな…」


希「べっ、別に良いじゃないか〜!減るもんじゃないんだしー」


柊「そういう問題じゃないわよ。常識的に考えて勝手に見るという行為自体がダメだって言ってるの!アンタももう高二なんだからそれくらいのことは身につけておきなさいよ」


希「え〜??でも、僕は君の勉強を教えるって言ったからねー。だから、僕は最後まで君に勉強を教えるつもりだよ」


柊「確かにあの日に了承はしたけど、毎日見てもらうなんていう約束はしてない」


希「えー、僕は良かれと思って教えてあげてるのに……。実際、リホちゃんだって僕に教えてもらって最近点数が良くなってるじゃないかー」


柊「それは確かにそうだけど。てか、なんで私の小テストの点数が上がってる事を知ってんの?」


一言だってコイツに話した覚えがないのに??


希「そんなことは今どうでもいいじゃないか!それよりも…」


柊「どうでもよくないだろう」


希「……。そんなことは今どうでもいいじゃないか!それよりも……」


柊「おい!話を進めようとすr」


希「そんなことは今どうでmoーーー」


ダメだコイツ、NPC化してやがる。意地でも話を逸らしたいという意思を強く感じた私は、これはもう何を言っても進まないなと思い、仕方なく希のペースに乗ることにしたのだった。


希「それよりも、今は里紗穂の勉強を見ないと!だから、見ててもいいよね??」


柊「言ったでしょ、ダメよ」


希「ケチ〜!」


柊「はいはい……というか、ここ図書室なんだからもう少し声量小さくしてもらえる?目立ってしょうがないんだけど??」


ただでさえコイツの隣にいるだけで注目されるというのに、こんなところで悪印象までつかれたらたまったものじゃない。いつどこで誰が見ていて、私の内申点に響くかわからない。なので、細心の注意を払わなければならない。


希「あっ………ごめん(ぼそ)」


柊「はぁ、全く」


と、そこで……。

キーンコーンカーンコーン。

学校のチャイムが校内中に響き渡る。

どうやら、もう学校から出なくてはならない時間になってしまったようだ。

もう帰らなきゃいけない時間の為、私たちは先生たちに見つからないよう校内から脱出した。


□□□公園


希「いやあ、危なかった危なかった!門を閉めに来る先生がまだ来てなくてよかったねリホちゃん!」


柊「えぇ、そうね」


あの後、なんとかバレずに学校から出ることができた私たちは、肩で呼吸しながら近くの公園で休憩していた。

門を出る直前で背後から先生の怒号が飛んだ時は、終わったと思ったがなんとか逃げ切れたようだ。幸い、割ともう日が暮れていたので担任じゃない限り声だけで私たちと特定されることはないだろうが………今度から気をつけるように配慮しなきゃいけないわね。


ピトッ。瞬間、私の頬に何か生温いものが当たった。私は少しだけビクッとしてからそちらを向くと……。


希「はいリホちゃん!あったかい緑茶だよ!」


柊「えっ??あっありがとう…」


急に自分とは違う温度を当てられてビックリしたが、どうやら希は疲れている私のためにお茶を買ってきてくれたようだ。


柊「………」


希「ん?……どうしたの??」


柊「ねぇ………何か入れたよね??」


希「ん??えっ??ナンノコトカナ??」


柊「すぐにバレる嘘つくのやめなさいよ。……しょーもないから」

「それで……何を入れたの??」


希「うん入れたよ!唾液を」


柊「………は??死んだほうがいいよ??」


あまりの気持ち悪さに思わずそんな言葉を吐く。やっぱり善意ではなかったのかこの男。でもよかった、キャップが空いていることに気づけて…。絶対なにかを入れたことは間違いない証拠だもの。


希「というのは冗談で………本当は睡眠薬を入れたんだー!」


柊「持ち帰る気満々じゃないのよ」


希「うん。もちろん!これで君を連れ帰って……ってわあぁぁぁぁーーー!!?」


私は颯爽と中身を水飲み場の水路に流しその殻を燃えるゴミの中に捨てた。

そして、改めて自販機でお茶を買い直してから帰路を目指す。


希「あんまりじゃないか〜(泣)。一口くらい飲んでくれたってー!」


柊「逆によく飲んでくれると思えたわね?バカじゃないの、アンタ。まっこれに懲りたら二度とこんなことしないことね」


希「でもさ、もしかしたら睡眠薬じゃなくて善意で開けといたかもしれないじゃ〜ん」


っ!そう言われれば確かにそうだ。今までの行動から想像するのは難しいかもしれないが、意外にもコイツは紳士的な一面がある。なら、そういう可能性も考えるべきだったかもしれない。そう思うと、彼に対して申し訳なさが溢れてくる。

よし、謝ろう。

そう決心して言おうとしたのだが……次の言葉でその気は一瞬で失せた。


希「まあ、体液を入れてたのは本当なんだけどね!(テヘッ♡)」


柊「それって最初に冗談で言ってたアレのこと??」


希「いや違うよ??」


即答されてしまった。………はっ???


柊「………えっ?アレじゃないならアンタ、いったい何を入れたのよ……??」


希「…さあ??……なんだとおもう?」


なんか凄い嫌な想像をしてしまった。とりあえず考えないようにしよう。

これ以上この話をしないほうがいいと判断した私は、話を変えることにした。


柊「そんなことよりも……もう少ししたら期末テストも近いわよね。アンタは?なんか勉強とかしてるの??」


希「いや、特には……」


柊「やりなさいよ。アンタが賢いことはわかってるけど、やってないと頭に残らないわよ」


希「大丈夫大丈夫!一応家で復習とかしてるから!」


柊「嘘ばっかり、本当はなにも手につけてないんでしょ?」


希「…してるよー!宿題は」


柊「当たり前でしょ」


提出しなきゃ成績落ちるし。ていうか、コイツは宿題を勉強だと思ってるタイプかよ。


柊「流石は天才ね」


希「そりゃどうも」


と話し込んでいるうちに、気づけば私のアパートに辿り着いていた。


柊「今日もありがと、それじゃあまた明日ね」


希「あっちょっと待ってくれ!」


すると突然、彼は私に静止を呼びかけて急に自分のバックの中を漁り出した。

何かまた怪しい物でも渡してくるのかなと、その時の私はそう思っていたのだが……。


希「はいこれ!」


柊「えっ……??」


その日、あいつが渡してきたものは予想外のものだった。そのものを見た私は、すっかり面食らってしまい言葉も出なかった。


柊「これって………問題用紙??」


希「そっ!それも里紗穂だけの特別仕様!!徹夜して頑張ってつくったんだ!気に入ってもらえるといいんだけど」


柊「ふふっ……。気に入らないわけないでしょ、こんなプレゼント。ありがたく解かせてもらうわ」


久しぶりに笑みが溢れる。だって、こんな出来の悪い私の為に私用の問題まで作ってくる同級生なんて……おかし過ぎて面白いじゃない!

そこで私は、とある妙案を思いつく。


柊「私に勉強教えてくれるって、あなた言ったわよね」


希「そうだね」


柊「だったら……。私が学年一位になるまでとことん付き合ってもらおうじゃない!」


彼は、驚いたような顔をしながら。


希「別にいいけど。いいの?それはつまり、僕に気を許すってことだよ?」


柊「違うわよ、都合のいいように解釈しない!」


希「ごめんごめん。因みに、里紗穂の目標が達成された場合、僕には何かご褒美とかあるの?」


柊「えぇもちろんよ。じゃなかったら、あまりにも貴方に得がなさ過ぎるでしょ。だから……その、デートの1回や2回なら行ってあげてもいいわよ」


希「デート………か!!?」


柊「流石に、対価としては少な過ぎたかしら?なんなら、家庭教師として貴方を雇用してお金を渡すこともできるけど??」


希「いや、別段お金に困ってるっというわけじゃないんだけど……。まあ、それで里紗穂が満足するなら、なってもいいよ家庭教師」


彼は落ち着いた声音でいつも通りの笑みを浮かべながらそう言った。


希「それに、家庭教師になれば君の部屋に自由に訪問できるしね!」


提案するんじゃなかった。だが、私自身もう止まれない。自分が学年一位を取る為には、希の力が必要だ。それに……私のプライド的にも彼にはそれ相応の対価を支払わなければならない。だって、そういうものなのだから……。


柊「それじゃあ、後日ちゃんとした雇用の書類を持ってくるから。またね」


希「別に紙なんかなくても逃げないのに……。まあ、君の場合はそんなつもりはないんだろうけどさ」

「うん!それじゃあまたね!」


こうして、明日から私たちは新しい関係へとなる。大して何かが変わるわけではないが、彼が近くにいることにより大きな変化が訪れる。

私はそれを、後に知ることになるのだった。

「面白い」と思ったら、下にある☆☆☆☆☆から応援おねがいします!


良かったと思えば星5つ、つまらないと思ったら星一つ、正直に思ったことで大丈夫です!


ブックマークもしてもらえると本当にうれしいです!


何卒よろしくお願いします!


あと、Twitterを「甘堕乱」という名前でやってます。よければそちらも見に来てください!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ