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第4話 世界間売買の考察

 コーラを買ってから、数十分間、レオンは、世界間売買の理解に努めていた。


(ふむ、分かったことを整理していこうか)


 レオンは、この数十分で、世界間売買のある程度の仕様を把握することに成功していた。


(まず、商品を買うには、どの世界から買うかを決めて、買う必要がある。この世界とは、本当に多種多様の世界があるが、大きな括りで表示されるため、地球と表示されていても、それが、レオンの知識にある地球を意味しているわけではなく、並行世界の地球なども含まれる。

 そして、当然のことだが、金銭が必要になる。この金銭の調達方法は、金貨などの貨幣を用いる方法、物などを世界間売買に買い取らせる方法などがある。世界間売買で使われる貨幣は(便宜上、円で表す)、金貨1枚につき、1,000,000円となる。

 購入した商品は、光が集まって、形を作り、実体化することで、顕現する。特になにも考えずに購入すると手の中に出現する。出現場所を考えて、購入すると、そこに出現する。

 買取機能は、基本的にどんな物でも買いとらせることが可能。部屋にあったものは全て、買い取らせることが可能であった。しかし、私が、屋敷自体を選択した時は、《所有権がないため、買い取れません》と、文言が表示され、買い取らせることが不可能だった。所有権があれば、売れると言うことだろう。つまりは、屋敷などという巨大なものでも可能、と言うことだろう。土地などはどうなるか試したいところである。

 鑑定機能は、文字通り、鑑定をする機能であり、試しにコーラを鑑定したら、成分表、レシピまで表示された。かなり、詳細な情報を教えてくれるようだ。神器に関しては、押しても、《現在は使用できません》とログが表示されるのみで、うんともすんとも言わない)


 レオンは、頭を押さえながら息を吐く。


(こんなスキル見たことも聞いたこともない。ユニークスキルや最上級クラスの職業スキル並みの価値だぞ)


「それにしても、現世界、地球、SF、武界、魔法界、魔界、天界まではわかるけど、終焉って、なんだろう?」


 現世界は、現在レオンがいる世界のことであり、レオンがこの十数年の間に見てきたものが幾らか存在していた。地球に関しては、言わなくともわかるだろう。SFでは、レオンの知る地球の数百年は先のとんでもない技術で作られたものが売られていたが、金額もとんでもなかった。武界では、武芸の心得、内丹などの武術に関わるものが売られていた。魔法界では、魔法に関わる薬、道具などが売られていた。魔界と天界では、魔界や天界で生きているであろう生物などが売られていた。しかし、終焉は、


「やはり、何度見ても一つしか売られてない。しかも、石ころ一つに1京円って、何の冗談なんだろう」


 終焉では、石が売られているのみであり、値段もとんでもないことになっている。レオンは、これをなんらかのレベルが足りないか、実績が足りないため、商品が少ないのではないかと考える。なぜなら、地球や現世界に関しても、自身の知識にあるのに売られていないものがあったためである。


「まあ、今のところはこんな感じかな。ん?」


 レオンは廊下から響いてくる足音に気づき、ウィンドウを消し去る。消し去ると同時にゲルトが扉を八つ当たり気味に開け放つ。

 そして、嘲るように言い放つ。


「レオン、これより、お前は、使用人として働け!」

「え?」




 と、このような事情があり、レオンは、使用人と一緒に働いているのだ。ゲルトの思惑としては、今まで掛けてきた教育費などが無駄になった、と八つ当たりなのだが、レオンとしては、別に苦にも思っておらず、むしろ、礼儀作法などの煩わしいことを気にせず働ける上に、地球の道具を使って、楽なぐらいなのだが、幸い、ゲルトはそこに気づいていない。

 上手く世界間売買を利用しながら、儀式から3ヶ月の月日が経った。

 レオンの弟のヴィントが騎士王を授かった。

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