間話 夢1
とある道場で少年と少年の親と思われる女性が互いに木刀を持って稽古をしていた。
「いたっ!」
「甘いわよ! リョウ!」
リョウと呼ばれた少年の放った一撃は女性の一撃によって、相殺された上に思いっきり力負けして、リョウは数メートル吹っ飛ばされる。
「母さん、もっと手加減してくれよ!」
「あら? これでも結構力抑えてるのよ?」
「絶対嘘だ!」
母親の言葉にリョウは大きな声をあげて抗議する。当然だろう、人間は手加減した一撃どころか全力で殴っても数メートルも吹っ飛ばない。
「嘘じゃないわよ。母さん本気出したら、Sランクのーーと、違う違う。今のは剣気使ってないわよ?」
「……剣気使ってないのに僕の剣技ごとぶっ飛ばしたの!?」
「……うふふ、全然剣気練れてなかったわよ。剣技っていうのはこう使うのよ」
母親は剣を正眼に構えて、こう叫ぶ。
「出雲一刀流壱の型一刀両断・縦の太刀!」
刹那、リョウの持っていた木刀が切断されたと思ったら、母親の腕が振り下ろされた。
「え? あの、え?」
リョウがあまりの驚きで言葉を詰まらせている。当然だろう、木刀で木刀切ってる時点で頭おかしいのに腕が遅れて動いてるように見えんだもん、頭おかしいというか、物理法則を無視している。
「さ、リョウも■■もやってみなさい」
「無理だって! ■■もそう思うだろう?」
リョウは俺に話しかけてーー