潜入開始 3
ターゲットの少女、央宮陽と親しい人物は同学年にいる。クラスは別なようだ。
「この学校のシステムはAクラスから順に優秀な生徒を配置しています。1学年はA~Fまでのクラスが有りAクラスは優秀でFクラスにおいては、落ちこぼれという扱いです」
随分とあからさまな分け方だった。
「ですがそれは形骸化していうようで、優秀といっても家柄がおもに重視されているですが」
「成績ではなく家系と財力で決まるってこと?」
「そのようです」
いつの時代でもそれは変わらないヒエラルキーだった。僕自身も生まれてこの方ずっと最底辺にいたから身にしみて感じている。
「それで親しい人物てのはどのクラスなの?」
「Fクラスです」
「・・・・それはまた随分と開きがあるようだけど、本当に親しいの?」
「レポートにはそう記載されています。成績や家柄は申し分ないようですが。どうやら素行に問題があるようです」
素行とということは、ものすごい不良とかだろうか?
「理解不能と記載されています」
「理解不能?できればもっと具体的に記して欲しいところだけ・・・・・ど?」
ふと目の前に白い物体が現れて足を止めた。
「お化け?」
白い布をひらめかせた典型的なお化けスタイルだった。律儀にも目と口がくり抜かれている。思わず声を出したことに後悔した。
「だれ!?」
白いお化けは勢い置く振り向きあたりを観察してきた。
認知変換プログラムの効果で気付かないはずだけど、なにか様子がおかしい。
”シノビサクラさん普通、姿は認知できないはずだよね?”
心の中で問いかける。
「そのはずです。存在自体を認知できないよう作られています」
白いお化けは僕の方をじっと睨みつけてくる。
「むむむっ!やっぱり誰かいる気がする。たしかに声は聞こえたような・・・」
もしかして感とかそのたぐいのものだろうか?そうなのだとしたら、あまり関わるのは危険かも知れない。
そっと後づさり逃げようとしたその時だった。
「そこだあ!」
思いっきり抱きつかれた。
「うわ!!」
「ってぎゃー!!ホントに何かいる!!」
「このプログラムの弱点は、認知や存在を消せても物理的な存在が消せませんから」
なんで冷静に説明しているんだろう。
振り払おうとするが全然離れない。
「すごい!幽霊?透明人間?エイリアン?つかまえたらぁ!!」
なにこの白いの超怖い。目に見えていないのになぜ平然と触れるの?
「助けて」
シノビサクラさんに助けを求めるが、帰ってきたのは意外なへんとうだった。
「その白いのがターゲットの親しい友人ですよ」