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20歳の誕生日に風邪で寝込んだ一人暮らしの学生の実話

作者: 寝冷え

【おっぱい】そんなものはない、残念だったな。

 体が思うように動かない。寒い、寒い。布団にこもっても体からどんどん熱が逃げていく。思考がまとまらない。ただ今現在感じている悪寒に耐えながら意識をなくそうと必死に目をつむって眠ろうとする。

 どれくらい時間が過ぎただろうか。少しの頭痛と体のだるさにひたすら耐える時間が続いた。ふと時計に目をやるとどうやら小一時間ほど目を開けたまま布団に横になる無意味な行為を続けていたらしい。さっさと眠ることができるなら楽なのだろうが眠気も起きない。スマホを見て時間を潰す元気もない。

 詰んでいる。

 ただ20歳の誕生日に風邪をひいて一人で暗い部屋に寝転んでいる自分の状況を考えると少しだが笑えて来る。いかん、何か思い浮かべようとするだけで頭が痛い。さっきまで読んでいたラノベの回復魔法でも使えればこんな風邪も一瞬で治せるのだと思うともういっそのこと、旬を過ぎて腐臭を放ち始めている異世界転生でもしてみたい。チートも欲しい。とりあえず衣食住に困らなくて楽できて働かなくてよくて大学にもいかなくてもいい生活がしたい。人間関係も最小限くらいのしんどくない生活がいい。くそかわいいヒロインはいらない。コミュ障には持て余すし自分のいる空間が狭くなると思うと鬱陶しい。

 要するに自分の求めている生活はニートそのものなんだから、このまま大学にもいかずにバイトもぶっちし続ければ向こう一年はだれにもばれずにそんな生活ができてしまうのではないだろうか。生産的な思考が全くでてこないことに辟易しながらももう少しこの妄想を広げてみる。

 ニートしたいなあ。働きたくないなあ。就活なんて絶対したくないし上司にペコペコしながら会社のイヌになることなんて論外だ。社長になって誰かをあごでこき使うには能力が足りないし、その能力をつけるための努力もしたくなんてない。寝て何にもしないことがこんなにも難しく得難い幸せなのかということも、その幸せを得るための手段である親のすねをかじれる期間がもう終わりを迎えつつあることもいやというほど理解している。新しい苗床がほしい、僕というクソみたいな寄生虫の新しい苗床が。

 そのとき僕に天啓が舞い降りた。天才、これはマジで天才。神。

 そうだ、好きな時にお金をくれていつも自分のためにお金を稼いでくれるカワイイ美少女AIを作ろう。ロボット、モノ、そう道具だ。これなら誰にも迷惑をかけない。完璧だ。ダッチワイフとしての機能も付けよう。人間なら気持ち悪くなることもあるけれどモノなら大歓迎だ。めちゃくちゃ精巧に細部まで作ろう。むしろ細部に全身全霊を込めてもいいくらいだ。

 いっそのことコストを極限まで抑えたダッチワイフを大量に生産するのもありだ。そうして金を稼ぐためのだけのAIを別途で作ろう。どこからどう見ても穴のないカンペキな作戦、決まった。決まったわ、たった今オレの進むべき道が。

 エンジニアになる、オレ。

 寝て起きたら勝手に口座に金が振り込まれていて美少女(AI)をはべらせる生活を実現するんだ。

 そうと決まれば即行動だ。

 風邪で思うように動かない右手を大して高くもない天井に向かって突き出す。


「「神様、働きたくないでござる。オレのために金を稼いでくれる美少女を量産するためのチートをわが手に与えたまえってばよ。」」


 渾身の願いを込めて天高く腕を伸ばして祈る。実際には天井に寝転びながら手をかざしているだけだが関係ない。自分の意識を頭の先から足の指先に至るまですべてを右手からする天へと放出するイメージで祈る。


 1分が過ぎる、


 体感で1分は確実に過ぎている。オレはあきらめない。



 2分くらい過ぎた気がする。


 この間、オレは全力で目を固く閉じて祈っている。当然時計なんて見ていない。



 5分くらいが多分すぎた。



 上げ続けてきた肩の筋肉が痛くなってきた。だが、やめない。


 神、もとい何かしらの超自然的なチカラよ、そろそろ諦めてオレにチートを渡したらどうだ?おれがチートを諦めることを諦めろってばよ。









 パズドラ氏よ、



 スマホをみると15分くらい経っていた。




















読んでいただきありがとうございます。

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