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わがまま女神の開拓誌 ~自分の島を観光地にしちゃおう!!~  作者: 青衣
第1章【日曜の港《陽光》】
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始まりの祝砲と開拓の儀

さぁ、始まりました!!

 聞き慣れぬ砲音が空に鳴り響き、あぁ……ついにこの日が来たんだなぁって実感させられる。

 もう私は子供じゃないのに運動会が晴天で実行させられる時のドキドキやワクワクが押し寄せてきてくれ、とても清々しい。


 なっ、こ……子供っぽいだと!?

 子供っぽいと思った目の前のお前は後で職員室に来るように、後でたっぷり搾り取ってやる。

 何をって? 決まってるじゃないか、生命力さ……この鎌でね。

 痛みはないしむしろ気持ちいいと思えるぞ?


 なっ……それ以外のものも絞ってほしいって?

 はは……は、なんのことだかさっぱりだし私はそういう分野の趣味は持ち合わせてなくてね、すまんがそういうのは別なヤツに頼んだらどうだい。


 さて、冗談はさておき智美がこれから始まる着工の儀式の祝辞を長ったらしく読み上げているが、集まった作業員の誰一人として嫌な顔をするどころかイキイキとしてその言葉に聞き入ってしまっている……けど、よく考えれば恐ろしいものだ。

 なぜって、智美は仮にもひとつの地域のリーダーだし、性格が性格だ……力が全ての世界を治めてるのだから途中で居眠りこいてるヤツの命なんてすぐにでも処分できるような性格の持ち主なんだぞ?

 とりあえずすまない……、それなんって独裁のプロパガンダ?


 それでもその姉御肌を嫌う人なんてまず居るはずがない。

 普段から暴力をためらわないヤツなのに、この私ですら彼女を根っからの悪人とは思えないのだ。

 じゃなきゃ皆が笑ってついてくるはずも無いし、前回燎煉で会ったときも部下達と楽しそうにお話をしていたからよっぽど慕われて居るんだろうな……ある意味独りで仕事をする私には羨ましく感じる。


 そう思ってた矢先だ、遠回しからでも熱の暖かみが感じられるほどの炎が吹っ飛んで行き轟音を響かせた。


「玄弥ぁああっ、寝るんじゃないわよっ!!」


 智美が若干キレていらっしゃる、……居眠りこいてる玄弥の尻に炎の弾丸が直撃し遥か彼方の海に落下して行くのがわかるが、誰もそこまでやれとは言ってない……あんな事しなくてもなぁ。


 そんな轟音で桃子は目を覚ますも再び居眠りをかます魂胆が羨ましく思える。

 まあ、智美は女性にはひどい仕打ちをすることはないから私が居眠りしてても炎とかは飛ばしては来ないだろうから安心して眠れる。

 話が終わるまでしばしば寝ようか……。
















 さてあのあと一時間は話が続いたみたいだが、智美に着工式みたいなのが終わったから仕事に取りかかるわよって優しく起こされたのを覚えている。

 それを見て玄弥がこの差はなんなんだとうらめしそうに睨んでくるも智美が睨み返すとソソっとどこかへ行ってしまうが、なんだろう……男という生き物は辛そうだな。

 女に生まれて良かったような良くなかったような、まぁ定期的にお腹痛くなるのは仕方ないが容赦なく尻に火を着火させられ吹っ飛ばされるのだけは勘弁だから、しばらくは女でも良いかなー……なんて、ダメ?


 そんなことよりもまず皆の役割を確認しようか。


 髪の毛が金髪の日曜の民は力仕事があまり得意じゃないため皆のご飯や飲み物の提供、赤い髪の毛が特徴の火曜の民はバリバリ力仕事だろう……女性の従業員であっても他の地域の男なんかよりも強いぞ!!

 緑色の髪の毛のは木曜の民、能力的にはスタンダードで男女ともに力仕事でも事務仕事でもどちらにも割り振れる。


 今回は陽光、燎煉……それから風見、この3地方が今回は力を合わせて陽光の港を完成させるのだ。


「じゃあ冥綾はレンガの運搬をお願いするわ。」


 智美は私にも仕事を振り分けてくれる。

 よくありがちなレンガに金属の棒が差し込まれたヘンテコリンなレンガを猫車イッパイに運んできてくれた。


「これをあそこの地点に置いてくるのよ、それを十往復すること!! わかった? 返事は?」


「はっ、はいっ!!」


 な、私はなぜ無意識に敬礼なんてしてるんだか……。

 これもそれも智美の畏怖に漬け込まれた黒々しいカリスマと言うやつか、周りの皆は作業着なのに対して自分だけゴシックドレスを着たまま建築作業をするのはどうかと思うも魔法で汚れないようにしてある、たまには思いっきり人の役に立つことでもしてやるかな。

冥綾もキチンと手伝ってね

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