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わがまま女神の開拓誌 ~自分の島を観光地にしちゃおう!!~  作者: 青衣
第2章【月曜の荒野《夜朧》】
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一瞬、卵が掌で反る

お寿司を食べに来たのだ

 あのあとはノンビリお散歩を兼ねて寿司屋まで行ったのだが、そこまでは良い……良いね? だが、問題はその道中にあった。

 思い出すだけでも顔から火が出そうなほど恥ずかしい……私はもう明日からどの面下げて陽光に来れば良いのやらか。

 まぁ陽光の人たちは頭が年中常夏のお花畑なのだからこういうお姫様だっこしてる人たちに冷やかしだの祝福だの声を投げつけてくれるのだ。


 だがあいにく私達は七刻においては各地方の長を務めるもの同士、一般人なんかじゃないからスクープものだよこれは。

 明日の朝刊デビューだ……スキャンダルだ、パパラッチだ。

 よくわからない羅列を並べてみたが恥ずかしさは止まらないわ。

 これは玄弥の財布をカラッポにしなきゃ私の気が収まらないッ!!


「うーっす、お邪魔するぜい!!」


 港の裏路地、薄暗くて狭い場所に寿司屋が存在したとは正直ビックリしたが……こういう穴場は知る人ぞ知る名店って言われる確率が高い。

 グルメで美食、暴食の玄弥が選んでくれるとなるとなおさらだ。


「おっと、玄さん……今日は特別貸し切りだ。 急に貸し切りだって連絡を入れるからビックリしちまったよ。 まぁ、玄さんが来ると潤うから悪くはねぇがなぁ、がははは。」


「悪いな……へへっ。」


 店を貸しきるとはいったい玄弥は何をしたというんだ!?

 と言うか私も貸し切ってこういうパーティーをしたらさぞ楽しいんだろうなぁ、まあ……やる友達とかいないから意味ないけ……訂正、友達はいるぞ。

 断じてボッチじゃあないぞ!!



 って、調べたらここはやはり人気の名店じゃないか……予約一ヶ月待ちぐらいもある店を!?




 知らないことはパソコンで調べたくなる主義だが私の予想を遥かに越えていた。

 けどよく考えてみて? 玄弥は2000万の小切手をポンッと他人にあげるようなヤツだがやはり金銭面の心配はしたくなる、無理してるんじゃないのかってさ。


「おぉ、聖奈さまに冥綾さまも……遠路はるばるようこそ、まずはもてなしのお熱いお茶ですじゃ……火傷しないように。」


 おぉ、緑茶が出された。

 言っちゃなんだけど回転寿司でセルフで緑茶を飲めるように、こういう場所でも提供されるもんなんだなぁ。


「さぁ、遠慮せずオーダーしてやれ!! 板前さんもウズウズしてやがるからよぉ。」


「あぁ、夜朧の女神達に俺の腕を振る舞えるなんて夢のようだ……ささぁ、遠慮せず好きなのを言っておくれ。」


 長い建前もようやく終わりを迎える、私の腹の虫が軽くなり響くがこんなところで羞恥心覚えたとて先程のにまでは敵うはずもない。

 否、名店で腹の虫の1匹や2匹鳴らさないときっと失礼に当たるだろう……ならば鳴かせて見せよう腹の虫とな。


 まず店を知るには卵焼きを先に頼めと誰かが言っていた、誰からだったかはちょっと忘れたが板前は下積み時代には卵焼きを何年もたくさん作らせられると言われている。

 一人前になってようやく魚の寿司を握らせてくれる……みたいなことを聞いたような、だから私も敬意を表して卵焼きを1貫オーダーと行くぞ。


「へい、卵焼き一丁ぉおおぅっ!!」


 相変わらず寿司屋独特のデカい掛け声と共に卵の握りを握り出すが、その鮮やかなこと。

 だけど一番驚いたのは聖奈だろう……ガン見しすぎ、何がそんなに彼女を引き付けるんだ!?

 恐い……恐いわぁ。
















 たった6秒……短いような長いような時間が流れ気がつけば板前の手にはお寿司が作られており、私の目の前のゲタをでっかくした板にちょこんと鎮座していた。

 わずかな時間なはずなのにここまで改行をするのもどうかと思うがメタ発言は控えよう、【あちら側】の人達がお寿司でメシテロだーって騒がしくなりそうだし。


 それはおいておくとしても、さっきのそれは瞬き厳禁であろう速業はすなわち神のごとく、なるほど……刀の道を極め歩む聖奈が見入るのには理に当てはまる。

 一瞬が全てを左右するのだ、彼女はそれに何を思っていたのかはわからないし興味の欠片も無いから別として私は出来立てホヤホヤをいただくとするか。


 1口、お寿司の半分をパクンと……その直後だ、アホ毛がビーンッと一本立ちし始めたッ!!

 たかが……されと卵のお寿司とバカにしたのが運の尽き、1貫目でこんな洗礼を浴びられてちゃこの先どうなるのやら。

このお爺さん何者だ!?

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