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わがまま女神の開拓誌 ~自分の島を観光地にしちゃおう!!~  作者: 青衣
第4章【水曜の湖畔《時雨》】
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苦悩と挫折……雪と氷と

誰だって悔しいときはある

 私は私の方でアイスキューブを大量生産しつつも出来上がったモノを誇らしそうにポンポンって叩いては少しあることに気がついた。

 それは指摘されなきゃあまりわからなかったが、これ……何の材質で出来てるか言わなくてもわからないだろうか?

 察しが良いならわかるかもだけど、アイスとは言うが実際は雪でしかないためスノーキューブって名前にした方が良いんじゃねって思いつつある。


 だがここでイチャモン付けるのはよろしくない。

 ほら、雪のなかには氷も含まれるから実質アイスでも違わない……あ、ダメ?


「むぅ、イメージできるはずがないんだぞ。 だいたい魔法なんて非科学的だから軍曹にはどうしようもないぞ……。」


 遠くの方でガックリと項垂れる軍曹が見えるがどうにも昨日の今日で曜力を獲得したにしてはやはり付け焼刃すぎるというもの、1日で魔法を使えなんて無茶ぶりはやはり専売特許の結愛がレクチャーしようが、元より魔法を使えないなどとの思い込みが作用して何1つアイスキューブを作ることすら叶わない。

 魔法は自身の強い想いと願いによって出来るもの、だから端から信じようとしないなんてもっての他でしかないが軍曹は真面目すぎるから無理もないのか?


「雪のブロックよ、出来ろ出来ろっ!! ……むぅ、念じてもなにも起きないぞ。」


 自棄になってやってみるも当たり前のようにできるはずもなく、すっかり半泣きでふて腐れてしまった軍曹はその辺で体育座りしては楽しそうにアイスキューブを増産する結愛を見て深くて長いため息を吐き出した。

 落ちこぼれと言う烙印を押されたかのごとく……無能を実感したかのごとく、その表情は見るに耐えないくらい重苦しくおおよそ子供がしていいような暗い顔じゃない。


 ちなみに七刻の子供たちは物心付いたときには絶対基礎的なものは遺伝子レベル、本能で曜力を操れるため何かしらできてしまう。

 けど軍曹は他所から来た子供、曜力適性を獲得して時雨の子供とは何ら変わりの無い見た目をして居ると言うのに……不敏なものだ。
















 ものの数時間もあれば遠方でボーリングマシンの地鳴りが聞こえなくなり一旦休憩の頃合いだろうか、もしやと思いながらポケットに入れてある端末を見ると昼は数分だけ回ったところ。

 曜力は意外にも大量に消費すると気力もそうだが何よりも空腹感を感じてしまう、そうなれば腹はペコペコになるのは必須……だがこんな雪の丘に食べるものなど持ってきてはいないしどうすれば良いのかわからなかった。

 ただ休憩時間にフルタイムで費やすのもお腹が可哀想だしなぁ、私の腹の虫は昔から結愛みたいに一旦空腹になればわめき散らす性分だから気にすればするほど腹が余計締め付けられる。


 その時だ。




 ……また地鳴りか?




 ゴゴゴって雪崩のような音が聞こえたから振り向いたら吹き出しざるを得なかった、あれは反則ってものだよ。


「おらぁっ、メシを持ってきたわよ? はい、冥綾負担で3人ぶんで1000円ね?」


 オカモチ……つまりは出前を入れる箱を片手にスノーモービルにライドしつつかなりのスピードでこっちに向かってくるんだからシュールって言うか滑稽って言うか、そもそも中身グチャグチャになってないよな?

 かなり左右に荒れながら揺れてたし。


「何で私だけ金取るんだよ。」


「冗談よ冗談、はい……ラーメン持ってきたわぁ、アツアツだからゆっくり食べるのよ。」


 蓋をパカッと開けると醤油ラーメンがドンって鎮座していて私の食欲をそそる。

 チャーシューもメンマもネギも増々でとても美味しそう、って……まさか手作り!?

 中華料理を作らせたら七刻じゃ右に出るものはまず居ないといって良いほどの腕前、そんな人……女神が作ったラーメンなど待てる暇もなく【いただきます】を言うなり食らいつく!!

 熱くたって関係無いね!!


「あつあつ、うまぁいっ!!」


「智美のラーメンなんて食べたらカップ麺が食えなくなっちゃうじゃないかぁっ、あぁ……罪なラーメンめ、私が食いつくしてやる。」


 スノーキューブを机の代わりと小さめのスノーキューブを椅子の代わりにして3人でいただくのだが、智美が何かに気がついたのはそう時間はかからなかっただろう。


 食卓に笑顔以外が混じるなど彼女以外に考えたこともなかったからかもしれないし、智美のラーメンを食べてる私と結愛の笑顔を見てみろ……美味しいものを食べると自然と笑みがこぼれるのは当たり前だと言うのに、暗い表情で食べてる軍曹が気になって仕方なかったに違いない。

まずは落ち着いてメシだ

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