過去~始まり~
すごく短く、表現など何かしっくり来ませんが投稿します。駄文ですいません。
遥かなる昔、まだ天地の一族が人間を完全に見限る前に翡翠は生まれた。一切の感情もなくこの不浄の地を無くすために生を受けた。秘めたる力をふるう繰神として。
そして、俺もいた。名もない幼子として。鬼の餌として生かされていた。其処で初めて出逢った。
あらゆる妖魔を鬼を滅ぼす神に、人形のような神に。
この出逢いが全ての始まり。
ひたすらに鬼を滅ぼす。人間など何時でも滅ぼせるため、特に気にしていなかった。
だからあの時の翡翠に俺を助けたつもりは無かったのは知っていた。ただ鬼を滅ぼしたそれだけだ。
(あの時、俺は子供で怖くて。鬼から助けてくれたお礼が言いたくて。でも翡翠の表情を見たとき思ったんだ、泣いてるみたいだって、笑顔が見たいって強く思ったんだ)
そして、気がついたら追いかけていた。
何度も恐怖を感じながら、それでも追いかけ続け数ヶ月後に初めて言葉を交わした。
「人の子よ、何故我をつける。何を考えている」
そして、それは翡翠が初めて疑問と興味を持った瞬間。
「えっと、なんか・・・わかんないけど、お礼言いたかったし。あと、泣いてるみたいだったから。笑ってる表情が見たいなって」
これが、旅と絆の始まり。
本来、この不浄の地を浄化し滅ぼすべき秘神が滅ぼすべき人間と旅をする矛盾。
旅のなかで感じる様々な想いに翡翠は戸惑い、その度に豊になっていく表情。そして深くつながる絆。
(そういえば、俺に名を与えてくれたのも翡翠だったな)
「ふむ、いつまでも人の子では不便だな。今日からは天地丸と名乗れ」
それは、一緒に旅を始めて数年後のことだった。どんな理由で天地を冠する名を与えたのかは分からないが、その日、俺は名をもらい翡翠の真名を教えられた。
(きっとその時から俺は翡翠を愛しく想って)
旅を始めて十数年後、その時は来た。真(神)なる鬼との戦い。
次は過去で真(神)なる鬼との戦いと二人の別れまでの予定ですが、たぶん短いと思います。