鬼が来たりて
初めまして。
初めての小説でいろいろと拙いですが、少しでも楽しんでもらえるよう頑張っていきます。
最近少ない和風ファンタジーですが楽しんで下さい。
感想待ってます。アンチな意見も遠慮なく下さい。少しでも良い作品作りの参考にします。
「はぁはぁ」
薄暗い山中を少女が必死に走り抜ける。木の根や草に足を取られながら懸命に。着物は汚れ枝や草で切ったのか頬に赤いかすり傷がある。美しく長い黒髪が乱れ黒瞳に涙を浮かべ走り続ける。
「ゲッゲッ、にげろ、にげろ」
不気味な低くひび割れた声、この鬼ごっこを楽しむ声、狩るものの持つ下卑た笑い声。
「ゲッゲッギャギャギャ、鬼ごっこはオワリだ、喰ってもいいかい、もういいかい?」
少女を執拗に追い狩るものは異形の鬼。その姿は必然に痩せこけた顔に身体、長い腕と脚には人間の肉を裂く爪、口には血を啜る牙、何より頭部から生える四本の角。
「ぃ、いや……ッ! 助け──」
鬼の爪が少女の腕をそっと撫でた。そして、爪についた血を舐める。
「ウマイ血だ、久しぶりの餌だ」
(助けて・・・たすけて・・・誰か、だれか!!)
強い想いに呼応するかのように、光が閃く。そして切り落とされる鬼の左腕。
「おのれー、誰だ!」
いつの間にか、少女の前に男がいた。
「雑鬼か」
その呟きと共に太刀を抜く。刀身自体が銀色に輝く銀月のような太刀。
いつの間にか再生した左腕を降り下ろし蹴り上げる。がそのすべてをかわし鬼の胴を切断し首を切り落とす男の剣技。
すぐに雑鬼は塵となり消えた。
「大丈夫か?」
男の、どこか優しさを感じさせる声にやっと少女は救われた事に気づき、意識を手放した。
読み難かったらごめんなさい。感想、意見待ってます。