21 「最終決戦直前のアレコレ」
シュルツ「ＣＭがあけました！ ばびょん！」
けんじ「……」
ブルーメ「……」
シュルツ「ＣＭあけたら正座しているふたりの出演者の絵面、なんなのこれ面白すぎるでしょうやめて」
愁「そうだね、僕も少し大人げなかったと思う」
美卯「ブルーメちゃん、仲直りしようね」
けんじ「あ、はい……、すいませんでした……」
ブルーメ「……ッス……」
シュルツ「さ、残るはあと１組ずつ！」
美卯「そういえば愁さんが言っていた『切り札』って、誰のことだったの？」
愁「それはトリに登場するよ。お楽しみ、だね」
美卯「そっかぁ、でもうちのトリはヒナちゃんだからね。たぶん負けないと思うよ」
愁「西野ヒナって書いてあったんだけど」
美卯「あれはヒナちゃんなりのユーモアだと思う。わかりづらいかもしれないけど、ヒナちゃんそういうところあるから」
シュルツ「ユーモアなんてないよ。やつはただのクレイジーでサイコなビッチ野郎だよ。この世界のためにも滅ぼしたほうがいい。そうしなければもう二度と人の笑顔が見ることをかなわなくなるかもしれない」
美卯「シュルツくんはヒナちゃんと仲良いなあ」
シュルツ「やめてよねマジで。言っていいことと悪いことがあるよ」
美卯「ご、ごめんね」
愁「お似合いだよね、本当に」
シュルツ「お前はわかってて言っているだろう愁ーッ！」
愁「なんのことかな。ほら、早く進行をしてくれないと。給料分の働きはしようよ」
シュルツ「ギギギギギギギ……、さ、それではここで最後の中間発表となります！」
美卯「すごい、一瞬で笑顔に！」
愁「まさにプロだね」
シュルツ「クレイジーサイコスマイル野郎に言われるのマジで釈然としないわ。では、紅組白組の点数は、こちらだー」
パッパッパッ……
ジャーン！
白組５２０点
紅組６２５点
美卯「うわあ」
愁「……」
シュルツ「まさかの１０５点差！ 最高得点は１００点満点なので、この時点で白組は挽回不可に！」
美卯「紅組の優勝だ嬉しい―……、って美卯はいいけど、番組的にこれでいいの？ トリが歌う前に決まっちゃうんだけど！？」
シュルツ「そうだね、同値からいったいなにがあったんだろうね」
愁「（チッ）」
シュルツ「番組中に舌打ちしないでくんない！？」
美卯「えっと……、どうするのかな？」
シュルツ「今、番組プロデューサーたちが打ち合わせしていますので、もう少々お待ちください」
美卯「あ、はい」
シュルツ「というわけで、誰か間を持たせてもらいたいんだけど」
ルルシィ「じゃあわたしがハースストーンの話でもしようか？」
シュルツ「No thank you」
ルルシィ「そうか、せっかくやってきたのに……、そうか……」
美卯「あ、なんか楽屋でデュテュさんとミエリさんがトランプで勝負しているらしいよ」
シュルツ「ものすごいグダグダになっていそうなので、いいです」
美卯「ババ抜きで、互いに残り１枚と２枚になってから、ババの取り合いのラリーが２８回続いているらしいよ」
シュルツ「それはちょっと面白いな……」
美卯「あとキキレアさんが、プレハさんとシルベニアさんの魔法談義にものすごい嫉妬をしているらしいです。『神の力を借りなくても魔法が使えるとか、それずるくない？ ずるすぎない？ チートじゃない？ 死ねばいいのに』だそうです」
シュルツ「格上にも臆することなく噛みつくその姿勢を、ボクは評価したいと思う」
美卯「はい、というわけで今、プロデューサーからカンペが出されました。読み上げましょう」
シュルツ「なになに……。えー、『最終グループだけ、得点が一万倍になります』だそうです。昭和のバラエティか！！！！」
美卯「自分で呼んでそのまま突っ込むとか、シュルツくん器用だよね」
シュルツ「汚れちまった悲しみに、だよもう。というわけで、最終決戦に参りましょう」
愁「うん、がんばってね」
美卯「順序が入れ替わって、先にヒナちゃんからの登場ですー」
シュルツ「それでは、最期まで楽しんでいってくださいなー！」
愁より一言：クレイジーサイコスマイル野郎？
シュルツより一言：うわ根に持たれてる。
