17 「妹から見たお兄ちゃん」
シュルツ「あ、というわけでラブリーアローさんもステージに戻ってきましたね――」
廉造「おい、愛弓!」
愛弓「あ、にいに、見ててくれた?」
廉造「それよりなんでお前が歌ってンだよ」
愛弓「え? ダメ?」
廉造「ダメっつーか、別にダメじゃねェけどよ。でもオレに一言も断りなしか?」
愛弓「びっくりさせたかったんだもんー」
廉造「だもんじゃねェよ。オラ、あれだよ。お前まだ未成年だろ。だったらバイトみてェなことすンだったら、親の許可がねェとダメだろうが!」
愛弓「にいにに黙っていただけで、ちゃんと院長先生には言ったよ?」
廉造「ぐっ、そ、そうなのかよ……。いや、でもなァ、テメェなあ!」
愛弓「にいに、なんか怒りたいんだなーってムードは伝わってくるんだけど、全然筋が通っていないよ? いったん怒っているのひっこめたら?」
廉造「う、うっせェな……。あ、そうだ! テメェ、なんだあの曲は! なんで恋の歌なンだよ! もしかして、どっかに好きなやつとかいンじゃねェだろうな!」
愛弓「ええっ? そんなの気にしているの? ただの歌でしょ?」
廉造「た、ただの歌だからって……、そうか、ただの歌かよ。じゃあいい」
愛弓「うん、でもいい人ができたら、ちゃんとにいににも紹介するね」
廉造「…………あァ、そンときは、ちゃんと出迎えてやるよ、ちゃんとな」
シュルツ「なんか話がまとまったようなそうでもないような……」
愁「いやはや、兄妹っていうのは、難儀なものだねえ」
美卯「でも、美卯も一人っ子だから、ちょっと羨ましいなあー。頼れるお兄ちゃん、ほしかったかも。お兄ちゃん的な人は今、たくさんいるけど」
シュルツ「お兄ちゃん的な人て」
愁「きょういる出演者で、お兄さんがいる人っていうと、誰だろうね」
ナル「あ、はーい。あたしはお兄ちゃんいまーす」
美卯「へー、ナルさん妹なんだー。やっぱりどう? お兄ちゃんってあんな感じ?」
ナル「うーん、どうかなあ。うちのお兄ちゃんは、あんな風に仲良しって感じじゃなかったかも。年も離れていたし。でもね、やっぱり優しくてよく甘い木の実とか取ってくれたんだよ」
美卯「へえー、いいなあー」
アマーリエ「あたしにもお兄ちゃんいたわよ」
美卯「あ、そうなんだ」
アマーリエ「まあね、紆余曲折あって、あたしがこの手で斬り殺しちゃったけど」
美卯「う、うん……、うん?」
シュルツ「あ、すみません、今テレビなんでちょっと『斬り殺す』とかはNGで。すみません」
アマーリエ「そう、わかったわ」
リミノ「リミノのおうちはお姉ちゃんだけかなあ」
キキレア「うちもお姉ちゃんがいるわねえ」
ミエリ「あ、はーい、わたしもわたしもお姉ちゃんいますー」
椿「あ、ボクもお姉ちゃんいるよ」
美卯「椿ちゃんの場合は、妹じゃないけど!」
椿「う、うん」
シュルツ「なんかキミ、さっきから椿さんにだけ厳しくない?」
美卯「そういうつもりはないんだけど、なんでだろ。やっぱり一時期敵対していたから、その恨みがまだ残っているのかな
椿「え、そうなの!?」
美卯「だからことあるごとに、ちょっとずつ恨みを小出しにしているのかも」
椿「それだったらひとつにまとめて出してくれたほうがいいんだけど!」
愁「まあ、世の中の妹さんたちは、お兄ちゃんに苦労をしているって話だね」
シュルツ「綺麗にまとめたな、愁さん」
愁「まあこう見えても、綺麗にまとめるのが仕事だったみたいなところあるからね」
ふみや「あ、うちの妹の話、します?」
シュルツ「いえ、大丈夫です」
シュルツ:あ、次回予告忘れてた次回はシークレットゲスト二組の登場ですー。