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13 「椿ひらひら」



シュルツ「というわけで、次のグループです。なんかまたサイリウムが増えてきたな……」


美卯「次は椿ちゃんだからねー」


シュルツ「へえ、この時代のアイドルの子なんだねー」


美卯「そうなんだよ、男の娘なんだけど」


シュルツ「……ん?」


美卯「男の娘」


シュルツ「男の子?」


美卯「ううん、男の娘」


シュルツ「日本語ってややこしいな……」


美卯「とにかくこういう大きな舞台が大好きな、可愛い衣装を着るのが好き、目立つのが好き、自分が褒められるのが好き、チヤホヤしてもらえるのが好きな、とってもかわいい子だよ!」


シュルツ「いや、でも男の子なんでしょ? なんで紅組なの? なんでソロで紅組なの?」


美卯「それぐらいいいじゃない。細かいことを気にちゃだめだよ」


シュルツ「ボクたぶん細かいことを気にする性格だから、総合司会に抜擢されたと思うんだけど……、まあいいや、それがこの番組の意向なら従おう。ボクは猫のぬいぐるみだけど基本は上の人のイヌだからね」


美卯「椿ちゃんがんばってねー!」


シュルツ「うん、うん、がんばってくれるといいよ。紅組ファイトー」


美卯「ふふふ、こんなにおっきなホールだからね」


シュルツ「うんうん」


美卯「たぶん今頃、負けず劣らず、椿ちゃんのリトル椿ちゃんもすっごくおっきくなっていると思うよ! 大興奮だね!」


シュルツ「おいカメラとめろ」




 ** **




Q:あなたは誰のためにこの曲を作りましたか?


椿『もちろん、ツバキちゃんを応援してくれたすべてのファンのために、だよ』



Q:曲作りは難しかったですか?


椿『うん、とっても難しかったよ。でも、ファンのみんなが待っていてくれているからね。ツバキちゃん、ちょっとずつだけどがんばったんだよ』


椿『ツバキちゃんの雰囲気ぴったりで元気な曲になったと思うから、みんなも楽しんでくれると嬉しいな!』



Q:そのサービス精神、感動しました。ありがとうございました。





 ** **




 以前、地下幕張メッセで歌った際は黒のドレスだったのだが、今回はアイドルらしいフリフリの可愛らしい着物を身に着けていた。

 だがその顔は真っ赤だった。真っ赤でスカートの前部分を押さえている。恐らくは直前に言った美卯の爆弾発言が原因だろう。


シュルツ「それでは歌っていただきましょう。『センスオブデストロイヤー』で、『椿ひらひら』。どうぞー」







『椿ひらひら』:センスオブデストロイヤー


 作詞作曲:白鳥椿




 ぱっぱらぴらぴら ぱらりらり

 ぱっぱらぴらぴら ぱらりらり

 

 椿ひらひら ひらりひら

 ひらひらり らら ひらひらひ 


 いろはにほへと 夢の花

 わかよたれそ たれそれそ



 ぱっぱらぴらぴら ぱらりらり

 ぱっぱらぴらぴら ぱらりらり


 椿ひらひら ひらりひら

 ひらひらり らら ひらひらひ 


 うゐのおくやま みなも立ち

 あさきゆめみし みしみしみ



 ぱっぱらぴらぴら ぱらりらり

 ぱっぱらぴらぴら ぱらりらり

 

 椿ひらひら ひらりひら

 ひらひらり らら ひらひらひ 



 ぱっぱらぴらぴら ぱらりらり

 ぱっぱらぴらぴら ぱらりらり

 

 椿ひらひら ひらりひら

 ひらひらり らら ひらひらひ 




 ** **




シュルツ「『センスオブデストロイヤー』さん、ありがとうございました」


シュルツ「しかしあれが男の子ってすごいな、言われなきゃわかんないなー」


美卯「椿ちゃんは特別だからねー。うふふ、可愛いでしょ?」


シュルツ「正直可愛いとは思うけど、でもどうなの? あの子って男の子と女の子、どっちが好きなの?」


美卯「え? いや、それは……、女の子が好き、なんじゃない?」


シュルツ「あ、すみませんなんか、プライベートに踏み込んだような質問をしてすみません」


美卯「ううん、大丈夫。でも言われてみれば美卯、椿ちゃんのことなんかこう、すごいかわいい子としか認識していなかったなーって。ぶっちゃけ可愛ければ性別とかどうでもいいかなーって」


シュルツ「ボク今までキミのことを結構まともな子だなーって思っていたんだけど、今から『やっぱりヒナさんの友達なんだな……』に切り替えてもいい?」


美卯「う、うん。実際にヒナちゃんの友達だから、どう思われても構わないけど」


シュルツ「ヒナさんもそうなんだけど、ときどきそういう善性を出してくるのずるいよね」


美卯「えっ?」


シュルツ「もっと外見からでもわかるようなモンスター感を出していてもらわないと困るよね。カエルだって毒を持っているのはすごいカラフルな斑模様だったりするんだからさあ」


美卯「うんうん」


シュルツ「なんですかその目」


美卯「ううん。シュルツくんって、自分だけは最後までまともだと思っているところとか、かわいいなー、って」


シュルツ「そういうのマジやめてくんない!?」



椿より一言:ミウちゃんマジ許さない……。

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