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10 「勇者派遣会社ミナゴロシ・社歌」

シュルツ「次なんだけど、なんかすごいアレなんだけど」


ヒナさん「はいはい?」


シュルツ「うわー、人間できてないほうのプレハさんだ……」


ヒナさん「女の子を誰かと比べて評価するのって、感じ悪いってよく言いますよ? わたしは気にしませんけど」


シュルツ「別にヒナさんになんとも思われてもいいよ」


ヒナさん「でもこれ全国ネットですよ?」


シュルツ「くっ……、相変わらず人間できてないほうのプレハさんは、口が減らないな……。っていうかなんだよー、今は白組のターンだぞー、キミ紅組でしょー?」


ヒナさん「わたしは人類の味方です。えっへん」


シュルツ「ルールは守ろう。人類のルールを」


ヒナさん「それに今度のグループの方は、わたしの親類の方なんですよ?」


シュルツ「えっ、大丈夫? 放送できる? 倫理コードに引っかからない?」


ヒナさん「大丈夫に決まっているじゃないですか、わたしの親類の方なんですよ?」


シュルツ「あっやべえこれ話し通じてないやつだ」


ヒナさん「シュルツさんは相変わらずつれないですね……、でも、それが好き、ですよ? きゃっ、わたし全国放送でコクっちゃいましたっ、きゃっきゃっ」


シュルツ「あ、はい。それでは次は『F-COUPLE』ですVTRをどうぞ」




 ** **




Q:あなたは誰のためにこの曲を作りましたか?


ふみや『そうですね、どちらかというと社長に「うちもそろそろ社歌がほしいのう」って言われたので、そのために作りました』


ミミニ『そんな感じです』



Q:曲作りは難しかったですか?


ふみや『「誰でも作れる社歌!」という教本を買ってきて、だいたいその通りに作りました。誰でも作れる社歌と書いてあるだけあって、誰でも作れました。そう、俺たちでもです』


ミミニ『本屋さんは万物の英知が集う場所ですからね。当然です』



Q:その真面目さ、感動しました。ありがとうございました。


ふみや『いえいえ、どういたしまして』


ミミニ『引き続きよろしくお願いいたします』




 ** **




 すると、黒と白の衣装に身を包んだふみやとミミニが現れる。

 ミミニはサックスを手に持っていた。そうしてキリッとしている。


 ふみかはマイクを手に、やはりキリッとした顔を作っていた。

 ふたりはアイコンタクトをすると、ミミニはサックスに口をつけてパフォゥアーという音を響かせた。


シュルツ「それでは歌っていただきましょう。『F-COUPLE』で、『勇者派遣会社ミナゴロシ・社歌』……社歌? まあ、いいやはい、どうぞー」







『勇者派遣会社ミナゴロシ・社歌』:F-COUPLE


 作詞作曲:ミミニ




 こまったことがー ありますかー?

 いつでもお助け いたしますー


 勇者 勇者 勇者ですー

 派遣 派遣 派遣ですー


 みーなごーろーしー

 魔王とか全部 皆殺しー


 わが社の名前はー

 みーなごーろーしー


 いえーいー



 トゥトゥトゥ ドゥビドゥバー

 トゥトゥトゥ ドゥビドゥバー


 みーなごーろーしー



『ねえねえばあさんやー』(ふみやセリフ)


『なんだいじいさんやー』(ミミニセリフ)


『うちの庭に魔王が現れたってよー』(ふみやセリフ)


『そいつは困ったねえ、どうしようねえ。このまま滅びを待つしかないのかねえ』(ミミニセリフ)


『悲観に暮れる前に、あそこに電話してみようじゃないか』(ふみやセリフ)


『それってもしかして、あの噂の伝説のー』(ミミニセリフ)


『いえーい』(ハイタッチ)



 みーなごーろーしー

 魔王とか全部 皆殺しー


 わが社の名前はー

 みーなごーろーしー


 いえーいー





 ** **




シュルツ「『F-COUPLE』さん、ありがとうございました」


シュルツ「なんかミミニさんって、頭から兎みたいな耳が生えていたね。あれって獣人っていうのかな? すごいね、ファンタジーだねー」


シュルツ「ところで、誰がヒナさんの親類だったの?」


ヒナさん「えっ? 男性のほうです。母方の叔父さんです。わたしはふみやお兄ちゃんって呼んでましたけど」


シュルツ「えっ………………えっ?」


ヒナさん「慌ててふみやお兄ちゃんを二度見するほどですか!?」


シュルツ「めちゃめちゃ普通の人じゃない!? えっ、めちゃめちゃ普通の人じゃない!? めちゃめちゃ普通の人だよ!?」


ヒナさん「う、うん。ふみやお兄ちゃんは昔からのんびりしている人でしたよー?」


シュルツ「そうか、ヒナさんは藤井家のすべての異常を凝縮して誕生したこの世界の特異点だったんだね……。そうか、わかったよ、ようやくわかったよボクは、この世界の真実……」


ヒナさん「わたしのお兄ちゃんを見ただけでこの世界の真実に目覚めないでくださいよ!」


シュルツ「恐ろしい……。ああ、ボクは、ああ……、窓に、窓に!」


ヒナさん「シュルツさんー!?」


ミミニより一言:妹さん、パワフルな方ですね。


ふみやより一言:う、うん、そうだね……。

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