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異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
Episode04 短編増殖

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青天の霹靂を起こす轟雷の杖

~前回のあらすじ~

大草原の前に冒険心がくすぐられた。

 竜車というのは、竜が引く馬車のようなものだと思っていたが、どうやら間違いのようだとわかった。

 なぜなら、馬車は馬が引く物なのに対し、竜車というのは竜に乗るものだったから。

 車輪もついていないのに車というのはいかがなものだろうかと思うが。


「珍しいね、地竜ランドドラゴンを見たことがないなんて」

「ラビスシティーから外に出たことはないんだよ」


 四本足で地面を走る地竜。その背中の上に円形の座席があり、そこに俺達は座っていた。

 この地竜ランドドラゴンの凄いところは、背中の上の座席が、全く揺れないところにある。

 なぜかと言うと、なんでも地竜ランドドラゴンは生まれたばかりの子供を背中に乗せて運ぶ習性があるため、子供のために背中を揺らさない走り方をマスターしているとか。

 ただし、とても巨体のため、森の中や町の中には入れないのが難点だというらしいが、草原の国、コースフィールドではこれ以上快適な乗り物はない。


 ちなみに、地竜ランドドラゴンは竜の名前を持つが、どちらかといえばトカゲに近い種族らしい。


 乗り物といえば、いつか「魔法の絨毯」を作ってみたいと思っていたが、乗り心地だけでいえば、こっちのほうが上だと思う。


 ふと、視線を草原に移し、俺はあるものを見つけた。


「シー、止めてくれ」

「……わかりました」


 シーが俺の頼みを聞いて竜車の手綱を引いた。

 よく調教された地竜ランドドラゴンはゆっくりと停止する。

 そして、完全に停止したのを確認して俺は地竜ランドドラゴンから飛び降りた。


「またかい、コーマ」

「あぁ、まただ」


……………………………………………………

クサラクサ【素材】 レア:★


根っこが胃腸薬の材料となる草。

見た目はただの草だが、根っこが赤いのが特徴。

……………………………………………………


「私にはただの雑草に見えるんだけどね」

「……悪いな、初めて見る草なんで、少し採取しておきたい。それに、雑草なんて名前の草はこの世界にはないぞ」


 とはいえ、俺の鑑定スキルだと、レア度が1に満たないものは鑑定できないので、それらが雑草といえば雑草なんだが。


「私達にくれた薬は本当にコーマが作ったもんじゃないのか?」

「ああ、俺も多少は薬を作れるが、あの薬は断じて俺が作ったものじゃない」


 聖杯から勝手に湧き出たものだ、と心の中で付け足しておく。

 クサラクサを5本ほど採取したところで、地竜ランドドラゴンに飛び乗った。

 そして、アイテムバッグの中に入れる。


「まぁ、急ぐ旅じゃないからいいよ。明後日までは、この先のシメー湖にある島に滞在するつもりだからね」

「シメー湖にある島?」


 シメー湖……変わった名前の湖だな。

 湖に浮かぶ島か。そう言えば、琵琶湖で釣りをした時に沖島にいったが、あんな感じの島かな。


「順調に行っても今日の昼、今みたいに寄り道してても夕方には着くよ」

「そう言ってもらえると助かる……お、あの花は……」


……………………………………………………

ミズハスミレ【素材】 レア:★★


水の力が込められたスミレの花。

この花一輪を食べれば、一日水を飲まなくても平気だという。

……………………………………………………


「ミズハスミレだね。非常用に昔は旅人が持ち歩いていたそうだよ」

「へぇ……有名な花なのか」

「……今は誰も食べませんけど」


 シーが説明してくれた。ミズハスミレの中の寄生虫が問題となり、今では誰も食べなくなった。

 火を通せば寄生虫を死滅させることができるが、そうすれば内包する水の魔力も失われてしまい、非常水としての意味がなくなるという。


 それで、町でも見かけないのか。

 綺麗な花だから、普通に花屋で売っていてもおかしくない気がするんだが。

 でも、これはいいものを拾った。


 なぜなら、レシピにあれが追加された。


【流水の巻物】


 おそらく、水魔法が使えるようになる魔法書だと思う。

 これを作るのは魔王城に帰ってからだな。

 とりあえず、ミズハスミレを摘めるだけ摘んでいき、アイテムバッグに入れた。


 その時だった。


 俺の索敵スキルが反応した。大きな魔物が近付いてくる。


「スー、シー! 魔物が来るぞ!」

「魔物って、こんな見晴らしのいい草原に魔物なんて……」


 確かに、辺りを見回しても魔物の姿は見えない。

 大きな魔物だから、草の中に隠れているとは思えない。


 もしかしたら、土の中を動くワームのような魔物かと思ったが、そうじゃない。


「上だっ!」


 雲の間から影が現れた。

 それは、空を飛ぶ竜の姿だった。


「ワイバーン……いや、違う、翼竜だ! まずいぞ、コーマ! すぐに岩陰に――」


 スーが言うが、俺はアイテムバッグから轟雷の杖を取り出した。

 そして、


「雷よっ!」


 俺がそう叫んで杖を振るうと、空から雷が降り注ぐ……いや、雷が空へと舞い上がった。

 それこそ昇竜のように。


 そして、雷は翼竜を飲み込み――竜の鱗がパラパラと落ちてきた。


「……………………」

「……………………」


 スーとシーが、口を開けて茫然と天を眺めていた。

 地竜ランドドラゴンに至っては、口を開けて、ほとんど開いていなかった目が飛び出るんじゃないかというほど見開いていた。

 お前もドラゴンの名を持つんだから、そんなに驚くなよ。


 俺は落ちてきた竜の鱗を何枚か受け止めた。


……………………………………………………

翼竜の鱗【素材】 レア:★×5


翼竜の鱗。高い魔法耐性を持ち、鉄よりも固い。

そのため、加工して防具に利用されることが多い。

……………………………………………………


 おぉ、いいアイテムじゃないか。

 魔法に耐性があるのか。轟雷の杖の雷は魔法じゃないから普通に通用したのだろう。


「……コーマ、今、何をしたんだい?」

「まずかったか? 弱そうだったから倒してみたんだけど」


 診察スキルで、翼竜のHPを見たら、【9845/9980】だった。一角鯨のHPの0.1%にも満たない。

 それに、空飛ぶ魔物は雷に弱いって相場がきまってるしな。


「弱そうって……翼竜はただでさえ高い体力を持つっていうのに」


 高い体力?

 ん? そういえば、俺のHPはようやく1000に届いたところだった……クリスも600程度。

 スーとシーは354と298……。

 俺の知り合いの中でHPが一番高いタラでも3200くらいしかなかったからな。


 こうなったら俺はここで認識を改めないといけないかもしれない。


「もしかして、翼竜ってかなり強い魔物なのか?」


 俺の問いかけに、二人は黙って頷いた。

 改めて、アイテムクリエイトで作った武器の威力の高さを評価しないといけない。そう思う瞬間だった。


翼竜は本来、軍人200人くらい、もしくはギルドのAランク冒険者6人パーティー×4グループで狩るような魔物です。

でも、それよりも強い魔竜を一人で倒してるゴーリキ、半端ねぇっす。


今回からルシルのフルコースに入る予定でしたが、

コーマのチート性をいままで見逃していたような気がするので改めてこういう話を挿入しました。


~この後コーマが作るスライム~

スライムの核×翼竜の鱗(竜の鱗ならなんでもOK。ただし地竜は正確には竜種族じゃないからその鱗は使えない)

……………………………………………………

ドラゴンスライム【魔法生物】 レア:★×5


滝を登り、竜へと進化したスライム。

最弱のスライムと最強のドラゴンのコラボ魔物。

……………………………………………………


物理に強く、魔法に弱いという特性を持つスライム。

竜の鱗を装着することにより魔法耐性も身に着けた。

でも、普通にドラゴンのほうが強い。


12/8追記

何故翼竜のHPが最初から減っていたのか?

その答えは、お魚から人外転生の出世魚物語第90話で明らかになりました。

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