表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
Episode03 海上都市

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

81/742

登場人物紹介

   《閑話 再確認》


 夜中に俺は魔王城で目を覚ました。

 畳の上の羽毛布団。横を見るとコメットちゃんが横になり、タラが座ったまま寝ていた。

 ルシルがいない。

 あいつ、どこに行ったんだ?


 俺はコメットちゃんとタラを起こさないようにゆっくり立ち上がった。


「主よ。どこかに行かれるのか?」


 タラが俺に声をかけた。

 いつの間にか瞳が開いて俺を見ていた。


「悪い、起こしたか?」

「いえ、もとより某の睡眠は浅いので。ゴーリキの習慣でした」

「そうか。でも、誰かが侵入したら魔王城のアラームが鳴るんだから、安心して寝ろよ」

「御心遣い感謝します」


 タラにルシルの行き先を聞いてもいいかと思ったが、まぁ、あいつが迷宮から外に出ることはないだろうと思い、俺は魔王城を出た。

 迷宮の中は、時間に関係なく明るい。それでも、夜だと思っているからか、心なしか暗く感じる。


 そして、俺は小さく嘆息を漏らした。

 この世界に来て、それなりの月日が流れた。

 漫画やドラマやアニメやWEB小説の続きが気になって仕方がない。コレクターとして、中途半端なまま終わるというのは一番辛い。

 全てが終われば、ルシルは元の時間に戻してくれると言っていた。

 だが――竜化した自分を思い出し、それはやめておこうと思ってしまう。

 それに、この世界にいる理由が大分とできてしまった。


 最初はルシルへの罪悪感だけだった。

 クリスやメイベル、コメットちゃんにタラ、さらにはクルトやアンちゃんにマユ。

 繋がりが出来過ぎた。

 その繋がりを絶ってまで俺は日本に戻りたいのか?

 アイテム図鑑を全部埋めるまでは日本に戻らないと言った俺だが、どうなんだ?

 そもそも、アイテム図鑑が作られた時代には普通に存在し、今の時代には存在しないアイテムの一つや二つはあるのではないか?

 絶滅した種族がいるのではないか?


 例えば、ニホンオオカミのキバというアイテムが日本では新たに入手できなくなっているように。

 この世界にも手に入らないアイテムがあるのじゃないか?


 俺はそろそろ認めないといけないな。

 俺の身体が異常になったことは言い訳に過ぎない。

 アイテム図鑑を全部埋めるなんてのは言い訳に過ぎない。

 俺は、おそらく元の世界に戻ることを望んでいない。


 ルシルが許すなら、俺はあいつと一緒に永遠の時間を……二人で。


「コーマ、起きてたの?」


 ちょうどその時、ルシルが向こう側からやってきた。

 ランチバッグを持って。


「ルシル……あぁ、ちょっといろいろ考えたくてな」

「そうなんだ。あ、そうだ、コーマ。ちょっとこれ見てよ」

「ん? ランチバッグ……いや、待て、ルシル、開けるな! 絶対に開けるな!」


 押すな、押すなのノリじゃない。

 開けたら……どうなるか想像がつく。


「え? どうして? せっかくコーマのためにサンドウィッチを作ったのに」

「よし、そうだな! お前はそういうやつだ。幸い、ふたを閉じてるときはそいつは動かないみたいだな。ルシル、そこに置け!」

「……わかったわよ」


 不承不承といった感じだが、ルシルはランチバッグを置いてくれた。

 よし、あとは爆破するだけだ。

 離れたところから魔法を撃つか。いや、近距離で火炎壁ファイヤーウォールの中に閉じ込めて、そこに火炎球ファイヤーボールを打ち込んだほうがいいんじゃないか?

 そう思い、俺はランチバッグに近付いていった――その瞬間だった。


 ランチバッグが俺に噛みつこうと跳びかかってきた。

 ランチバッグの中は、まるで鉄の処女(アイアンメイデン)の拷問器具のように、針みたいな歯で埋め尽くされていた。

 あんなのに噛みつかれたら……死ぬに決まってる。

 というか――


「ミミックかよぉぉぉっ!」


 ランチバッグにサンドウィッチが憑りついたのか。

 サンドウィッチが取り憑りつくってなんだよ。

 もしかして、俺に噛みつくことで、俺を具材としたサンドウィッチを完成させようとしているってことか?


 その後、俺は魔法を駆使してランチバッグをなんとか追い払った。


 前言撤回。

 早く日本に戻りたい。

 そう思った瞬間だった。

なんで登場人物紹介なのに前書きが閑話なのか?

それは、私が登場人物だけで1話を埋めるのが嫌いだからです。

では、ここから登場人物紹介。


●メインキャラ


・コーマ/火神光磨かがみこうま

本作品の主人公。物を集めるのが大好きなため、ルシルに召喚された。

ルシファーの力を取り込んでしまい、アイテムを作る能力「アイテムクリエイト」を手に入れて魔王となった。

また、アイテムクリエイトによって作り出した能力UPアイテムにより、その能力は平均的な人間の能力を大きく上回る。

迷宮に潜るため、勇者クリスティーナの従者をしているが、逆にクリスティーナをいいように利用している。


・ルシル/ルチミナ・シフィル

メインヒロインの一人。72財宝を集めさせるため、コーマを日本から異世界に召喚した。本当は見た目20歳前後の美女で魔法の才能の塊の持ち主だったのだが、コーマの中のルシファーを封じるため、少女の姿になり、魔法も自由に使えなくなった。少女になってからは自堕落な生活を送り、タタミの上で寝たり、チョコレートを食べたりとのんびりしている。

彼女が作った料理は何故か魔物となって誰かに襲い掛かる。


・クリス/クリスティーナ

メインヒロインの一人。勇者を目指す勇者試験でコーマと出会った。コーマから剣を買うために借金をしてしまい、その他にも事あるごとにお金を借りたため、コーマには頭が上がらないこともある。

とても真面目な性格だが、その反面騙されやすい。

実はコーマと出会うまで、ずっと詐欺師に騙されてただ働きをさせられていたが、持ち前のプラス思考のおかげか、騙されていることに全く気付いていなかった。

父は七英雄の一人らしく、どうもルシファーに殺されたらしい。


・コメット/グー

コメットは孤児院育ちの少女。孤児院を救うために自ら奴隷落ちした。その後、メイベルに雇われ、コーマと出会う。コーマが自分を救ってくれた店のオーナーだと知ったことを含めて敬愛の念を抱いたが、呪いの剣によって狂戦士となったゴーリキに殺された。

グーはコーマとルシルが最初に召喚したコボルトだった。

コメットちゃんとグーの魂が共鳴し、魂の杯の力で一つとなった。そのあとは魔王城の台所番を任されている。

力の神薬のおかげで、コボルトとしては異例の強さを持つ。

コメットと名乗っているのは、グーという名前があまり気に入っていなかったから。


・タラ/ゴーリキ

タラはグーと同じくルシルとコーマに召喚されたコボルトだった。

ゴーリキは超一流の冒険者だったが、呪いの剣により力を暴走させてしまい、多くの人を殺めた罪を償うためこの世をさった。だが、自分を救ってくれたコーマへの恩義が、グーと同じく、タラと同化させた。

百戦錬磨のゴーリキの剣技と、力の神薬で強化されたタラの力のおかげで、最強の剣士の一人といえる。


・メイベル・ヴリーヴァ

サブヒロインの一人。エルフの少女。父が借金を残して死んでしまった後、奴隷として生きることに。だが、父の店を買ったコーマに奴隷として買われ、雑貨店フリーマーケットの店長を任される。とても商売熱心だが、商売に無関心なコーマが貴重な品を次々と入荷させるので戸惑いが隠せないでいる。

コーマとは通信イヤリングで連絡を取れる。


・マユ

サブヒロインの一人。水の魔王。魚の魔物を操る少女で、その正体は人魚。

水の中では話すことができるが、空気中では会話ができない。そのため、72財宝の一つ、友好の指輪を使って思念で会話する。コーマとはどこかで会ったことがあるような口ぶりだが、まだ明らかになっていない。

アイランドタートルとは友達。


●フリーマーケット従業員関係


・クルト

妹を守るために父親を殺し、犯罪奴隷になった少年。コーマに買われた後、錬金術を学ぶ。そして作った薬のおかげで多くの命が救われ、ギルドから恩赦が与えられて自由の身となった。それでも、コーマには返しきれない恩を受け、彼のことを師匠と呼ぶようになる。


・アン

クルトの妹。孤児院で目の病気で死に至りそうになっていたところをコーマに助けられ、コーマのことを勇者のお兄ちゃんと呼ぶように。

恩赦が与えられたクルトとともに、フリーマーケットの一室に住んでいる。


・リー

奴隷時代、メイベルと同室だった少女。メイベルが奴隷として買い、フリーマーケットの従業員となった。

姉御肌で、西国訛りが特徴。


・ファンシー

奴隷時代、メイベルと同室だった少女。メイベルが奴隷として買い、フリーマーケットの従業員となった。

従業員の中で、一番年上であり、一番年下に見える。計算高い少女。


・シュシュ

コメットが死んだ後、その仕事の穴を埋めるために買われた奴隷の少女。

空気を読めない天然な性格。


・レモネ

コメットが死んだ後、その仕事の穴を埋めるために買われた奴隷の少女。

常識人だが、少し気弱な性格。



●魔王

・サイルマル12世/グリューエル

本名不詳。国の王子に成り代わって国を乗っ取った謎の魔王。ゴーリキに呪いの剣を与えて暴れさせたり、ルシルの作った薬草ドラゴンをギルド迷宮に放って遊んだりもする。

300年前には魔法学園の理事長グリューエルとして学園の生徒をアンデットに変えた。


・ベリー

本名不詳。サイルマル12世がベリーと呼ぶ。最強の魔王。人間の姿でも強いが獣の姿になれば正攻法で勝てる相手はいない。

筋肉バカ。


・ルシファー

ルシルの父。七英雄と闇竜の姿で戦ったが、あえなく殺されてしまった。

その後、力はコーマへと引き継がれた。



●冒険者、勇者、ギルド関係

・ユーリ

冒険者ギルドのギルドマスター。その剣技は神速であり、世界最強の一人。

何故かいつも幼女のルルと一緒にいる。七英雄の一人。


・エリエール

サフラン雑貨店の店主にして、勇者。アイランブルグ王国からの使者であるが、その正体は冒険者ギルドのダブルスパイ。

勘違いの末、コーマに恋心を抱く。


・レメリカ

最強の受付嬢。コーマが畏怖の念を抱く。ただし、クリスやメイベルに対してはとても優しい対応をしている。


・ジューン

七英雄の一人。呪術使い。いろいろと謎に包まれているお爺さん。


・ルル

ユーリと一緒にいる幼女。喋らない。


・スー

クリスと同期の暗器使いの勇者。ゴーリキと戦うときに共闘した。コーマの武器作成の力を見込み、彼を誘惑しようとした。


・シー

スーの妹。暗器使いの腕はスー譲り。


・ジークフリード

風の騎士団の隊長。勇者試験ではルシルの作った薬草ドラゴンに倒され、その後、狂戦士となったゴーリキに殺された。


・ワッカ

元剣闘士の男で、クリスと同期の勇者。


・リーフラ

一年前に勇者試験に合格したエルフの男魔術師。


・ジョーカー

10階層を守るギルド員。ナンパな性格。



●蒼の迷宮35階層

・メアリ・ガエン

領主フリードの娘であり、フリード亡き後、35階層の領主となっている。

姉御肌の性格で、目の病気持ちだったがコーマによって回復した。


・ランダ・ガエン

マユへの人質としてフリードの養女となった。今ではメアリの妹として領主の館で暮らしている。


・フリード・ガエン

35階層の領主の男だったが、35階層の住民を守るため、エレキボムを持って一角鯨の腹の中に入って犠牲となった。


・アイランドタートルの夫婦。

マユの友達であり、35階層の島そのもの。夫は死んだと思われていたが生きていた。

二匹が交尾をする時は大災害となるため、10年に一度、決まった日に島民全員が避難したあとで行われることになった。


・ブラン/ブランモード

フリードに仕える老執事。フリード亡き後はメアリに仕え、領主の仕事のイロハを教えることに。



●ラビスシティー住民

・セバシ

奴隷商の男。奴隷への扱いはとてもよく、良心的な商売を心がける。

そのため、奴隷達からも評価は高い。


・ハンク

不動産屋の男。メイベルの父やセバシとは旧知の仲。


・カイル

孤児院の子供。生意気な子供だが、実はとても優しい心の持ち主。

将来の夢は勇者になること。


・シスター

教会と孤児院にいる修道女。子供たちからも愛され、子供たちを愛している。


・シタツキ&ゴロッパ

フリーマーケットに空き巣にはいったため、ひどい目にあった。

今では改心し、町のために働いているとか。


・エリック

リュークの店に勤める奴隷の男。メイベルとは昔からの知り合い。


●コーマの部下の魔物

・ミノタウロス

ルシル迷宮11階層~15階層を守る魔物。


・スライム

ルシル迷宮39階層に自然発生した魔物。


・魚の魔物

マユの配下。海となったルシル迷宮142階層に住む。

マユがコーマの眷属となったため、コーマの命令をマユの命令よりも優先する。


・ゴブリン

150階層に村を持つ。数も順調に増えているようだが……

擬態モンスター(ミミック)

ミミックは宝箱に擬態する魔物です。

ドラゴンク○ストに登場するときは宝箱だけれども、中には家全体に擬態して雨宿りに来た旅人を食べてしまうようなミミックも存在します。


ミミックはアイテムか?

否、魔物です、そう思うでしょうが、実はアイテムだったことがあります。

トル○コの大冒険2というゲームがあるのですが、ミミックがアイテムに化けていて、近付くと魔物の正体を現します。

ですが、通常とは違う手段(場所がえの杖を使うなど)でミミックの上に乗ると、なんとミミックを拾うことができるという裏技があったんです。とりあえず、面白いからいっぱい持って帰った、というのが私の学生の頃の思い出です。


団子に化けて食べられた鬼みたいな魔物ですね。


さて、ミミックが魔物かどうか?

という話に戻りますが、私はミミックは人間と共生している魔物、時には魔物ではなく防犯アイテムなんじゃないか? と普通に思ってしまいます。

だって、城の宝物庫に普通にいるんですよ、ミミックのやつ。

絶対、罠ですよ。トラップですよ。


また、ゲームにおけるミミックは、倒すと空箱だけが残る、というのもよくある話。その空箱が、魔物の亡骸なのか? と思うと、魔物の死体をずっと置いてある宝物庫っていうのも嫌ですよね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ