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異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
Episode03 海上都市

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指輪の物語は突然に

~前回のあらすじ~

マユ姉さんが攫われた

 クルトが初めて解呪ポーションの作成に成功した翌日の昼。

 ルシルは今日も海を満喫していた。そろそろ飽きるだろうと思ったが、コメットちゃんと一緒に泳ぎを覚えたらしく今朝から海水浴を楽しんでいた。

 ただし、泳法は犬かき。

 スクール水着を着て犬かきをする大魔王の娘。シュールすぎて笑うことすらできないよ。

 エラ呼吸ポーションを飲ませたかったのだが、拒否された。まぁ、タラも一緒についていてくれるから問題ないだろう。

 もうクリスも北の島に戻っているころだろうか?


 そんなことを思いながら、俺は料理の準備をする。

 早朝からタラが立派な鯛をとってきてくれたので、今日の昼飯は塩釜焼にすることにした。

 酒につけた鯛の腹の中にハーブ代わりの薬草を入れて、卵白と粗塩を混ぜたものを使い、1時間半くらいかけて作った。

 作り方は、琵琶湖でビワマスを釣りあげたときに、こういう食べ方もある、と教えてもらったものを参考にしている。

 ビワマスの塩窯焼、日本と行き来できるアイテムが完成したらもう一度食べてみたいものだ。

 ちなみに、鯛の塩釜焼の概念はこの世界にないのか、出来上がったものを見ても、


……………………………………………………

塩【食材】 レア:★


海の水を煮詰めるか、岩塩から取れる。

料理の基本調味料の一つ。砂糖とよく間違えられる。

……………………………………………………

 のように塩としか鑑定で見られない。

 この分だと、塩釜を砕いて中の鯛を見ても、「焼き鯛」としか表示されないだろうな。


 それにしても、塩と砂糖を間違える人、異世界にもいるんだな。

 クッキ○グパパもレシピで塩と砂糖を間違えて謝罪するという珍事があったくらいだし世界中でよくあることなのだろう。


 この塩釜焼は俺とクルトの分。

 半分人間とはいえ、半分コボルトのコメットちゃんとタラには塩分が多すぎるということで、二人には普通の焼き鯛を用意した。


 ちなみに、コメットちゃんは家の裏に勝手に作った畑の手入れをしている。

 彼女にルシルとタラを呼んでくるように頼み、俺はクルトを呼ぶ。

 もう解呪ポーションも30本できていた。錬金術レベルは今朝6に上がったらしく、調合速度が上がり消費MPはだいぶ下がった。

 錬金術レベル6って、確か50歳くらいの錬金術師が到達できる領域とかじゃなかったかな。

 技の神薬の効果もさることながら、クルトには錬金術の才能があるんじゃないだろうか?

 そうでないとしたら、錬金術へかける意気込みの違いか。


 5人が揃ったところで、俺たちは昼食を食べることにした。

 あ、ちなみにルシルの昼食はチョコレートパフェにした。流石にアイスクリームの自作などはできないので、アイテムクリエイトで作った。


……………………………………………………

チョコレートパフェDX(デラックス)【食品】 レア:★★


様々なスウィーツを組み合わせて作り上げたスウィーツの王様。

子供の憧れる究極の一品。大人の男は注文しにくい。

……………………………………………………


 スウィーツ言うな! スイーツでいいだろ。

 確かに大人の男は注文しにくいよな。


 その味の感想は、ルシルの表情をみたら語ってもらうまでもない。

 本当に幸せそうに食ってやがる。


 コメットちゃんもタラも美味しそうに食べている。

 タラもさすがに一匹しかない魚を手づかみで食べることはなく、器用に箸を使って食べてくれた。

 ナイフとフォークじゃないのか? と聞いたら、なんでも西のカリアナという国では箸を使った食事の文化があるらしく、そこで覚えたらしい。

 カリアナでは箸の他に、タタミもあるらしい。そうだよな、この世界にタタミがないのなら、アイテムクリエイトでタタミを作れるはずがないもんな。

 一度行ってみたいな、カリアナ。もしかしたら、梅の木もあるかもしれない。食べたいんだよ、梅干し。


 料理は全員満足そうだが、クルトだけは少し辛そうだ。不味いわけではなく、美味しいものを食べるのが辛いんだろうな。

 昼食を終えたクルトに俺は次の指示を出す。

 下手に休ませたら、こういう性格の人間はつい悪いことばかり考えてしまいそうだ。


「クルト、休憩がてら、これでも読んでおけ」

「は、はい」


 俺はクルトに、「気付け薬」「風邪薬」「薬膳粥」「薬草汁」「解毒ポーション」「解熱ポーション」「石化解除ポーション」「覚醒ポーション」「グリーンポーション」「レッドポーション」「チェリーポーション」「ブラックポーション」「エースポーション」「万能薬」「アルティメットポーション」「エリクシール」のレシピを渡した。

 治療目的で使われる薬のレシピだ。

 まぁ、クルトがアルティメットポーションを作れるような錬金術師になれるかどうかはわからないが、一応な。

 今読ませたレシピのアイテムの名前と材料一覧をメモに書き、クルトに持たせる。

「僕は文字が読めません」と言ったので、「勉強しろ。その時間はまた用意してやる」とだけ言ってやった。

 エリクシールに関しては、伝説の薬と言われるようなもので、アルティメットポーションよりもさらに効果が高い……そうだ。

 まぁ、アルティメットポーションでも十分に凄いのだが。


 ちなみに、材料として使われるのが「フェニックスの涙」。


……………………………………………………

フェニックスの涙【素材】 レア:★×5


火の鳥が落とす素材アイテム。再生の力の象徴。

実際の涙ではなく、涙の形をしている魔力の塊。

……………………………………………………


 超レアアイテムで、先週、フリーマーケットに持ち込まれたものをメイベルが金貨20枚で買い取り、俺がさらに金貨20枚で店から買い取った。

 店のものなんだから自由にしていいんですよ、とメイベルに言われたが、まぁそのあたりはきっちりしておきたい。

 これとアルティメットポーション2本を材料にできたのがエリクシール。


……………………………………………………

エリクシール【薬品】 レア:★×8


伝説の薬。一滴かけるだけで全てが回復する。

死者だけは生き返らせることができない。

……………………………………………………


 小さな小さな小瓶。だが、これ一本で5回は使うことができる。

 しかも、飲まなくてもいいので、意識を失っている瀕死の人にも使うことができる。

 まさに伝説の薬にふさわしい。


 フェニックスの涙。できればもう何個か手に入れたい。


「コーマ様、あちらを……」

「ん?」


 食器を片付けていたコメットちゃんが何かに気付いたらしく、俺の視線を誘導する。

 その先には小船……こちらに向かってきている。

 乗っているのはメアリともう一人白髪の女の子。

 あれ? メアリが後ろに向かって何かを投げている。


 俺はアイテムバッグから索敵眼鏡を取り出した。

 やはりだ。魔物の気配がする。

 あの小船は魔物に追われているようだ

 俺とタラの二人で急いで桟橋へと先回りする。


「メアリさん! 早く!」


 小船が桟橋に到着し、メアリさんが見知らぬ女の子と一緒に小船から降りてきた。


「悪い、頼んでいいか?」


 聞くまでもなく魔物の後処理だろうと思い、俺は二つ返事で了承。

 そして追いかけてきた白いワニの魔物――シーダイル三匹もまた桟橋から島へと上がってきた。


 よし、あれを試してみるか。


 前のシーダイルとの戦闘では使う暇もなかったが。

 俺はアイテムバッグから、竜殺しの剣グラムを取り出し、構えた。


 そして、おそいかかってくるシーダイルを剣で受け止めようとして――気付けばシーダイルは一刀両断されていた。

 ウソだろ?

 斬るつもりはなかった。なのに斬れている。

 ダメだ、この剣、切れ味が俺にはよすぎる。魔物相手だからよかったが、これが対人戦なら大変なことになっていた。


 そのころには、タラは一匹のシーダイルをしとめていた。

 残るは一匹。メアリにやられたのか、左目にナイフが刺さっているが、一番大きなシーダイルだ。


「タラ、この剣でシーダイルの歯を斬らずに受け止められるか?」


 俺はタラにグラムを渡す。


「この剣は……もしや」

「あぁ、ゴーリキを操っていた剣を清めたものだ」

「……やります」


 そういうと、タラがグラムを握り、前に出た。

 シーダイルも仲間を殺された恨みからか、それとも単に眼が痛いのか怒気を膨らませてタラに襲い掛かった。

 タラはグラムでシーダイルの巨体を受け止めた。


「おぉ、よく受け止めたな」

「剣に気を通わせれば――だが、この剣、ブラッドソードの妖気がまだ抜け切れていないのか、魔物を殺したくて堪らない様子です」

「な、魔物を殺せば前みたいに戻るのか?」

「否、それはないでしょう」

「よし、なら殺していいぞ」


 俺からの許可がでたので、タラは力を抜いた(・・・)。すると、シーダイルが左右に分断され、ドロップアイテムが残った。


「ヒュー、あんた達強いね。流石だよ」

「メアリさん、気を付けてくださいよ……ところでその子は誰ですか?」


 俺はメアリの横に立っていた、俺と同い年くらいの白い髪の儚げな少女を見て尋ねた。

 名前を訊くにはまず自分から、というが、危険な目に合わせてまで彼女を船に乗せた理由を知りたい。

 海賊なら一人で理由もなく海に出るとは思えなかった。


「ん? あぁ、紹介するよこの子はマユ。私の姉さんさ」

「……え?」


 俺は驚くしかない。

 いや、メアリの姉ということにも、クリスから聞いていたマユという名前の少女が目の前に現れたことにも驚いた。

 だが、一番の驚きは彼女のしていた指輪。

 そう、指輪に驚いた。

 なぜならそれは――


……………………………………………………

友好の指輪【魔道具】 レア:72財宝


ある国の王が天使より授かったとされる指輪。

ありとあらゆる生物、植物と心を通わせることができる。

……………………………………………………


 まさかの72財宝の出現に、俺はその目を疑った。

~ソロモンの指輪①~


友好の指輪と書いていますが、この指輪の元ネタは「ソロモンの指輪」です。

流石にソロモン王はこの世界にはいないだろう、ということで友好の指輪にしました。ソロモンの指輪は動物や植物と心を通わせる、といった能力の他に、悪魔や天使を使役する、という一面があります。友好の指輪はそこまでの力を書きませんでした……てかそこまでしたら流石にチートすぎる。


絶対○憐チ○ド○ン というアニメの第一話で超能力者を制御するための指輪を解除するためのパスワードを「ソロモン」にしていました。そこでも、「動物と会話をするため」と言って「超能力者=動物」と悪いイメージがあったり、無理やり従わせるという悪いイメージがあります。

だが、ゲームの「ネオ○トラス2」においてはソロモンの指輪は単純に動物と仲良くなるための道具みたいに使われていて、こっちはいいイメージですね。


ファイ○ルファ○タジー8に登場するソロモンの指輪はグラシャ○ボラスを使役するために必要なアイテムとされています。こっちは悪魔を従わせるイメージですね。

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