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異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
Episode13 迷宮事変

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封印解除第三段階

「面白いじゃねぇか。面白いじゃねぇかぁぁぁぁっ!」


 ベリアルが俺に殴り掛かる。今の俺はそれを避けるとか、受け流すとか、そんなまどろっこしい真似はしない。

 それを顔で受けながら、正面から受け止めながら、俺もベリアルの顏に拳を振るう。


 頬骨に罅が入っていく気がする。折れているかもしれない。だが、俺の今の肉体はそれを再生する力がある。

 その再生速度はベリアルをも上回る。


 今度は俺からベリアルに拳を振るった。蹴りを放った。同じくらいベリアルからも反撃を喰らうが、手数が同じなら、殴られた回数が、蹴られた回数が同じなら、一撃の威力と再生能力が上回る俺の方が上だ。

 そして、殴ったほうが――壊しているという感触が伝わってくる。

 十分くらい続いた殴り合いは突如として終わった。

 ベリアルからの反撃が無くなったのだ。その目はすでに白目になっていて、気を失っている。

 無防備となったベリアルの首を目掛けて、俺は手を広げ、指を纏めて振り下ろす。

 完全に息の根を止めるために。


「コーマさんっ!」


 その声が、俺の手の軌道を変えた。突如として、握りこぶしへと姿を変えた手が、俺の右頬にヒットした。その衝撃が、一瞬だけ俺を――


「ルシルぅぅぅっ!」


 俺を正気に戻した。

 そして、彼女の名を呼んだところで、俺の姿が元に戻る。

『コーマ、おかえりなさい』

「ただいま――ルシル。結構やばかったよ」


 そして、元の姿に戻った俺は自分の服を見た。

 アイテムクリエイトで作った特殊な服なのに、今の戦いでボロボロになっていた。


「サンキューな、クリス。お前の声がなかったら危なかったよ」

「いえ、コーマさんがあのまま暴走しっぱなしだったら、私も危なかったですよね」


 そう言うと、クリスからサランが出た。

 クリスの姿が元に戻る。あいつ、結局変身しただけで全く戦わなかったな。

 なんのために変身したんだよ。せめてピンチのときに変身して俺を助けてくれ。


 クリスは息を漏らした。


「やっぱり変身って疲れるのか?」


 俺はアルティメットポーションを飲んで、体に残った負担を少しでも減らす。竜化した後に残る疲労は、どういうわけかアルティメットポーションでも治らないのだが、受けた傷のうち、完全に回復していない部分を治療した。


「クリスも飲むか?」


 そう言って、俺は真っ新のアルティメットポーション(瓶はリサイクル品だけど)を差し出す。


「いえ、私は疲れていますけど、たぶん私も薬で治る類のものではないと思いますので」

「そうか……」


 俺は差し出したアルティメットを前に出したまま――のびているベリアルの口にぶっかけた。


「コーマさん、何してるんですかっ!」

「安心しろ。こいつとは何度も会っているからな。治療して、いきなり襲ってきたりしないよ」


 そして、俺の予想は当たって、そして外れたのだった。

短くてすみません。

ちょっと締め切り間近なもので。

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