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異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
Episode13 迷宮事変

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校長室捜索ノススメ

 俺たち四人は、ようやく校長室を見つけたんだが、それがとんでもなかった。

「まさかワンフロア全体が校長室だとはな」

 理事長室は未だに見つからないが、今はまず、校長が放ったらかしているという資料を探そうと思ったが、それがかなり広い。

「ベランダの景色は本当に凄いな」

 タワーマンションの屋上レベルではない。遠くの山々までしっかりと見渡せる。

 南向きの窓なので、おそらくあの雲の向こうにラビスシティーがあるんだろうな。

「んー」

 ふと疑問に思い、銀貨を一枚、ベランダから投げてみた。

 銀貨は特に何の制限もなく、下へ下へと落ちていき、最後には見えなくなってしまった。

 やっぱり落下制限の装置などはないようだ。

 安全性に問題があるな。

「コーマさん、よく下を見ていられますね。怖くないんですか?」

「どうだろうな。万が一落ちてもアイテムバッグから落下傘を出す余裕はあるし、足から落ちたら死ぬことはないだろうから特に怖くないかな。お前だって多段ジャンプのスキルがあるから怖くはないだろ?」

「そんなことないですよ。やっぱりここまでの高度だと怖いです」

「……そうか。いや、それが普通だよな」

 確かに、絶対安全だと言われても怖いものは怖いよな。東京タワーにある足下がガラスの床の上に立つとする。絶対安全だと言われても、やはり怖いひとは怖い。それが人間だ。

 俺も高いところは高所恐怖症というほどではなかったけれど、それほど得意というほどでもなかったはずなのに。

「っと、それよりベランダには何もない……と。クリス、そっちはどうだ?」

「何もありません。これほど綺麗に片付いている部屋ですからね。探せばすぐに見つかると思ったんですけど」

「本棚を見ても、百科事典だけですし」

「とても綺麗な部屋です。我々も少しは見習わないといけません」

「それはルシルがいる限り無理だな」

 あいつは部屋でダラダラしてゴミも散らかし放題だからな。

 思い出してみれば、俺が召喚してはじめて彼女に会ったときは、ゴミこそ落ちていなかったが、部屋中ホコリだらけだった。あの時ゴミがなかったのは、出るゴミがなかったからだろうな。ルシルは料理を誰かに食べさせるのは好きだが、自分で食べるために料理は作らないから、今みたいに台所を使ってゴミを散乱させることもないし。

「ってあれ?」

 何かおかしい。大きな矛盾がある。

 何か、とても大切なことを見落としている気がする。

「でも、意外ですよね。『校長の暴露本』という本を見る限り、男の一人住まいのような部屋を想像していたのですけど、きれいに片付いていますね。学園をクビになったから、立つ鳥跡を濁さずと、部屋の掃除でもなさったのでしょうか?」

 違う、そんな男じゃない。あの愚痴日記を読むかぎり、学園をクビになったのだからせめて片付けくらいはしていこうという殊勝な男ではない。

 むしろ、部屋の中に糞をしていくような奴のはずだ。

 だとすれば、この部屋は最初からこんな風に綺麗に片付いていた?

 でも、にもかかわらず資料をどこに入れたのか忘れたと書いていた。

 もしかして、校長が何か大切なものを置く場所は別のところにあるのでは?

 ……そうか!

「エロ本だ!」

 俺は思わず叫んでしまった。

「コーマさん、こんな時に何を言っているんですか?」

「あ……あの、コーマ様。もしもコーマ様が望まれるのでしたら、私はなんでもしますから、あの、今は資料探しに集中して」

 クリスとコメットちゃんが何か勘違いしたことを言ってくる。

「そうじゃないって。校長は大量のエロ本を持っていた。にもかかわらず、この部屋にはその本は一冊もない」

「全部持って行ったのでは? 校長先生はベリアルが何か大規模実験をする前にクビになって学園を去ったんですよね?」

「だとしても、エロ本を置く場所までないのは不自然だろ。それで、これだ!」

 俺は校長の論文の一冊を取り出す。


『エロ本の隠し場所百選』


 またもやコメットちゃんとクリスが嫌そうな顔をしたが、俺はそれを捲った。

「タラ! その百科事典、中を見てくれ。これにはこう書いている。『本を隠すなら本の中。カバーをかけ替えて大切な本をしまうのは基本なり』ってな」

「わかりました」

 タラがそう言うと、百科事典のカバーを外す。

 それは、紛れもないエロ本だった。

「次、クリス! そこのカーペットを捲ってくれ。『床下収納に本を隠すのならカーペットを敷くべし。取り出すのは面倒だが、まずバレルことはない』と書いている」

「……あ、本当にありました。全部……その、エッチな本だけですね」

「次、コメットちゃん。『洋服ダンスは靴の箱がちょうどいい。帽子の箱は丸すぎる』。靴の箱はあるか?」

「ありましたけど、靴の箱にはやっぱり靴しか――あ、待ってください。靴の底に本が一冊……必要のない本です」

 この調子で、俺は次々と校長のエロ本を探し出していった。中には決済の書類や、学園の機密なども同じように隠してあった。

「『よく読む本はテーブルに隠すべき。ただし、棚の中に普通に入れたら見つかる可能性がある。一番したの棚を取り外してそのスペースに隠すべき』って書いているクリス!」

 クリスはやけくそ気味に、校長の執務デスクの一番下の棚を取り外した。

 そして、そこにあったのは――

「またエッチな本と……え?」

 クリスの反応が今までと違った。

「何かあったのか?」

「コーマさん、この資料に『生命強化薬プロジェクト資料』と書いています」

「それだっ!」

 俺たちの救いとなる資料は、こうしてエロ本と一緒に見つかった。

エロ本の隠し場所。

ベッドの下ではなく、マットレスの下なのは基本だそうです。

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