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異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
Episode13 迷宮事変

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校長の愚痴日記

……………………………………………………

守護機械ガーディアン【魔道具】 レア:★★★★

魔力で動く警備人形。侵入者を見つけると襲い掛かる凶悪な魔道機械。

七桁の暗証番号を述べることで停止する。

……………………………………………………

 アイテム図鑑に登録……っと。

 凶悪な魔道機械か……それは恐ろしい。

 と、俺は目の前の全身鎧を見て笑うと――


   ※※※


 とりあえず、残骸の部品は全部アイテムバッグに入れることにした。

 この程度なら、コメットちゃんでもかすり傷ひとつ負わないだろうな。

「さてと、それでは倉庫に――じゃなくて、資料室にいかないとな」

 倉庫の中のアイテムは気になるけれど、先に見るべきは資料室だ。

 焦る気持ちを抑えながらも、資料室の扉を壊して開ける。

「あぁ、ここは本当に資料室みたいだ」

 考えてもみれば、生徒も入ることがあるかもしれない資料室にエロ本は置かないか。

 半分は教科書や参考書のようだ。

 そういえば、高校の備品室にもこんな棚があったなと思いながら、とりあえず教科書は全て中身を見てみるが、やはり普通の教科書のようだ。

 とりあえずアイテムバッグに入れる。

 教科書の判別には、反応の神薬で鍛え上げた動体視力がものをいった。

 次は論文らしき資料の山に目を通した。

 こっちは期待できそうだ。何しろ、その資料を書いているのがこの学校の校長先生。実質、学園のナンバー2だからな。

 俺は資料を拡げて見ていく。


『上司に上手にゴマをする五十の掟』

『校長の愚痴日記』

『生徒と付き合ってもばれない方法』

『エロ本の隠し場所百選』

『脱税ノススメ』


 教師もクソなら、校長もクソ野郎だ。

 この学園は滅ぶべきして滅んだのではないだろうか?


 そう思えてくる。

 でも、日記があった。かゆうまみたいに、重要なメッセージが入っているかもしれない。

 何しろ、愚痴というのは主に上司に向けられるもの。その上司というのはグリューエル――つまりはベリアルなのだから。


……………………………………………………

〇月×日 晴れ

今日の食堂、わしの貝のスープ、殻しか入っていなかった。

食堂のおばちゃんに文句を言ったら、「もう食べたんでしょ」と言われた。

わしはまだ50歳だ。ぼける年齢にはまだ早い。

……………………………………………………

〇月△日 曇り

息子が学園の受験に落ちた。学園死ね。

……………………………………………………

〇月□日 晴れ

最近、女房の帰りが遅い。息子は受験に落ちてからぐれてしまった。

全く、せっかく校長の権限を使って教員に採用してやったというのに。

……………………………………………………

〇月〇日 雨

息子が教員用の部屋に不健全な本を大量に持ち込んだ。

しかも教員全員にまで出回っているようだ。

……………………………………………………

△月☆日

弱った。息子がワシの脱税に気付いたようだ。

とりあえず、口止め料として、エロ本を買ってやった。

……………………………………………………

△月◎日

エロ本について息子と語り合う。エロ本がここまで凄いものだとは気付かなかった。

来年度に向けて、エロ本学科を新設しようと思う。

今日からこの日記は愚痴日記ではなく、エロ本日記と名付けよう。

……………………………………………………

□月

もう日付を記すのも面倒になった。天気もいつの間にか書かなくなったし。

……………………………………………………

エロ本学科の創設が原因だ。ワシは学園をクビになることになった。

この学園の人間はクズばかりだ。

……………………………………………………


「クズはお前だっ!」

 俺は愚痴日記を握りつぶしそうになりながらも、最後の一ページを見る。


……………………………………………………

理事長が明日の大規模実験の資料を私に返すように言ったが、どこに置いたか忘れた。

もうどうせクビになる学園だ。去る前に理事長室の扉に落書きをして帰ろう。

ついでに、この学園がクズであることを記したこの日記も、ワシの作った素晴らしい論文とともに資料室にしまってもらおう。

……………………………………………………


 ……明日の大規模実験?

 もしかして、それが例の実験じゃないだろうか?


 そう思った時、クリス、コメットちゃん、タラから同時に通信イヤリングがなった。

『コーマさん、今、「素晴らしい校長の日記」という本を見まして校長室に――』

『コーマ様、「校長の暴露本」という本がありました。その中に――』

『主、「素晴らしきかな校長生活」という本の中に――』


 この学園の校長は、どれだけ暇だったんだろ?

 一冊の本を作るのって、かなり大変な作業のはずなのに。

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