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異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
Episode13 迷宮事変

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ゴルゴン魔法学園の広場

 ゴルゴン魔法学園。

 ラビスシティーより遥か北。大陸の端にあるマックライク国にある学園。かつては、生徒数は約3万7千人と、規模だけでいえばスウィートポテト学園以上の巨大な学校だったそうだ。そこで多くの生徒が魔法を学び、様々な研究をし、多くの魔道具が生み出された。俺がこれまでアイテムクリエイトで作った魔道具も、もしかしたらその魔法学園で発明されたものがいくつかあるかもしれない。

 その魔法学園をそこまで発展させたのが、当時の理事長、グリューエル。

 資料によると年老いた老人の姿だったらしい彼は、人体実験を行い、生徒を魔物へと作り変えた。何のためにそのような実験を行っていたのかはわからないが、その時の薬が、今回の魔物化因子と関係があるに違いない。


 クリスと手を繋ぎ、タラ、コメットちゃんとともに俺たちはそのゴルゴン魔法学園へと移動した。

「ここがそうなのか?」

 学園というと、大学のキャンパスのような場所を想像したけれど、今のところはだだっ広い石畳の広場のようだ。遠くに建物がいくつか見えるし、さらにその向こうには、ラビスシティーのような外壁が見える。

「はい。ここが魔法学園です。数十年前まではリッチと不死生物アンデッドの蔓延る大地だったのですが、最近になってようやく討伐が完了しました。その討伐隊にサイモンさんもかかわっていたそうで、私たちはこの学園に入ることができました。ちなみに、学園の周りはこの国の兵が見張っていて、本来は誰も入れないそうですよ」

「学園の中に見張りはいないのか?」

「いません。というのも、私たちが使っている転移陣のように、この学園は全体が貴重な資料なんです。知識のない人間が勝手に入ったら何をされるかわからない、そう思っている人がいるんでしょうね。年に数回、調査団が入るだけのようです。多くの場所に、罠があったり、守護機械ガーディアンがいたりで調査は遅々として進んでいないみたいですね。たぶん、転移陣があるここまで入れたのも私とサイモンさんだけではないでしょうか?」

「……ん? 守護機械ガーディアンと罠があったのに、魔物たちは普通に学園の中を移動していたのか?」

「ここの罠や守護機械は、魔石を使って魔力で動いているんですが、その動力が切れていたそうです。そして、魔物を殲滅した後、サイモンさんがこっそり動力を起動させたそうです」

「え? なんのために?」

「知りません」

 ……だよな。正直、それも本当かどうかわからない。もしかしたら、サイモンが「押すな危険」と書かれたボタンを、何も考えずに押してしまっただけかもしれない。直接会ったことはないけれど、サイモンに関しては考えるだけ無駄だ。

「それより、少し寒いな」

「今は初秋ですから、まだマシのはずですよ。冬になると雪が積もって大変だそうです。私たちが来たのは夏でしたから、まだマシでした……勇者試験に少しの差で間に合わなくて、一年暇になりましたからね」

 どうやら、クリスは一昨年の勇者試験の時期にここに来たらしい。

 そうなると、クリスが試験に間に合っていたら、俺はここには来れなかったわけか。というか、そもそもクリスに出会えていなかったんだな。

 さて、雑談をしている暇は本当はない。

 早く資料を探さないと――

「コーマ様……あれを見てください」

 俺の服を掴み、コメットちゃんがそう言った。

 彼女の指さす方向、遥か頭上を見て、俺は驚愕した。

「おいおい、魔法学園って、さすがにやりすぎだろ」


 建物が――空を飛んでいた。

 しかも、その数、ざっと20はある。


「本気で跳べば届くでしょうか?」


 タラ、さすがに無理だ。高度600メートルはある。東京タワーより高い。


「クリス、多段ジャンプで跳べるか?」

「流石に無理ですね」

「仕方ない。鳥の模型を飛ばして建物にロープを引っかけるか」


 俺も空飛ぶ道具は作れていないからな。

 ルシルがいれば、転移魔法で建物まで移動できるんだろうが、あいつが迷宮の中にいなければ、俺たちが戻るとき、誰も転移陣の封印を解除できない。


 ただし、鳥の模型は決められたルートを飛ぶだけで、ドローンみたいな細かい動作はできないからな。

 それに、運べる重さも限られている。

 んー、まずは丈夫な紐の輪をひっかけさせて、そこから縄に付け替えるのがベストか。


「あ、コーマさん。必要ありません。建物の中には転移陣で移動できますから」

「転移陣? あぁ、この転移陣が建物の中に通じているのか」


 そうかそうか、そういえば転移陣だもんな。どこかに通じているのは当然か。

 よし、これで移動できるな。


「よし、クリス。資料室みたいなものがある建物はどこだ?」

「わかりません!」

「なら、建物の地図がある場所は?」

「知りません」

「……別れて探すぞ! 通信イヤリングを持て! 地図か資料室、どっちかを見つけたら連絡してくれ」

「「「はい」」」

 俺は三人に通信イヤリングを渡すと、広場にある転移陣の中から無作為に選んではいっていった。

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