表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
Episode13 迷宮事変

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

582/742

望まぬ軍団

本日、12月19日は異世界でアイテムコレクター2巻の発売日です。

 その日、俺はユーリに呼び出された。

 どうして呼び出されたのか? それは理解している。正直、こちらから行こうとしていたくらいだ。

 ブンドの迷宮に通じるはずの階段。それが、今朝はいくら土を掘っても現れなかった。何かあった。そのくらいはわかる。そして、それが何かというのも、大体は理解している。理解しているのだが――


「ブンドが死んだ」


 そう面と向かって言われたとき、俺はどういう顔をしたらいいのかわからなかった。

 コメットちゃんの時のように怒り狂っているわけではない。蒼の迷宮でともに戦った者が死んだときのように考える余裕がないわけでもない。それでも、俺はその死を告げられても、どこか他人事のように思っていた。

 悲しくないわけではない。それが誰かに殺されたのだとしたら、その殺した相手を恨むだろう。

 だが――


「何があったのか、わかってるのか?」


 俺は感情的になれない。なってはいけないと思った。


「殺されたのだろうな。恐らくは、ベリアル勢の魔王に――もしくはベリアル本人に殺されたのかもしれない」

「ベリアルか……なんで」


 俺がぽつりとつぶやく。


「ブンドは我々の派閥において、最古参の魔王だ。ゆえに私たちが持っていない情報を持っている可能性がある。それを排除するためかもしれない」

「そうじゃない、なんでこのタイミングなんだ?」

「どういうことだ?」

「ブンドは自分が殺されることに気付いていた感じなんだ。俺に、この後客が来るって言っていた」

「……なるほど、昨日、何か変わったことはなかったか?」


 昨日、変わったこと。

 ブンドからルシファーに関する話を聞いたこと? いや、ブンドが情報を漏らしたことが原因だとするのなら、殺されるのはブンドよりも俺のほうだ。何より、情報が漏れることを恐れて殺すのだとしたら、ユーリの派閥リストが出回る前後で既にブンドが殺されている可能性のほうが高い。

 とすれば、あれか。

 草薙の剣が完成したことか?


 72財宝のひとつ、ユグドラシルの種をベリアルは持っていた。

 そして、72財宝のひとつ、竜殺しの剣グラムをゴーリキに持たせたのもベリアルらしい。

 とすれば、ベリアルは72財宝を集めている? いや、もしもそうだとすれば、グラムを呪ってゴーリキに持たせたり、そもそも狙ってくるとしたらやはりブンドではなく、草薙の剣を持っている俺だろう。

 もしかして、ベリアルは俺に72財宝を集めさせている? 72財宝が集まりそうなところで横から奪うとしているのか?


「ユーリ、お前に聞きたいことがある」

「なんだ?」

「お前は、お前自身――ユーリ自身についてどこまで知っている?」


 俺が尋ねると、ユーリは質問の意図を測りかねるといった感じで尋ねた。


「質問の仕方が悪かった。72財宝について、どこまで知っているんだ?」

「72財宝……なるほど、そういうことか。ブンドはとある剣を完成させたのだな」


 そう尋ねられ、俺は無言で頷いた。


「と言っても、私も詳しいことはわからない。確かに、私――闘神人形は72財宝と呼ばれるアイテムらしい。私が知っているのは、これが異界の天使に関係のあるものだというくらいだ」


 天使という単語に、バベルの塔で出会ったあの天使の姿がフラッシュバックする。


「天使は72人いて、生まれた時、その72人のうちの3人がフォローをすると言われている。そして、72財宝の72という数はそれに合わせたという話だ。恐らく72という数字に意味があるのだろう」


 72の天使。生まれながらに3人の天使のサポート。初めて聞く情報だが、結局は何もわからないのと一緒だな。


「72財宝に関して知っているかはわからないが、アイテムに関して知識を持っている者を紹介しよう」


 ユーリはそう言うと、紙に何か書いて、俺に渡した。

 その時、ドアがノックされる。


「ギルドマスター、失礼します、レメリカです」

「入りなさい」


 ユーリがそう言うと、扉が開かれ、魔王――否、レメリカさんが入室した。


「どうした? 緊急の用事か?」

「はい――」


 そう言って、レメリカさんは俺に視線を配る。あぁ、邪魔者か。ならすぐに退室を――


「彼のことはいい。話しなさい」


 とユーリが余計なことを言った。面倒そうだから帰りたかったのに。

 そう思ったが、この後のことを聞くと、そうも言ってはいられなかった。


「リーリウム王国、サイルマル王国の両国より軍が迫っています。戦争の意志はなし。彼等の望みは、先日より開放された迷宮の調査と壊滅です」

「「…………っ!」」


 俺とユーリが同時に顔をこわばらせる。

 サイルマル王国とリーリウム王国が同時に攻めてくる?

 ルシル迷宮に?

 ベリアルはともかく、リーリエは何を考えているんだ!?


「そして、リーリウム王国の軍を率いるのは、近衛隊長イシズ。サイルマル王国の軍を率いるのは――」


 レメリカさんは一拍間を置いて、その名を告げた。


「勇者エリエールです」


 その時、俺を襲った衝撃は、ブンドが殺されたと知った時以上のものだった。

前書きでも言いましたが、本日、12月19日は異世界でアイテムコレクター2巻の発売日です。

今回、謎の行動をしているエリエールさん初登場巻です。

ルシルのスクール水着姿や、コメットちゃんの水着姿がフルカラーで描かれているのも見どころです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ