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異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
Episode13 迷宮事変

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存在しない神

 リーリウム王国の南に位置する大森林を、私とサイモンさんはひたすら歩いていました。三日は経過したでしょうか?

 何度目かになる休憩をしています。

 アイテムバッグの中から飲み物と食べ物を出してサイモンさんに渡しました。

 サイモンさんはパンを齧って、言います。

「あと三時間程度で目的の場所に到着する」

 サイモンさんはずっとこの調子です。時間を正確に私に伝えてきます。体の中に時計が埋め込まれているのではないでしょうか?

 そう思ってしまうほどです。でも、最初はあと五十時間だとか六十時間だとか言っていたわけですから、あと三時間と言われたらもう少しって感じがしますね。

 いつもは十分程休憩したら出発します。

 なので、そろそろ出発かと思ったら、サイモンさんが口を開きました。

 ですが、それは出発の合図ではありませんでした。

「クリス。お前は無知か?」

「……そうですね、コーマさんからはよくバカだと言われますが」

 私は恥ずかしいと思いながらも正直に言います。

「バカと無知とは違う。俺に言わせれば、自分のことを賢いと思っている大半の人間はバカだ。そして、全てを知っていると思っている奴ほど無知だ」

「……はぁ、じゃあ、私は自分の事をちょっとだけバカだという自覚があるわけですから、それほどバカじゃないってことですか?」

「いや、お前と何年かともに行動したが、紛れもない生粋のバカだ。胸を張っていいぞ」

「…………」

 私ってそこまで言われるようなことをしたでしょうか?

 そりゃ、何の疑いもしないままリーリエちゃんに牢屋に閉じ込められちゃったりしていましたけど。

「お前がバカなのは今更のことだ、気にするな。お前はバカだが、他の人間より無知度はマシだ。お前は世界の秘密の片鱗をその目で見ているのだからな」

「それって、サイモンさんが言っていた、天使やバベルの塔のことですか?」

「そうだ。そして、それがこの世界の秘密に繋がる。俺はどこかの物語の登場人物みたいにじらしたり、秘密を秘密のままにしたりしないから安心しろ。直ぐにでも言ってやる。言葉にすれば十文字にも満たない」

 そうして、サイモンさんは口を開きました。

 本当に、一拍も間を開けずに言います。

「この世に神はいない」

 ただし、それは私にはよくわからないことでした。

「えっと、つまり、この世界には慈悲がないってことですか?」

「そうではない。クリス、お前は神の名を知っているか?」

「え?」


 私は考えます。いえ、考えるまでもありません。なぜなら、神には名前などあるわけがありません。神はこの世界の唯一にして無二の存在。全ての精霊の主であり、人々の創造主です。

 そのような方に名前を付けるという行為はありえない。何故なら、名前を付けるというのは、それは立場が上の者がする行為だから。

 私が考えたのは、どうしてサイモンさんがこのような質問をしたか? でした。

 やっぱり、私のことをバカで無知だと思っているのでしょうか?


「名前はない。そう言われている。だが、おかしいとはおもわないか? 名前がないのに、どうして俺たちは神のことを“神”と呼ぶ?」

「……え?」

「“神”というそれもまた、名前ではないのか?」

「それは、私が人間という種族であり、そしてクリスという名前があるような感じなのでは?」

「それは、人間が複数いるから分けている。唯一無二の存在なら、種族という概念は存在しない。だが、クリス、お前の言っていることは半分当たっている」

「……え?」

「そう、神はいる」


 またもや意味がわかりません。

 神様はいないと言ったり、いると言ったり。


「アマテラスノオオミカミ、イザナギ、イザナミ、ツクヨミやスサノオなんてのもいたな」

「……誰のことですか?」

「カリアナの民が信仰している神の名前だ。それだけではない。ゼウス、ゴッド、アラー。彼等の世界には多くの神の伝承が、その名とともに残っている。そうだ、コーマと言ったな、あいつがいた世界だ。それだけじゃない、あいつの世界には、それこそ数えきれないほどの神がいる」

「コーマさんの世界の神様ですか……」


 うーん、ちょっと想像しにくいですね。それだけ神様がいるのなら、一体神殿は何カ所あるのでしょうか?

 神父様の数も足りないと思いますけれど。


「そして、その神々に仕える存在がいた。それが天使だ。そして、天使の中のひとりが神々に反旗を翻した。向こう側の世界では様々な名で呼ばれているが、ともかく、その天使は神々から72の財宝を奪い、その力を使って、異なる世界を生み出した。その世界がこの世界だ」

「……え?」

「さて、休憩は終わりだ。あと二時間四十分で目的の場所に着く。話の続きはそこについてからだ」


 サイモンさんはそう言うと立ち上がりました。

 私はサイモンさんに質問したいことがあったのですが、その質問が多すぎて、何から聞いたらいいのかわからず、結局はサイモンさんに言われた通り、ただただ後をついていくことしかできませんでした。

急展開ですが、最終回が近いというわけではありません。

異世界でアイテムコレクター2巻、19日発売ですが、一部書店では本日より販売開始しています。

私は地元の本屋三件ほど見て回りましたが、入荷はやはり19日のようでした。

見かけられた方は感想欄などでご一報いただけたら嬉しいです。

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