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異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
Episode13 迷宮事変

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地下3000メートルを目指して

「待たせたな」


 俺はオリハルコンのドリルを持って、ブンドのところに戻った。

 ブンドは俺が持っている物を見て、それが何かすぐに気付いたようだ。さっきまでトロリとほろ酔い気分だったのに、一気に目が醒めたようだ。


「おま、それ、まさかオリハルコンのドリルなのか?」

「よくわかったな。これで土を掘る」

「……土を掘るのはいいが、掘った土はどうする? ドリルは掘った土や岩盤を砕いて上げるだけ。それを運ぶ人間がいないと――」

「ドリルの中にアイテムバッグを仕込んだ。無限に砕いた土も鉱石も入っていく」

「……アイテムバッグ……そんなバカな改造を――いや、理にかなってるか」


 ブンドは考え、そして、


「確かにそれなら土を掘ることは可能だ――でも、ワシはやはり、お前を行かせるのは反対だ。お前はいい酒を作ってくれる。そんな魔王を失うのは辛い」

「安心しろ、俺が生き埋めになることは絶対にない。絶対にな」


 そして、俺はヘルメットを被る。ヘルメットには魔力灯が点いている。魔力灯を灯らせている。

 迷宮の中でも松明やランプは必要ないが、それはあくまで天井や壁が光っているからだ。

 だが、土を掘るとなると、話は変わる。土は光らない。だから、掘り進めば天井からの光は届かなくなる。

 そのため、このような光源が必要だ。


「タラはここで待っていてくれ。そうだな、オリハルコンが大量に採れたらお前にもエクスカリバーを、ブンドにはオリハルコンの杯を作るよ」

「オリハルコンの杯か。がはは、オリハルコンの加工はそう簡単じゃないぞ」

「あぁ、(記憶を失っていた)俺も実際に力だけで剣を作ったことがあるからよくわかってる。でも、ブンド。このドリルは誰が作ったと思うんだ? っと、いかんいかん、喋り過ぎた」


 俺はそう言ってニっと笑うと、思わぬ鉱脈の発見に口が緩んでいるなと思って、ジェスチャーでお口にチャックした。

 そして、俺はドリルを使って、人ひとりがぎりぎり通れるような穴を掘っていこうとした――が――


「思ったより遅いな」

「いや、十分早いぞ」


 分速五メートルくらいか。

 これだとオリハルコンの鉱脈を掘り当てる場所にたどり着くまで十時間くらいかかりそうだな。


「そうだ、ブンドにタラ、もしかしたら地盤沈下などがあるかもしれないから、とりあえず避難しておいてくれ」


    ※※※


 三時間経過。現在、約一キロの地点。

 さっきから、ドリルの音が変わっている。どうやら、かなり硬い岩盤があるらしい。

 地下一キロともなるとかなり土もあったかい。上を見上げても、すでに迷宮の光は届いていない。

 一応、百メートルおきに魔力灯を置いている。

 頭の魔力灯はつけっぱなしだ。


 その魔力灯が、土壁を照らし出したとき、


「ん? これはミスリルか……こんなところにもあったんだな」


 鉱石といえば、たいていは原石のままだと色あせているのに、ミスリルは綺麗だな。

 このまま飾っても十分に芸術品となる。

 まぁ、ミスリルには困っていないから、ここは放置でいいか。そう言いながら、俺は魔力粘土で周囲を固めていく。これで土壁が崩落する心配はないだろう。

 そうか、ドリルが音を立てて砕いているのはミスリルか。


   ※※※


 六時間経過。現在、約地下二キロ。ここまで来るとさすがに地熱が凄いことになっている。

 耐熱ポーションがなければ燃えているだろう。

 俺のアイテムバッグや服も特別な素材でできているので燃えることはないが。


 そこで、俺はそれを掘り当てた。

「げ、水脈か」

 地下2000メートル。水脈はすでにお湯になっている。

 所謂、深層天然温泉だ。

 耐熱ポーションがあるおかげで平気だけれども、温度は50度を超えているんじゃないだろうか? しかも成分がわからない以上「いい湯だな」とはならない。

 でも、さすがは俺のドリル。水も汲み上げて内臓しているアイテムバッグへとしまっていく。


 あとで効能を確かめたら、アイテムバッグから出して魔王城に温泉でも作るか。


   ※※※


 十時間経過。現在――恐らく地下三キロ。

 正直、体がきつい。体力的には問題ないし、睡眠代替薬も飲んでいるので眠気もないのだが、とにかく暇なのだ。

 景色もなにもあったものじゃない。


 そろそろ目的地に着くと思った、その時だった。

 ドリルが急に大きな音を立て――その動きを止めた。


「来たかっ!」


 オリハルコンドリルの動きを止めるほどの強度のある鉱石――そんなものひとつしかない。

 つまりは、同じオリハルコンだ。


 俺はドリルに内蔵されたアイテムバッグを取り出すと、その中にドリルを入れた。

 そして、足元を魔力灯で照らし出す。


……………………………………………………

オリハルコン鉱石【素材】 レア:★×9


神々の金属、オリハルコンを含む鉱石。

伝説はこれより生まれる。

……………………………………………………


 あった――オリハルコン鉱石だ。

 ここまで十時間。残りは十四時間もあるのか。


 さて、今から探しますか。オリハルコンを。

 俺はまず、オリハルコン鉱石をオリハルコンに変え、そこからそのアイテムを作った。


……………………………………………………

オリハルコンシャベル【槌】 レア:★×9


オリハルコンで作られたシャベル。

本当にオリハルコンで作る必要があるのか?

……………………………………………………


 オリハルコン製のシャベルだ。シャベルなのに槌扱いされている。武器としても十分に通用はするだろうが。

 さらに、アイテムバッグから複数の木片や魔石などの素材を取り出し、


……………………………………………………

箱型アイテムバッグ改【魔道具】 レア:★×5


多くアイテムを入れることのできる箱。アイテムバッグを入れることはできない。

アイテム以外を入れることもできない。容量は無限大。

……………………………………………………


 箱なのにバッグとはこれはいかに、な魔道具だ。

 俺はそれを設置すると、せっせとオリハルコンシャベルで土を掘って箱型アイテムバッグの中に入れていく。

 オリハルコン鉱石はそれほど数はないけれど、それでも一時間に三、四個は見つけることができた。


 そして、俺はいつしか時間の経過なんてすっかり忘れてしまっていた。


   ※※※


 二十四時間経過。穴の入り口が塞がった。

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