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異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
第三部 世界終焉編 Episode12 骨の迷宮

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コレクターの掟

「タラ、フーカをこっちに! 俺が背負って戦う」

「わかりました」


 タラがフーカを丁寧に放り投げる。

 俺は彼女を受け取り、紐で背中に結び付けた。彼女の大きな胸が俺の背中の上で押し潰される。

 だが、クリスの胸を直に見たことがある俺。この程度で動揺するわけが――


 冒険者らしき男が振り下ろした剣が俺の髪を掠めた。


「あっぶねぇ」

「主、油断めされるな」

「あぁ、わかってる。こいつら、普通の人間よりは、はるかに強い」


 俺はそう言って、力の妙薬を飲んだ。

 そこに、一匹の大きな金色のドラゴンが前に出た。

 それもまた、スカルコレクターだ。


「あなたにはお礼を言わないといけませんね」

「……礼を言われるようなことなんてした覚えはないぞ」

「私は自分がスライムであることを心から軽蔑していました。ですから、この分裂の技も最後の手段だったんですよ。一体は私の本体が死んだ時の保険でしたが、このように複数の体で戦うことになるとは思っていませんでした。ですが、あなたが教えてくれた。私は最弱種じゃないと。私は、私たちは極めれば最強種にもなりうると」

「言いたいことはそれだけか?」

「あとひとつ、私が汚したコレクターの魂というのを教えてもらいたいですね」


 ……あぁ、そのことか。


「わかった、教えてやるよ。ただし、戦いながらなっ!」


 俺はそう言うと、アイテムバッグから留め具を引いてエレキボムを放り投げた。

 と同時にエントキラーを取り出して走り、真正面にいたドラゴンの頭蓋骨を叩き割った。


「タラ、弱点は頭と核だ! 頭蓋骨を潰してスライム状態にしてから核を潰せ」


 俺がそう叫び終わると同時に、エレキボムが破裂し、爆音が響き渡った。


 俺はエントキラーで真っ二つに割れたドラゴンの頭蓋骨の横にいたスカルコレクターその2の核を叩き潰す。真っ赤なスライムの粘液があたりに飛び散った。エントキラーにもべとりと付く。

 そして、俺は残りのスカルコレクターを見て宣言した。


「コレクターの掟その一!」


 そう言って、冒険者の姿をしたスカルコレクターに向かった。


「ゴミは極力出さない! ガチャガチャではカプセルは所定の回収箱に入れること。お菓子のおまけの場合、お菓子を捨てるなんて論外!」


 俺はそう言って、エントキラーを横にし、まるで蠅叩きみたいに冒険者の頭蓋骨をスライムごと叩き潰す。


「ガチャガチャって何かわからないよ!」


 犬の魔物の姿をしたスカルコレクターニ十体が同時に俺に襲い掛かった。

 が、俺は上に大きくジャンプし、エントキラーを左手に持ち、アイテムバッグから神雷の杖を取り出した。


「コレクターの掟その二! 雷よっ!」


 その二といいながら、神雷の杖で、真下に一カ所にまとまったスカルコレクターを一掃し、俺は着地しながら続けた。


「コレクターはコレ友に対しては、必要以上に自慢しない!」


 もちろん、見せびらかしたい気持ちはわかるし、見せびらかすなとは言わない。

 でも、必要以上に自慢される気持ちになってみろ。

 お前にわかるか? その時の悔しさが。


「『え? まだ手に入れてないの? 俺なんて最初に引いたのがこのカードだったから価値わからんわ』とか言われた人の気持ちがお前にわかるかっ! わかんないだろ!」

『コーマは私にいつもパーカ人形について熱く語ってくるけどそれはいいの?』


 通信イヤリングがまだ繋がっていたらしい。

 ルシルがそんなツッコミを入れてきた。


「それはいいんだよ。お前はコレ友じゃないからな。ノンケに対する布教もまた立派なコレクターの務めだ。もちろん、本気でイヤがってる相手にそんなことしないけど、ルシルは聞いてくれるじゃないか」

『まぁ、暇だし』


 うん、そういうところもルシルの好きなところのひとつだな。

 おっと、話がそれてしまった。

 まだ三割も減っていないな。タラもさっきの汚名を返上するためにか、いつも以上に張り切っている。

 俺もそろそろペースを上げていかないといけない。


「コレクターの掟その三!」

「……ん……え? お兄さん!? ここは」

「って、フーカ、目が覚めたのか。悪いが辛抱しろ、今スカルコレクター軍団と戦ってるところだからな、しばらくそこでじっとしていろ」

「スカルコレクター軍団ってどういうことですか!?」

「後で説明してるからじっとしていろ。お前の姉ちゃんの骨は取り戻してやったからな」

「お姉ちゃんの……」


 フーカの声から読み取れる感情は複雑そうだ。

 姉の骨がここにあるということは、それは姉の死を受け入れなければいけないということだからな。

 

「あの、僕も戦わせてもらえませんか?」

「ダメだ。こいつらは俺やタラからしたら雑魚だが、一番弱いやつでもお前と対等。いや、お前より強い。だからそこで見ていろ」


 そして俺はエントキラーを構えて言った。


「従者の復讐は勇者がしてやるよ!」


 俺はそう言って、飛びあがり、


「コレクターの掟その四!」

『その三よ』

「……その三!」


 通信イヤリングからの訂正に対し、俺は素直に応じた。

 そして、敵の中心に飛び込み、エントキラーを振り回しながら言った。


「コレクター作業で他人を悲しませるべからず!」


 お前は自分の蒐集欲のために多くの人を苦しめた。これより、コレクター代表としてお前を断罪する。


『でもコーマ、前にパーカ人形を買い占めて子供を泣かせたって言ってなかった?』

「……あの後、ダブってる人形いっぱいあげたからノーカウントだよっ!」


 通信イヤリングからの辛辣なツッコミに、俺は叫びながら釈明した。

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