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異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
第三部 世界終焉編 Episode12 骨の迷宮

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話は飯を食べてから

~前回のあらすじ~

勇者試験初日を突破した。

 帰りものんびり上がったので、一番乗りというわけではないが、それでも余裕をもって勇者試験初日を突破した。

 地上に戻った時はすでに夕方になっていたが、今も14階層では戦いが続いているだろう。

 そう思うと贅沢な気持ちになれた。


「お兄さん、本当に食事をご馳走になっていんですか?」

「従者の飯は勇者が奢るもんだろ?」


 どこかの勇者は従者に飯を奢ってもらっていたが。

 本来ならすぐにフリーマーケットの寮に戻って休むところだけど、ちょっとだけ厄介な敵もいることだしな。

 俺たちの本当に戦いはここからだ、というべきか。


 以前、スーとシー、クリスと三人で食事をするために行ったレストランを目指す。周囲に店はなく、湖のほとりにある。

 周辺に民家は無く、人通りも少ない。

 絶好の襲われポイントといったところか。


「お客様のお出ましか」

「……魔物? 町の中に?」


 フーカもその気配に気付いたようだな。

 振り返ると、そこにいたのは五人の騎士だった。


 ……こいつらを見るのは一年振りだな。いや、もちろん本人かどうかはわからないが。


「鬼の娘、よこせ」

「その娘、よこせ」

「渡せ、鬼の娘」

「我が主のために」

「ついてこい、鬼の娘」


 五人の鎧を纏った騎士。

「痩せたんじゃないか? ダイエットのしすぎじゃないか?」


 俺は苦笑しながらもそれを見た。

 昨日と同様スケルトン。ただし、着ている鎧は見覚えがあった。

 風の騎士団。去年、勇者試験合格筆頭とまで言われた騎士たちがいた。ゴーリキによって殺され、その遺体はサイルマル王国に搬送されたはずである。

 もちろん、同じ鎧を着ているだけという可能性もあるが。


 でも、本人だろうなという直感があった。

 五人の戦いっぷりは、たった一度、ミノタウロス相手に戦っているところを遠くから見ただけだが、そのフォーメーションは覚えている。

 こいつらと同じような形で敵を囲んでいた。


「……フーカは下がってろ。流石にお前だと分が悪い」

「あの、お兄さん、相手の狙いは僕じゃ――」

「質問して答えてくれるような奴なら苦労しないよ」


 俺はそう言うと、魔法を唱える。


明かり(ライト)!」


 光の魔法――本来なら文字通り明かりにしかならないはずだが、不死生物アンデッドに対してはそうではない。


「ぐあぁぁぁぁっ!」


 光の球を喰らったひとりが煙となって消え失せた。そう、不死生物アンデッドに対しては効果は抜群だ。

 まぁ、風の騎士団は強いだろうが、一年間成長を続けた俺の敵じゃないな。

 ドラゴ〇ボールで、魔人〇ウを倒したあとにブ〇ー将軍が出て来ても苦戦するわけがないのと同じ理屈だ。

 勇者試験初日の俺だったら敵わなかっただろうが。


「せいやぁぁぁぁっ!」


 下がっているように言ったはずなのに、フーカが戦っていた。

 彼らが使うレイピアがフーカの頬に傷を作るが、それだけだった。骨は殴られて吹き飛ぶ。


「あぁ、もう怪我をして……一気に終わらせるか」


 そう言うと、俺はアイテムバッグから神雷の杖を取り出し、

「雷よ! 雷よ! 雷よ!」

 と三連族で雷を放つ。

 一瞬にして敵は全滅した。

 誰がリーダーのジークフリードだったのかわからないまま。


「フーカ大丈夫か?」


 頬に傷を作っただけだから大丈夫だろう。そう思ったが、違った。

 フーカが突然倒れ、苦しみ出したのだ。


「ぐ……がぁぁぁぁぁ」


 手を伸ばし、土を掴む。 


【HP248/262 MP12/12 死呪】


 死の呪い? ヤバそうな呪いだ。

 徐々にフーカの容態が落ち着いてくる。


「剣から呪いをかけた。死にたくなかったら鬼の娘を連れて骨の迷宮に来い。今すぐに。さもないと、鬼の娘の命は蝕まれ、一週間で死ぬ。スカルコレクター様がお待ちだ」


 そう言って、フーカが殴った一体の騎士のスケルトンは崩れ落ち、魔石と骨を残す。

 そして残された俺は彼女を見た。


「……大丈夫です……だいぶ慣れました……」

「あ、そうか。じゃあ行くか」

「いえ、お兄さんを巻き込むことはできません。やはりスカルコレクターは……くっ、私ひとりで行きます。幸い勇者試験中ですから……」

「いや、俺は飯を食いに行こうって言っただけだよ」


 そう言って俺はフーカの体にエリクシールを一滴垂らした。

 エリクシールはフーカの頬に落ち、彼女の肌にしみこんでいく。

 傷が一瞬のうちに塞がり、


【HP262/262 MP12/12】


 危ない状態異常も消え失せた。


「……え?」

「はい、解呪終了。相手から誘ってきたんだ。今夜襲われることはないだろ」

「え? あの……何をしたんですか?」

「レストランに予約してるから、飯を食うんだよ」

「……あの、そういうことでは?」

「知ってるか? ここの湖、かなりブラックバスが繁殖しているらしくて、最近ブラックバス料理が流行ってるんだよ。どんな調理をしてるんだろうな?」

「いえ、あの……僕の話を聞いてますか? あの、なんで僕の呪いは?」

「飯でも食いながら……いや、重い話になりそうだから、飯を食べ終わってから聞いてやるよ」


 そもそも、スカルコレクターの名前が出てきた時点で、もう厄介事でしかないだろ。

 ユーリから貰った名簿リストの中に、その魔王の名前があったのだから。


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