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異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
第三部 世界終焉編 Episode12 骨の迷宮

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15階層への階段

 タラと別れて、俺たちは氷結の迷宮の奥へと進む。

 十三階層も楽々突破し、十四階層へ。

 ここまで来ると、雪が一気に止んでしまう。代わりに現れるのが、氷の大地だ。


 もっとも、俺のかんじきは、雪の上だけでなく、氷の上を歩くことにも対応しており、滑り止めは完璧だ。

 湖の上の氷と違い、分厚い氷の下は迷宮の大地があるだけなので、氷の上で暴れても問題ない。


 俺たちよりも先に来た勇者候補たちの仕業だろう、あちこちの氷には罅が入っている。


「ここまで三時間……まぁ、概ね予定通りだな」


 行きはよいよい帰りは怖い、という童歌があるが、この迷宮に関して言えば、帰りは楽なものだ。

 ちなみに、制限時間は明日の午前11時まで、試験は正午時開始だったので23時間以内に目的を果たして脱出すればいいわけだが、二日目の試験が明日の11時集合、正午開始であることを考えると、夜中の12時までには地上に帰りたい。


「お兄さん、ここに来たことがあるんですか?」

「あぁ、15階層まではいったぞ」


 アイテム探しのためにいろいろな迷宮に行ったからな。

 そういえば、ここの迷宮は15階層より下は行ったことがなかったな。

 階段が氷に閉ざされていて、奥には行けなかったんだよな。


「では、お兄さん、十四階層の注意点は何かありますか?」


 まるでインタビュアーみたいな口調で、俺に尋ねた。


「十四階層から十五階層に通じる階段はこれまでと違い、一カ所しかないからな。大勢集まっているだろうよ」

「あぁ、階段が一カ所しかないなら確かに殺到するでしょうね」

「殺到するよ。だからのんびりいこうぜ。とりあえず、せっかくだし氷は掘っておくか」


 天然氷はあったほうがいいんだよなぁ。かき氷を作る時に。

 ルシルが言うには、魔法で作った氷とは味が違うらしい。俺には区別はつかないんだけど。井戸水を魔法で凍らせても十分に美味しい。いや、シロップを入れなければ味もなにもないんだが。

 ルシルは、料理はできないが、意外と味はわかるそうで、天然氷ならではの甘みがあるそうだ。


「お兄さん、いいんですか? そんなにのんびりしてて」

「いいんだよ。タラが上にいる以上、あそこを簡単に突破できるとは思えないからな……」


 ツルハシで氷を掘って、アイテムバッグに入れていく。


「はぁ……まぁ、時間に余裕はありますが……」


   ※※※


 それから一時間後、15階層に続く階段の近くに用意されていたのは、野戦病棟みたいな場所だった。

 前に来たときはあのようなテントはなかったので、ギルドが用意したのだろう。


 冒険者ギルドは、今回、怪我人が大勢出ると予想されている場所には、こうした救護テントが用意されている。

 ちなみに、そこを利用したら戦闘不能とみなされでギルド試験への復帰ができなくなる。

 例えばフーカがテントの中に入った場合、フーカは二日目以降、迷宮の中に同伴できなくなってしまうし、勇者候補が入れば問答無用で試験失格となる。それでもテントを利用する人間は後を絶たない。


 その理由は、あれだな。


「猿……ですか?」


 白い毛の猿が階段を守っていた。

 その足元には氷の礫があり、大量にその氷を投げていた。


 ただし、その速度はまるで超電磁砲レールガン

 油断すれば――


「……ああなるってわけか」


 目をそむけたくなる。

 猿の氷が当たった従者候補の顏が吹き飛び、氷の大地を赤く染めていた。

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