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異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
第三部 世界終焉編 Episode12 骨の迷宮

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勇者試験の番号

~前回のあらすじ~

チョコバナナ!


 勇者試験会場。

 1000人が入ることができるという会場だが、会場内は2000人を越えているため、見た目だけで、もう暑苦しすぎる。


 今年は去年以上の参加者の数だったので、会場の熱気と窮屈さも去年以上だ。

 なんでも、去年、勇者候補者の中でも合格者候補筆頭とまで言われた、風の騎士団団長ジークフリード、魔竜殺しの傭兵ゴーリキを含め、多くの人間が竜の姿をしている、今でも冒険者の間で語り継がれている謎の魔物(実はただの薬草汁)に襲われて、不合格に至った。

 そのため、繰り上げで、何人か無名の勇者候補が勇者の称号を、冒険者にとって最高の名誉を得ることになった。


 そのため、今回の勇者試験ではどこか棚ぼたを期待した、それでも実力のある冒険者が大勢集まったというわけらしい。

 去年の今頃の俺だったら、この熱気に嫌な気分になっただろうが、一年間の間に俺も成長した。

……………………………………………………

耐熱ポーション【薬品】 レア:★★★


飲むことで熱への耐性が24時間上がる薬。

重複効果はない。炎を浴びても平気。

……………………………………………………

 雪解けチョコレートと同じレア度という貴重なのかそうでないのかわからない薬を飲んでいるため、この熱気にも耐えられる。24時間続いても耐えられる。むしろ、勇者試験の勝負として、24時間耐久、ギルドマスターの演説聞く大会にしてくれないかな?

 それなら、負けない自信が――いや、やっぱ無理だわ。

 たとえ熱に耐えられても、ごつい男に囲まれて24時間いるのはいやだ。さっきも思ったが、見た目だけで暑苦しいからな。


「……フーカ、見えるか?」


 足元で一生懸命、つま先立ちしているフーカを見る。


「無理のようですね……」

「もしかして、一番前に行かないと何も見えないから、早く会場に行きたかったのか?」


 並んだ順番に入場していたからな。たしかに三時間前から並んだら一番先頭とまではいかなくても前の方に行けただろう。

 結局、祭りの雰囲気を満喫してしまったせいで、かなり後ろの方になってしまった。


「そんなことないですよ。でも、身長が低いって結構不便なんですよ――こういう時は周りが見えませんし、壇上の様子も見えません。それに、空気って悪い空気が下に溜ってくるから息苦しい気持ちになりますし」

「火事の時は身を低くして綺麗な空気を吸うように言われていたけどな」


 まぁ、煙は大抵上に上がるからなんだろうけど。一酸化炭素も空気より軽いから吸ったら危ないというのもあるのか。

 もっとも、俺も背は高い方ではない。男性としては平均レベルだと思っていたが、それは日本での話だ。もちろん、この世界の食生活を考えると栄養不足で身長が低い人間も多く、平均と考えれば俺は平均よりも高いのかもしれないが、こと冒険者の中となると、その平均値というのは大きく跳ね上がる。インフレする。さらに勇者候補ともなると、背の高いやつらばかりだ。


 例えば、今壇上に上がったイケメン勇者――ユーリもそのひとりだ。

 もっとも、あいつは栄養価はまるで関係のないのだが。


「よく集まってくれた、未来の勇者諸君!」


 ユーリの声に、会場が静まり返る。

 おぉおぉ、凄い気迫を出してるねぇ。

 一年前のこの時、俺はユーリがすでに仮初のギルドマスターだと気付いていたんだよな。


……………………………………………………

闘神人形【魔道具】 レア:72財宝


魔力で動く、最強の力と剣技を持つ人形。鑑定遮断の能力も持つ。

魔力を提供するには一定の距離内にいなければいけない。

……………………………………………………

 鑑定遮断さえも行えるという72財宝、ユーリ人形。

 だが、俺の鑑定はルシファーの力を使った特別性。最初からその正体を見抜いていた。

 そのユーリを操っているのが、彼の隣にいるルルという少女であることも。


 今日もルルはユーリに背負われている。

 そして、去年と同様に長いだけで意味の乏しい演説がはじまった。


 俺たちは全員未来の勇者だの、試験を全力で頑張ってほしいだの。

 決まった台詞をユーリが言って、いや、ユーリに言わせて、ルルは退場した。

 結局のところ、話題は何ひとつ入っていない。


 この後は去年と同様、ゼッケンが渡される。

 去年はクリスが1番だったが、今回はギリギリに申し込みしたので、俺が一番最後だ。


 ゼッケンの受け渡しは3時間にわたって続いた。

 既に1番のゼッケンを受け取った人間は迷宮の十階層へと向かっている。


 だんだんと人が減ってきた。同時に、ギルド職員の数も減ってくる。

 残ったのは、俺とフーカ、タラ、そしてギルド職員のレメリカさんだけになる。。

 ということは、次は俺の番だな。


「それでは、タラさん、どうぞ」


 だが、呼ばれたのは俺ではなくタラだった。


「ちょっと待ってくれ、俺が先じゃないんですか?」


 試験の申し込みは俺が先でタラが後だったはずだ


「何か?」

「いえ、なんでもありません」


 レメリカに睨みつけられ、俺は即座に引き下がった。


 タラにゼッケンが渡される。


「主、失礼します」

「あぁ、タラも頑張れよ」


 タラを応援しながらも、俺は最後のゼッケンを受け取り、俺たちもまた迷宮へと移動を開始した。


「……俺にぴったりの数字だな」


 今年の勇者試験、勇者候補の数、総勢666名。

 一番最後にゼッケンを受け取った俺の番号は666番だった。

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