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異世界でアイテムコレクター  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中
第三部 世界終焉編 Episode12 骨の迷宮

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三体の異形

~前回のあらすじ~

寮を出て、フーカの武器を作ろうとしたのだが。

 寮を出ると、複数の気配を感じた。

 既に太陽が傾き、夕方になっている。にもかかわらず、妙だ。

 いくら裏路地だからといって、人の流れがまるでない。

 隣の大通りを見ると、裏路地に入ろうとした若い男が急に方向転換した。

 人避けの結界……みたいなものでも展開しているのだろうか?

 似たようなアイテムはある。そこにあるものをないように見せる魔道具や、人が入るのを遠ざけるような魔道具も。


 なんか面倒なことになってるなぁと、頭をポリポリかいてから、困ったように息を漏らす。


「とりあえず、出て来いよ……ってか、それで隠れているつもりなのか?」


 俺が呟くと、壁の陰から、ゴミ箱の裏から、寮の屋上から、計三人の顔以外を黒ローブで身を隠し、能面のような仮面を被った奴らが現れた。

 そいつらのHPを見て、俺は違和感を覚えた。


【HP578/578】

【HP578/578】

【HP578/578】


 まず第一にHPがかなり高い。一般的な人間のHPは二ケタ前半。ベテラン戦士でようやく三桁に届くか届かないかというあたりなのに、こいつらは500もHPがある。それに、なにより三人のHPが全員同じというのが気になった。


「おいおい、変わった格好をしているが、何だ? 勇者試験でも受けに来たのか? だったらしっかり受け付けしないといけないぞ。見たところ黄色い布はつけていないみたいだが」


「どこだ、鬼族の娘。出せ」

「出せ、鬼族の娘、出せ」

「オニダセ」


 低い声でそんな要求を出してきた。

 ……あぁ、こいつらの目的は俺やフリマではなく、フーカか。やれやれ、厄介な話だな。

 自分が原因とはいえ、本当に厄介ごとを抱え込むのは得意のようだ。


「全く、鬼を出せ鬼を出せって、季節外れの節分じゃないんだからよ。もうちょっと言葉のレパートリーを増やせないのか? 鬼ってなんのことだ? その鬼に恨みでもあるのか? 話してみろって。事と次第によっては協力してやるから」


 俺がそう言う。十中八九、こいつらは悪人なのだろうが、それでもただの借金取りさんの可能性もあるし、穏便に終わるのならそれに越したことはない。そう思ってやったのに、


「出さないなら殺す」

「出しても殺す。関係者殺す」

「メイレイ、シタガウ。コロス」


 と言って、ローブの中から剣を取り出してきた。鞘から剣を抜く音が聞こえないところを考えると、こいつら、抜き身で剣を持っていやがったのか。

 なんて考えながらも――結局こうなるのか、と俺もアイテムバッグから剣を出す――までもなく、壁に立てかけてあった箒を手に持った。


 中にいるメイベルたちが気付く前にけりをつけてやるよ。


「かかってきな――」


 俺がそう言うと、それに呼応するように三人が一斉に斬りかかってきた。

 連携もくそもない。ただ単純に目の前の俺を斬りかかろうとしてきた、その単調な攻撃は、正直欠伸が出るかと思った。


 もちろん、去年の今頃の俺だったらかなり危なかっただろうが、今の俺の敵ではない。

 箒の柄で、男たちの仮面を砕いていく。

 仮面は貝殻程度の硬さで、簡単に砕くことができた。さて、お顔を拝見させていただくとしますか。まぁ、仮面で隠してるんだし、きっとかなり不細工なんだろうな……と思い、その素顔を見て、俺は一瞬絶句した。


 仮面の男たちは、人ではなかった。いや、もしかしたら、かつては人だたのかもしれないが、今は人ではない。

 それは、まるで理科室にある白骨標本のような生物。


 不死生物アンデッド……スケルトンか。スケルトンが喋るなんて、いや、スケルトンを見ただけでも一年前の俺なら驚いていただろうな。

 かつて、マネットが作ったボーンゴーレムを見たことがあり、見た目はスケルトンと変わりないので、もしかしたらそっちかもしれないが。


「あぁ、まぁスケルトンでもボーンゴーレムでもどっちでもいいけどさ、俺の実力はわかっただろ? 引いてくれないか?」

「殺す」「殺す」「コロス」

「やっぱりとりあってくれないか……なら、殺されても文句言うなよ――」


 俺はそう言って、箒をくるくると回す。

 気分は棒術使いだ。


 いくぞっ!


 と俺が箒を突きだそうとした次の瞬間――といっても俺は瞬く間というにはそれなりにしっかりと見ることができたのだが――、レイピアがスケルトンたちの額を貫き、スケルトンを殲滅していた。


「余計なことをしたかね? コーマくん」

「いんや、手間が省けたよ……久しぶりだな、ギルドマスター」


 俺はそう言って、笑いかけた。

 そこにいたのは、褐色肌に黒い髪の長身の男、ユーリと、彼におぶられた赤髪の少女のルルだった。


「それにしても職務怠慢じゃないか? 町の中に魔物が入り込ませるなんて。一体、門番は何をしているんだ?」


 こいつらはフーカを追って、町の外からやってきたのだろう。一体、どうやって門を越えたのやら。

 転移陣でもあるのだろうか?


「確かに魔物に町の中への侵入を許したのはこちらの責任だが、彼らは町の外から入ったのではない――」


 そして、ユーリは視線をスケルトンたちに向けた。

 すると、スケルトンが纏っていたローブともども、消え失せ、そしてその場には骨と魔石が残っていた。

 魔石……それがあるってことは。


「こいつら、迷宮の魔物なのか?」


 とすれば、こいつらに命令をしているのは……魔王?

 どこかの魔王がフーカを狙っている……そういうことなのか?

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